◆練習内容

洋の東西を問わず東洋の陰陽思想からニュートンの引力の法則まで、必ず一貫して共通していることがある

それは、ある方向に力が働けば、必ず逆の方向に力が働く、これらを矛盾の力と意拳では説いている。

複雑きわまりない、一言では言い表せないが、 例えば

動静・虚実・遅速・弛緩緊張・進退・反則・縦横・高低・開合・伸縮・仰揚・陰陽・斜正・長短・大小・剛柔・堤頓など、いずれも矛盾をはらみながらも、互いに統一している。

この種の運動の真髄、規範を学ぶために有形無形のさまざまな方法として、

站椿 試力 摩擦歩 試声 発力 単操手 推手 断手

の各種練習過程を体得する。

特に守中用中と呼ばれる中心線「センター」の運用を重視するため、各種練習過程を通じて、終始、中心線「センター」の体得を追求する。

 

これについては、王岳銘先生が強調された事項で、練習の際、特に上下の中心線そして、鼻の頭、それを見通した手から、身体全体を使って中心線を体得する。

中心線を理解すること、体得することは、非常に大切であると言われたことは、鮮明に覚えています。

意拳のナカミとは簡潔明瞭に言うと感覚である。

形や動作、六面力、矛盾の力、点の技術など有形であるかに思えるが、ポイントは実用化できる感覚を掴んだか、つまり無形である感覚が今後得る可能性である。

人間の感覚を科学的に解き明かしても、科学力で再現できない。 世界一の反射望遠鏡のレンズは、科学力による技術をもってしても未だ人による研磨技術に近づけない。

実用化できる指導者による指導受けが出来なければ、自己満足でおわるでしょう。理論と実用化を繰り返して自己の身体状態に合う技術を体得、自得することで感覚であるナカミを獲得することができる。

各指導者の理論上の共通点はあるが、実用化できる感覚上の共通点は、レベルに応じて違う。また、いかに効率的、効果的な実用化の為の感覚指導をできるかは、指導者の感覚能力による。

この時点で情報の共有化をしても、感覚練習であるため、繰り返しの多いグループ単位で感覚能力を練習するほうが効果的である。

そのため各支部単位となる。

結論は、己が何を求めているか、である。

形やフォーム、試合ゲームによる駆け引き、単純な騙しとスピードによるもので、ナカミのない交流を図って満足するのか、実用化できる感覚練習なのか。

前者は、当初から向上がわかりやすく、スポーツトレーニングが主体となるため、練習から離れると急激にレベルが低下する。

後者は、感覚を掴むまでレベルの向上は難しいが、いったん感覚を掴んでしまうと、練習から離れても急激にレベルが低下することがない。これもナカミの練習の特徴である。