膣トリコモナス症の治療方法~最適な治療薬とは?

膣トリコモナス症の一番の治療薬とは

膣トリコモナス感染症の治療には、ニトロイミダゾール系のメトロニダゾールが一般的です。

日本性感染症学会では、男女ともに

メトロニダゾールの経口薬250mgを『1日2錠で10日間の内服』を推奨しています。

トリコモナスに市販の治療薬はありません

膣トリコモナス症の治療薬は市販されていません。

医療機関へ行き医師の診察を受け、薬を処方してもらうことになります。

どうしても病院に行かないでメトロニダゾールが欲しいなら、個人輸入を利用することをお勧めします。

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腟トリコモナスの治療方法

トリコモナス症の治療薬は、抗トリコモナス剤(メトロニダゾール)の投薬治療が一般的です。

通常、成人にはメトロニダゾールとして、1クールとして、1回250mgを1日2回、10日間経口投与します。

他の性感染症と同様に、腟トリコモナス症も、セックスパートナーとの同時治療を行うのが基本になります。

同時治療の重要性~ピンポン感染だから

腟トリコモナス症の治療は、配偶者、パートナーとともに、同時期、同期間の治療を必要とします。

女性に比べて男性は症状が出にくいので、膣トリコモナス症と診断された女性がせっかく治療を受けて完治したとしても、男性がトリコモナス感染を有していた場合、再感染してしまう可能性があり、ピンポン感染と呼びます。

その際、男性では、女性に比べトリコモナス検出が困難であるため、パートナーの男性が陰性と判定されることもあるので注意を要します。

女性に疑わしい症状が出た場合は、本人が婦人科を受診するのと同時に、パートナーの男性も泌尿器科または性病科で検査をしてもらうことが大切です。

また、パートナーからの再感染のほかにも、治療が不十分でトリコモナスが残存していたり、子宮頸管や尿路などの隣接臓器に生息していたトリコモナスによる再感染もあります。

感染者は感染症が治るまで性交を控えるべきであり、そうしないとパートナーにうつしてしまう危険があります。

膣トリコモナス症の詳細

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女性の膣トリコモナス症の治療

腟トリコモナスは、女性の腟や、男性と女性の尿路の性感染症(STD)の原因としてよくみられるものですが、女性の方がはるかに症状が現れやすい病気です。

生殖可能年齢にある女性の約20%が、腟トリコモナス症(トリコモナス腟炎)を発症します。

女性の95%は、メトロニダゾールかチニダゾールの単回投与(一回だけの投与)でも、トリコモナス原虫が死滅し、膣内の自浄作用が回復し、様々な症状が改善されます。

ただし、セックスパートナーに治療も同時にしないと、ぴんぽんかんせんによって、再度、感染する危険性があります。

また、女性の場合は、膣の炎症に対する治療効果を高めるため、膣錠の挿入や軟膏の塗布による治療も併用されます。

しかし、感染病巣の広がり次第によっては、膣以外の隣接臓器に寄生しているトリコモナス原虫を、完全に排除できないことがあります。

治療が不十分で追加治療が必要な場合は、1週間投与期間を開ける必要があります。

他にも近年の治療法としてメトロニダゾール1.5gの単回投与も勧められています。

膣錠による治療

経口投与が難しい例では、腟錠(腟坐剤)単独療法、難治例や再発例では経口薬と腟錠(腟坐剤)の併用による治療を行います。

産婦人科では臨床的に治癒が期待されているので内服薬を使わず、腟錠(腟坐剤)を腟内に挿入する治療が一般的になっています。

メトロニダゾールは、胎盤を通り胎児の元へも流れるので、妊婦への経口投与は避け、血中の移動がわずかにしか認められていない比較的安全な腟錠(腟坐剤)による局所療法を行います。

難治例や再発例での治療方法

ニトロイミダゾール系の薬剤は、膣トリコモナス症の治療には大変有効なのですが、一部に耐性を示すトリコモナスがあります。

その場合、もっと高用量のメトロニダゾールの再投与で対処していますが、それでも完治しない難治症例もあります。

初回治療で効果が無かった場合の再治療

初回治療であるメトロニダゾール500mg、一日2回、7日間にての再治療が勧められています。

ただし、ニトロイミダゾール系の薬剤は、その構造内にニトロ基をもっており、発ガン性が否定できないとされているので、1クールの投与は10日間程度にとどめ、追加治療が必要なら1週間はあけることとします。

それでもまだ治らない場合は、メトロニダゾール2g単回経口を24時間おきに3~5日間を試みるとされていますが、このような治療は性感染症治療に十分な経験のある医師のもとなされることが勧められています。

経口剤と膣錠(膣坐剤)の併用

座剤や経口投与が困難な例では、腟錠単独療法を行うのですが、女性でも尿路への感染の可能性があり、やはり経口剤が必須です。

腟座薬を用いた妊娠初期および後期の検討では、妊娠後期でわずかの血中移行が認められたのみであり、安全性での局所療法の優位性がみられています。

男性ではNGU(非淋菌性尿道炎)を呈することもありますが、腟トリコモナスは前立腺などにもいるため、洗浄は効果がなく、経口剤を用います。

男性の膣トリコモナス症の治療

女性の膣内のトリコモナスが、セックスによって男性に感染すると、尿道炎の症状(軽い排尿痛・かゆみ、ペニスの先から膿が出るなど)を起こしますが、自覚症状はほとんどありません。

トリコモナスの感染先が尿道に限定される場合は、本人が感染に気付かないまま日常生活の排尿で自然に洗い流されることもあります。

女性の場合は、抗菌薬の単回投与でほとんどが治癒しますが、男性の場合は内服薬を1週間~10日服用する必要があります。

トリコモナス症の患者は、淋菌感染症ややクラミジア感染症やNGU(非淋菌性尿道炎)など、他の性感染症にもかかっていることがよくあります。

男性の単回投与治療の効果

男性については、1回の投与による治療が効果的かどうかは不明です。

通常は、メトロニダゾールを5~7日間投与すれば治癒します。

アルコールとメトロニダゾール

メトロニダゾールは、アルコールと一緒に服用すると、吐き気や皮膚の紅潮を引き起こすことがあります。

また、口の中に金属の味がしたり、吐き気や白血球数の減少が起こる場合もあり、女性では腟の真菌感染症(腟カンジダ症)にかかりやすくなります。

投与中の飲酒により、腹部の仙痛、嘔吐、潮紅などのアンタビュース様作用が現れることがあるので、投与中および投与後3日間の飲酒は避けることが必要です。

保険適用外の治療方法

近年の治療法として、スタンダードな10日間の薬剤投与法のほかに、単回大量投与法として、メトロニダゾール1.5g(1500mg)の単回投与を試すこともあるのですが、今のところ保険適応ではありません。

その方法の場合、メトロニダゾールと同系統であるチニダゾールを使う時は、2g単回投与をおこないますが、やはり、保険適応です。

妊娠中・妊婦の治療

メトロニダゾールは、妊娠中、特に最初の3カ月間は服用を避けた方がよいでしょう。

メトロニダゾールは、胎盤を通過し胎児へ移行するので、原則として妊婦への経口投与は避けるが、最近の報告では第二3半期、第三3半期での安全性は確立されていると考えられています。

腟トリコモナスの治癒判定

腟トリコモナスが治癒したかは、自覚・他覚症状ともに消失したかどうかと、膣分泌液(女性)、尿道からの膿(男性)を調べ、トリコモナス原虫の消失を確認することで判断します。

女性の場合は慎重に・・・

女性では、次回の月経後にも、腟トリコモナス原虫が消失したかどうかを、確認をする方が無難です。

なぜなら、

投薬によって自覚症状が消え、トリコモナスの消失が確認された場合でも、腟トリコモナス原虫は、月経血中で増加するので、一見治ったように見えても、わずかに残存した膣内のトリコモナスが増殖することがあるのです。

予 後

メトロニダゾールの経口投与で90~ 9 5%の消失がみられる。

同時期に患者とパートナーの両者を治療すれば、その予後は良好です。