性病と病原体の種類
性病の治療薬とは
性病を治療する薬とは、言い換えれば、性病の原因となる病原体の増殖を防いだり、病原体自体を死滅させる薬のことです。
【抗菌薬】とか【抗生物質】とか【抗生剤】とか呼ばれていますね。
正確には、【抗生物質】は【抗菌薬】に含まれます。
そして、【抗生剤】とは、正式な医学用語ではありません。
細菌や真菌(カビ)には【抗生物質】や【抗菌薬】が有効です。
細菌や真菌は自分の細胞を持つので、治療薬を作る事が出来るのです。
細菌が原因の感染症に対しては、20世紀半ばに、ペニシリンなどの抗生物質が開発され、 それまで恐れられていた、赤痢やチフス等の伝染病や、髄膜炎、肺炎も治療することができるようになりました。
『抗生物質』は、細胞の構造を利用して作用します。
『抗生物質』 とは、病原体(細菌のような微生物)の細胞だけを攻撃する事が出来る薬です。
つまり
性病の元となる病原体が、細菌や真菌、または、寄生虫や原虫の場合には、
【抗生物質】と言う、治療薬が効きます。
細菌の場合は、それぞれの特性に応じてすぐれた抗生物質と合成抗菌薬があります。
真菌の場合も、細胞膜を破壊したり、細胞膜の合成を阻害する抗真菌薬があります。
一方、ウイルスは細胞を持っていません。
つまり
ウイルスには、【抗生物質】や【抗菌薬】は治療薬としての、効果がありません。
抗生物質が効く性病~細菌・真菌・原虫・寄生虫が病原体
抗生物質が効かない性病~ウイルスが病原体
【細菌】
【クラミジア】
(ウイルスの性質を持つ細菌=偏性細胞内寄生体と呼ばれます)
【真菌・かび】
【寄生虫・原虫】
確かに、インフルエンザウイルス、水痘(ヘルペスウイルス)、HIV(エイズの原因のウイルス)、サイトメガロウイルス等に対する、【抗ウイルス薬】は有ります。
ただし、それらは、ウイルスの増殖を制御する薬で、ウイルスを死滅させる薬ではありません。
しかも、全ての人に完全な効果がある訳ではありません。
現代の医学では、人間の細胞を壊さずに、ウイルスだけを攻撃出来る、安全で有効な抗ウイルス薬が、まだ少ないのです。
結果として、その他の数百種類のウイルスには特効薬が無いのです。
ノロウイルスや麻疹(ハシカ)ウイルス、風疹ウイルスなどに有効な抗ウイルス薬は、未だに開発されていません。
また、インフルエンザの治療薬のタミフルでは、児童の異常行動の発生等の問題も起きていますね。
現代の医学では、人体にダメージを与えず、ウイルスだけをピンポイントで殺せる、ゴルゴ13のような薬は、存在しないのです。
基本的にはウイルスに感染した時には、人は自分の免疫力で治しているのです。
なので、抗ウイルス薬としては、ウイルスに直接作用するもの以外に、免疫機能を調節することで、ウイルスに対抗するものがあります。
ウイルス性の感染症の怖さ
ウイルスが原因の感染症が、慢性化した時は、恐いですよ。
その人の、人生に大きな影響を与えます。
エイズはモチロン、B型肝炎やC型肝炎等の訴訟問題も、もとをただせば、体内に入り込んだウイルスの怖さからです。
B型肝炎はエイズ以上に恐いですよ。
また、対ウイルス予防ワクチンでも、子宮頸がんの予防ワクチンのように、 副作用が原因で、実質的な使用中止になるような問題も起きています。