抗原とは
細菌、ウイルス、アレルギーの原因となる動植物の成分等、『外部からの人体への侵略者』のことを、【抗原】と呼びます。
抗体とは
人の身体は、【抗原】が侵入すると、その【抗原】だけにぴったりと形の合うたんぱく質を作ります。
まるで、鍵と鍵穴のような関係で、1対1で【抗原】に結合して、身体から排除します。
そのたんぱく質を、【免疫グロブリン】と呼びます。
これが、【抗体】です。
免疫グロブリン(めんえき-、immunoglobulin)と呼ばれる。「Ig(アイジー)」と略される。
すべての抗体は免疫グロブリンであり、血漿中のγ(ガンマ)グロブリンにあたる。
【抗体】は、【抗原】が消滅した後も、つまり、病気が治ったあとも、血液の中に残ります。
ですので、抗体の有無は、血清中のタンパク質を測定することで分かります。
つまり、抗体検査は血液検査で行われます。
抗体検査で調べる性病
HIV(エイズ)・梅毒・クラミジアの抗体検査・C型肝炎・B型肝炎
身体の中に抗体があるということは、抗体が出来る原因となった病原菌がいたということです。
抗体がある事を、『抗体陽性』とか、『抗体の陽性反応』とか言います。
ただし、抗体が出来る時期は、かなりの個人差があり、感染後、数週間で抗体が出来る人もいれば、3ヶ月たっても出来ない人もいます。
そして、
『抗体がある』ということは、今までに感染したことがあるということであって
『今現在、感染している』事とは必ずしも、同じではないわけです。
抗体検査のメリット
抗体検査は、血液検査です。
血液中の抗体の存在を調べるので、身体全体の検査が出来ます。
抗体検査のデメリット
過去に感染したことがあるかどうかは判るのですが、今現在、感染しているかどうかは、判りません。
抗体ができるまでには、ある程度の時間がかかるので、タイミングが早すぎると、感染していたかどうかの判断を間違ってしまいます。
グロブリン分画といって、約80種類あるグロブリンを細かく調べることで、
「現在の感染」なのか「過去の感染」なのか、知ることはできますが、普通は、【抗原検査】を行います。
抗体検査は、基本的には、過去を調べる検査です。
血液ではなく、患者の尿や患部の粘膜からの採取物等により、菌の検出を試みる方法が抗原検査です。
抗原検査で調べる性病
淋病(淋菌感染症)・クラミジア・カンジダ・トリコモナス・のど淋病・のどクラミジア・尖圭(せんけい)コンジローマ・HPV(ヒトパピローマウイルス悪性)
抗原検査のメリット
抗原とは、病原体そのものですから、今現在の感染の有無が判ります。
抗原検査は、現在の状況を調べる検査です。
抗原検査のデメリット
検体を採取した、その場所の状態しか分かりません。
例えば、淋病やクラミジア等は、性器には感染していなくても、咽喉に感染していることが多くあります。