「・・・今回の兵器は神の遺伝子を組み込みました」
「何だって?」
「神の遺伝子です。古代の伝説、」
「ああ、人類を死に追い詰めた、神からの使い、クオークの話か?」
=ク・ウォーク(クオーク)=
人類を絶滅させようとした大昔の化物。それは伝説になってもいる。生物学者では、この生物をいると主張する者、いないと主張する者と分かれている。
「その何千年もの昔の生物、ていうか、存在していたのかわからない生き物の遺伝子を発見したと?」
「発見したのではありません。創ったのです」
「なんだと?」
「その大昔の生物は、どうやら人の手によって創られたと思われる物を発見したのです。発掘、採取の部門から、このような奇妙な石版をもらいました」
(石版には、見たこともない文字が描かれている。しかし、)
「・・・これは、遺伝子の式・・・?!」
「これに基づいて、生成した遺伝子を組み込んだ子がいます。あなたの組織に差し上げましょう」
「ふむ・・・責任、丸投げ、ということか。良いだろう。・・・コードネームは?」
「mourning・・・でどうでしょうか?」
・・・ここは、どこだ?
子宮の中?暖かい。
化学物質の特有の、吐き気のするような匂い。
赤い、紅い液体に包まれている。
外からの声がした。
「mourining・・・でどうでしょうか?」
モウ二ング・・・?一体何の会話をしているのだ?
「・・・もう、耳が聞こえていたりするのか?」
「ええ、話しかけてみては?」
「・・・聴こえるか?」
明らかに、私に話しかけている。
一体、彼らはいったい・・・?
「!?・・・こっちを見た!?」
「彼に視力があるのか、まだ検討がつきません」
しりょく・・・?それは何なんだ?
ここはどこだ?紅い色だけ見える。紅い、赤い色。
「早速、開放しましょう」
!?嫌だ、まだ、ここにいたい!
嫌だ!嫌だ―――――!!!
学者が、機械のレバーを下げた。モウ二ング、というコードネームを付けられた彼が、カプセルの中から開放される。カプセルの上が開き。モウニングの身体につけられていた無数の針みたいなチューブが解かれる。
その時だった。
キシャアァアアアアアアアァァァァア!!!
「っ!?!」
「何だ!?」
殺人兵器が、叫びだした。カプセルの中から勢いよく飛び出しては、消える。
「どこだ!?」
「いかん!!」
学者が顔を青に染めている。もう一人の学者が焦り出す。
「やっぱりまだ未完成だったんだ!いきなり細胞促進剤の投与を中止したから、痛がって・・・!」
「あの殺人兵器は、痛覚はカットしているだろう!?」
ボクハ、ボクハ、僕は!誰だっ!!