抗原検査は抗原の有無を調べます。
抗体検査は抗体の有無を調べます。
市販の検査キットや病院・クリニックでの検査は抗原検査です。
保健所での検査は抗体検査です。
今現在、クラミジアに感染しているかどうかを確かめるには、
血液の採取による【抗体検査】ではなく、尿や膣からの分泌物などを検体にする【抗原検査】を行うのが一般的です。
クラミジアの抗原検査
クラミジアの抗原検査は、クラミジアそのものを見つける検査になります。
抗原とは病原体そのものの事です。
抗原検査は、病原菌そのものを検出する方法なので、疑わしい日から2~3日後の検査でも、判ります。
郵送式の自己検査キットや病院・クリニックでの検査方法です。
検査結果が、抗原陽性=(+)なら、今、そこにクラミジアがいるということです。
クラミジア抗原検査のデメリット
抗原検査は、検体を採取した場所の事しかわかりません。
例えば、尿検査や膣の分泌物・擦過物で判るのは、性器にクラミジアがいるかどうかだけです。
のどに感染していても、判りません。
抗原検査は、知りたい場所から検体を取らないとだめなのです。
つまり、抗原の陰性は、必ずしも、感染していないと言う証明にはならない訳です。
特に女子の場合、クラミジアは時間の経過と共に居場所を移動するので、感染の有無の把握が難しくなります。
理由は性器の構造の違いに有ります。
男性の性器には、空間がありませんが、女性の性器は空間がたくさんあります。
なので、クラミジアが移動しやすいのです。
特に、膣口より奥の、子宮頚管や卵管、腹腔内へ移動されると、クラミジアの抗原採取は困難になります。
結局、男性の場合は、抗原検査で、性器と、咽喉を検査すれば、大丈夫です。
性器クラミジア感染症の検査の検体
男性は尿を使って検査します。
女性は子宮頚管からの擦過物(こすりとったもの)や膣(ヴァギナ)からの分泌物を使って検査します。
喉(のど)クラミジア感染症の検査の検体
男子・女子とも、うがい液や喉(のど)ぬぐい液を使って検査します。
クラミジア性結膜炎の検査の検体
結膜擦過物(けつまくさっかぶつ)を使って検査します。
クラミジア性結膜炎は、別名、トラコーマとも呼ばれます。
昭和の世代は、結構知ってます。
性器クラミジア感染症の原因菌の正式名称は、クラミジア・トラコマティス( Chlamydia Trachomatis )
トラコーマはこの名称に由来します。
クラミジアは元々は眼の病気だったのです。
AV(アダルトビデオ)でおなじみの、【顔射】~クラミジア入りの精液を顔に受けると、恐いですよ。
クラミジアの抗体検査
クラミジアの抗体検査は、クラミジアそのものを見つける検査では有りません。
クラミジアに感染した形跡を見つける検査、つまり、抗体があるかどうかを確かめる検査です。
抗体検査は、血液検査で行います。
多くの保健所で、無料で受けられます。(HIVの無料検査を受けると、同時に調べてくれます)
抗体とは、細菌やウイルス等の病原体に感染した時に、身体が作り出す免疫物質です。
いわば、敵と戦う、【兵士】ですね。
【抗体=兵士】は、戦闘が終わり、病原体が全滅した後も、ずっと血液の中に残るのです。
全ての抗体は、免疫(めんえき)グロブリンと呼ばれる、たんぱく質です。
免疫グロブリン=immunoglobulin、は「Ig(アイジー)」と略されます。
100種類近くのグロブリン=Igがあります。
抗体検査は血液中に免疫グロブリン=Ig(アイジー)があるかどうかを検査します。
クラミジアの感染抗体
クラミジア感染抗体には、IgA抗体(あいじーえーこうたい)とIgG(あいじーじーこうたい)抗体があります。
クラミジア抗体検査は、血液の中のIgA、IgGの2つの抗体の存在を検査します。
IgA抗体は、感染後しばらくして、体内に侵入したクラミジアと戦うために作られる抗体です。
IgG抗体は、クラミジアとの闘いが終わった後も、体内に残る抗体です。
クラミジアに感染した直後はIgA抗体、IgG抗体とも陰性ですが、少しするとIgA抗体が陽性になり、その後、IgG抗体が陽性になります。
治療が始まると、IgAが陰性化し、最その後、IgGが陰性化します。
この陽性化、陰性化の時間や期間は、個人差があり、一概には言えません。
完治してもIgG抗体の陰性化には、10年近くかかる場合もありますし、一生陰性化しない場合もあります。
クラミジアの抗体検査は、今までに感染したことがあるかどうかは判りますが、
今現在、感染しているかどうかの判断には、不向きです。
ただし、女性の場合は、抗体検査も必要です。
クラミジアが治っていても、陽性反応を示すことがあります
タイミングが悪く、抗体が無くなる前に検査をすると、陽性の反応が出ます。
クラミジアの感染抗体が、消滅するまでの時間には、かなりの個人差があります。
一生消えない人も、たくさんいます。
クラミジアに感染していても、陰性反応を示すことがあります
タイミングが悪く、クラミジア感染抗体が出来る前に検査をすると、陰性の反応が出ます。
クラミジアに感染してから抗体が出来るまでの期間には、かなりの個人差があります。
数週間で抗体が出来る人もいれば、3ヶ月たっても出来ない人もいます。