口唇ヘルペス
口唇ヘルペスとは
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの感染症によって引き起こされる、唇やその周りに痛みを伴う水疱(みずぶくれ)ができる病気です。
単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると症状がなくなった後も神経細胞に住みつく特徴をもっています。
そして発熱、疲労、ストレス、月経、紫外線などで体の抵抗力が落ちるとウイルスが活発化し、再発を繰り返す特徴があるため、再発のケアが肝心です。
口唇ヘルペスの原因菌となっているウイルスは"単純ヘルペスウイルス"と呼ばれるものです。
この単純ヘルペスウイルスは口元に限らず、身体の色々な部位に感染し、発症する部位により『口唇ヘルペス』『角膜ヘルペス』『性器ヘルペス』などと呼ばれて分けられます。
厳密にいうと単純ヘルペスウイルスはさらに1型と2型に分けられ、1型のヘルペスウイルスは主に上半身、2型は下半身に感染する事が多いと言われています。
よって口唇ヘルペスの原因は、ほとんどが単純ヘルペスウイルス1型の感染によるものになります。(性器ヘルペスの場合は2型による感染が多くなります。)
口唇ヘルペスの症状は最初は単なるかぶれと似ており、見分けがつきにくい事があります。
しかし放っておくと症状がどんどん重篤化して、大変苦しい想いをする事もあります。
少しでも口唇ヘルペスの疑いがあればすぐに医療機関での診察を受けるようにしましょう。
感染の仕方
口唇ヘルペスは、人との接触によって感染します。
とくに症状が出ている時期は、ウイルスを大量に放出しているため、以前にヘルペスにかかったことがなく、ヘルペスウイルスに免疫がない人や、免疫があっても抵抗力が落ちている人は、ヘルペスに感染する確率が高くなります。
症状が起きているときは、子供に近づかない タオルやコップ等は共有しないようにしましょう
口唇ヘルペスの感染経路に空気感染はありません。
その感染経路のほとんどが感染者の粘膜や体液に直接的または間接的に触れる事による感染です。
ただし、口唇ヘルペスの感染経路は日常のあらゆる場面に潜んでおり、感染力はとても高いと言えるものです。
口唇ヘルペスは、口元に原因菌となるウイルスが感染する事で発症する"感染症"と言われる病気の一つです。
一般的に性病として認知されている事が多いですが、必ずしも性行為によって感染するものではありません。
口唇ヘルペスの感染経路は日常の多くに潜んでいます。
口唇ヘルペスの感染経路として以下が挙げられます。
キスや性行為
感染者が患部に触れた手に触れる
親から子への頬ずり
食べ物の口移し
ペットボトルの回し飲み
家族で共有で使っているタオル
家族で共有で使っているコップなどの食器
トイレの便座
口唇ヘルペスの感染経路には直接的なものと間接的なものがあります。
口唇ヘルペスの感染経路は、口唇ヘルペスの症状が出ている人と直接触れ合う事によって感染する『直接的』なものと、感染者が使用した器具に触れる事によって感染する『間接的』なものとに分けられます。
直接的な感染経路
口唇ヘルペスの感染者とのキスや性行為、頬ずりや口移しなど親から子への接触が直接的な感染経路に該当されます。
特に相手が口唇ヘルペスの症状を発症している状態であれば、大変感染力が高まっている状態になるので、直接触れ合う事は避けるようにしましょう。
性行為においては、たとえ相手が口唇ヘルペスを発症していなかったとしても、性器ヘルペスを発症していれば、フェラチオやクンニリングスなどのオーラルセックスをする事で口にウイルスが移り、口唇ヘルペスとして発症します。
ただし、口唇ヘルペスは性病として認識されている場合が多いですが、厳密には性病というわけではありません。
もし感染者と性行為をした場合においては、感染経路の中でも特に濃密な接触になる為、感染の確率が高くはなりますが、後に記述する間接的なものも含めて感染経路は数多く存在します。
恋人が口唇ヘルペスを発症したからといって、それだけで浮気を疑うのは早とちりになるかもしれません。
間接的な感染経路
これは家族の中に口唇へルぺスに感染している人がいる場合に、もっとも多くなる感染経路です。
口唇ヘルペスの感染者が使った食器やタオルに潜み、それに触れる事によって感染する場合があるのです。
「たかがタオルに触れただけで感染するの?」と思うかもしれませんが、油断はできません。
通常では、ウイルスが付着したものに触れたとしても、皮膚が健康な状態であれば、皮膚表面のバリア機能により感染が防がれます。
注意が必要なのは、傷や湿疹、アトピーなどの炎症によって肌が荒れている場合です。この状態では肌のバリア機能が正常に働いておらず、簡単に感染してしまうのです。
また、感染経路は家の中だけではありません。 例えば公共のトイレの便座に感染者の粘液が付着していれば、それも立派な感染経路になるのです。
必要以上に過敏になる必要はありませんが、もしお尻の肌が荒れている状態ならば、備え付けの殺菌スプレーなどを駆使して清潔にしてから座るようにする事で対策ができます。
無自覚で感染経路を増やしている人もいます。
口唇ヘルペスのを発症していなくても、ウイルスは潜伏している事も…。
実は口唇ヘルペスのウイルスに感染はしているけど、症状が現れずに感染している事に気づいていないという人はかなり存在します。
アトピー性皮膚炎の方は注意を
アトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が低下しているため、皮膚から感染して広範囲に広がり重症につながる恐れがあるため、注意が必要です。
発症した際の注意事項
Q01.塗布期間の目安はどれぐらいですか?
A.塗布期間は10日間程度が目安ですが、かさぶたができるなど患部が乾燥すれば、薬剤の塗布を止めても差し支えありません。
Q02.「口唇ヘルペスの再発」限定なのは何故ですか?
A.一般用医薬品の効能としては、自覚症状により患者様自らが認知できる「口唇ヘルペスの再発」に限定しています。 再発の場合は一般的に症状が軽く、何回もくりかえす人は自分でわかりますが、初めて発症したと思われる場合が症状が重症になる場合もあり、自己判断ができないため、一般用医薬品では再発のみの適用としました。
Q03.塗布使用時期はいつが望ましいですが?
A.食事等で薬剤が取れてしまったりしないよう、毎食後、就寝前などの使用が目安です。
Q04.薬剤の保存方法はどのようにすればよいですか?
A.直射日光の当たらない、湿気の少ない30度以下の涼しい所に密栓して保管してください。
Q05.口唇ヘルペス以外のヘルペス感染症に使えますか?
A.口唇ヘルペスは唇とそのまわりにできるものです。 それ以外の部位には使用しないでください。
Q06.この薬は常備しておいた方がいいですか?
A.再発のきざしを感じたら、早めに塗布を開始することが効果的な使い方です。 したがって、本剤を常備しておくことをおすすめします。ただし、本剤を常備する場合は、ご家族の方が誤って使用する
口唇ヘルペスの再発は一生続きます
口唇ヘルペスのウイルスは死滅する事がないという特徴を持っています。
つまり、一度でも口唇ヘルペスを発症すると、一生身体の中にウイルスが住み続け、ことあるごとに再発を繰り返すのです。
口唇ヘルペスが再発する頻度は様々で個人差があります。
身体が疲れているときや、風邪をひいた時など免疫力が下がった時に再発をするので注意が必要です。
口唇ヘルペスは完治させる事のできない病気です。
大事なのは発症した時に素早く症状を鎮めることです。
口唇ヘルペスの症状を早く治す為には、患部を清潔に保つ事や体調管理をする事、そしてなによりも一刻も早く薬を服用する事が大事です。
口唇へルぺスを一刻も早く治す方法を知りたい!
一度発症すると完治する事が無く、何度も再発を繰り返す口唇へルぺス。
気を付けなくてはいけないのは、口唇ヘルペスとは正しい知識で慎重に向き合わなくては、早く治すどころかかえって悪化させてしまう事もあるという事です。
口唇ヘルペスを早く治す為にと、無暗に患部に無暗に触ったり、自己判断でドラッグストアで購入した市販薬や保湿クリームを塗ってみたりする事は逆効果になってしまうのです。
今回は口唇ヘルペスを早く治す為に必要な4つの心得を紹介します。
一度発症すると完治する事が無く、何度も再発を繰り返す口唇へルぺス。
口元に水ぶくれやかゆみを発生させる口唇ヘルペスは、気になるし恥ずかしいしで、一刻も早く治すにはどうしたらいいの!?と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
気を付けなくてはいけないのは、口唇ヘルペスとは正しい知識で慎重に向き合わなくては、早く治すどころかかえって悪化させてしまう事もあるという事です。
口唇ヘルペスを早く治す為にと、無暗に患部に無暗に触ったり、自己判断でドラッグストアで購入した市販薬や保湿クリームを塗ってみたりする事は逆効果になってしまうのです。
今回は口唇ヘルペスを早く治す為に必要な4つの心得を紹介します。
口唇ヘルペスを早く治す為に必要な4つの心得
口唇ヘルペスを早く治す為に、以下の心得を守るようにしてください。
その1.患部は絶対に清潔に!
口唇ヘルペスを発症している状態であれば、患部を清潔に保つ事はマストで心がけてください。
ヒリヒリしたり、水ぶくれができている状態の肌は大変弱っている状態になり、細菌に感染されやすい状態になります。
ただでさえ口唇ヘルペスのウイルスに感染されているのに、細菌に二次感染までされたら、早く治すどころか症状が悪化して長引いてしまいます。
清潔な状態を守り、細菌を患部に近づけないようにしましょう。
大切なのは菌がウジャウジャ付着している指先で触らない事と、患部を鼻水などで濡れたままにしておかない事です。
また、患部の洗いすぎにも気を付け、入浴の際にはシャワーは直接当てないように、優しく洗うようにしてください。
その2.仕事はほどほどに!体調最優先!
口唇ヘルペスを発症したとしても、ほとんどの場合は仕事は休まず続ける事ができます。
ただし、口唇ヘルペスの発症には仕事に限らず過労やストレスが大きく関わります。
早く治す為には、少しでも仕事量をセーブしたっぷりの睡眠時間を確保して、ストレスフリーな生活を心がけるようにしましょう。
その3.お酒はNG!
アルコールは血管を拡張して、炎症を酷くしてしまう事があるので、早く治すには極力お酒を控える事が必要です。
また、アルコールは肝臓で分解されるものなので、お酒は飲めば飲んだだけ肝臓に負担がかかってしまいます。
肝臓はこの働きによってかなり体力を使うので、結果的に口唇ヘルペスのウイルスに対する抵抗力が低下してしまう事になるのです。
その4.一刻も早く抗ウイルス薬を使う事が大切!
口唇ヘルペスを早く治すのに一番4大切なのは、口唇ヘルペスの発症を感じてからどれだけ早く抗ウイルス薬を服用できるかです。
口唇ヘルペスは発症するとどんどんウイルスを増殖させる為に活動します。
抗ウイルス薬とはウイルスの増殖を抑制するもので、服用した時点でウイルスの増殖を抑える事ができます。
口唇へルぺスの発症から素早く抗ウイルス剤を飲む事で、ウイルスが増殖が最小限に抑えられ、症状も小規模に収まり、結果的に口唇ヘルペスを早く治す事ができるのです。
発症を感じたらすぐに病院に駆け込むか、またはあらかじめ抗ウイルス薬を購入しておくのもいいでしょう。
飲み薬を使えば口唇ヘルペスを最短で治せる
口唇ヘルペスの症状は、飲み薬タイプの抗ウイルス薬を服用することで素早く治すことができます。 最も有名な抗ウイルス薬はバルトレックスです。1日2回、1錠ずつの服用することで、水ぶくれやブツブツを最小限に抑え、最短で治します。
飲み薬であるバルトレックスでは、神経に潜んでいるウイルスまで抑えることが可能です。 市販されているような塗り薬タイプの薬では、体表に現れたウイルスにしか作用することができません。
身体の隅々にまで薬効が行き渡るバルトレックスでは、発症の予兆を感じた時点で服用することで、病変の発症を未然に防ぐことができます。
小さい子供の内に感染すると症状が軽いか現れない事が多く、大人になっても実は自分が感染している事に気づかない事が多いのです。
口唇ヘルペスのウイルスは症状が現れなかったとしても、一度感染すると死滅する事は無く『三叉神経』と呼ばれる神経の根元部分に潜んでいて、生涯にわたって潜み続けます。
このように無自覚のうちに感染している人が、恋人や子供にウイルスをうつす感染経路になっている場合が多いのです。
実際に、昭和33年の頃には、9歳の時点でおよそ50%の人が口唇ヘルペスの原因となるウイルスに感染経験があったと言われており、その感染経路のほとんどが家族からのものだと思われます。
昨今では清潔志向の高まりによって感染経路が減り、この数はどんどん減ってきていますが、おじいさんおばあさん世代との接触が無自覚の感染経路となっている場合があります。
とは言え、感染していても症状を発症していなければ、感染力はかなり弱まる為、そこまで慎重になる必要はありません。
また、先述したように幼児のうちに感染してしまえば、症状は現れないか軽く済む事が多く、むしろ免疫が出来て将来的に口唇ヘルペスを発症しにくくなるので悪い事ばかりでもありません。
口唇ヘルペスの症状とは?
これってもしかして口唇ヘルペス?
以下の症状が現れた場合は口唇ヘルペスを発症している疑いがあります。
口元にチクチク、ムズムズなどの違和感を感じる
口元が赤く腫れている
赤く腫れた患部の上に水ぶくれができた。
熱が出てきた
アゴの下のリンパ節に腫れを感じる
これらの諸症状が出始める4~7日前に他人とキスやセックスなどの粘膜同士の接触があった
口唇ヘルペスの症状は、ヘルペスウイルスに感染したことの無い人が初めて感染して発症した初感染時の場合と、ヘルペスの発症が2回目以降の再発の場合では、症状の現れ方に大きな違いがあります。
口唇ヘルペス初感染時の症状
重症化し高熱が続くこともあります。
ヘルペスのウイルスに初めて感染して口唇ヘルペスを発症した場合では、現れる症状がとても重く、悲惨なものになります。
おびただしい数の水ぶくれが唇や口の周りだけでなく、口の中や喉元にまで広がります。ひどくなると水ぶくれが顎のラインあたりにまで及ぶ事もあります。
症状は皮膚だけにとどまらず、40度を超える高熱が1週間続いたり、多数の口内炎ができたり、アゴの下にあるリンパ節が腫れたりします。
初感染では口唇ヘルペスのウイルスに対する免疫が備わっていないが為に、このような重篤な症状が現れてしまうのです。
この重篤な症状は、大人になってから初めてヘルペスウイルスに感染して、口唇ヘルペスを発症した人の場合に限った話です。
幼児期にヘルペスウイルスに感染したとしても、幼児の体はウイルスに対する免疫が強く、初感染でも症状がほとんど現れずに感染した事にも気づかずに終わる事もしばしばあるのです。(まれに歯肉口内炎になって現れる事もあります)
そして成人の大半が幼児期のうちにヘルペスウイルスに感染しています。
なので、自分では初感染だと思っていても、実は体の中にすでに免疫ができており、症状が重くならない事もあります。
口唇ヘルペスを再発した時の症状
軽い水ぶくれの症状にとどまります。
口唇ヘルペスが再発した時の症状は、初感染時に比べて、だいぶ軽いものになります。
初感染時には広範囲にできる事の多い水ぶくれも、一か所に密集してできます。以前に発症した場所と同じところに症状が現れる事が多いです。
症状は発生から収束まで4つの段階を経て変わっていきます。
水ぶくれが現れる前に、患部にチクチク・ムズムズといった違和感やかゆみ、熱を帯びたほてりを感じるようになる。
ウイルスの増殖が活発になり、違和感を感じ始めてから半日程で患部が赤く腫れだす。
違和感を感じ始めてから3日程で水ぶくれができる。数日程でこの水ぶくれは潰れます。
最終的にかさぶたになり、2週間ほどで完治します。
口唇ヘルペスの再発時の症状はほとんど皮膚の水ぶくれのみにとどまります。
とは言え、口元に大きな水ぶくれが出来るのは目立つし跡が残る可能性もあります。
口唇ヘルペスの症状を抑えるにはどうしたらいいでしょうか?
口唇ヘルペスの症状を感じたらすぐするべきこと
口唇ヘルペスは症状を感じたらすぐに処置をする事によって、症状の拡大を抑える事ができます。
特に患部が赤く腫れ始めたあたりはウイルスの増殖が活発になっているので、この時点で薬による治療を行えると効果的です。
再発を繰り返して慢性化してしまっている人は、病院にすぐに行けない事もある事を想定して、薬を購入しておくと安心でしょう。
抗ウイルス薬アシクロビルとは
抗ウイルス薬アシクロビル
アシクロビルは1974年アメリカで合成された、抗ウイルス薬です。
世界100カ国以上で承認され、うち半数近くの国では一般用医薬品(外用剤)としても販売されています。
日本国内においては、皮膚用外用剤のほか、内服薬、眼軟膏などが処方されています。
有効成分:アシクロビルの特長
アシクロビルは、ヘルペスウイルスの増殖を抑制し、再発した口唇ヘルペスを治療する選択性の高い抗ウイルス薬です。
早い時期(再発のきざし)に塗布するのが効果的
ポイント2
1日3~5回、適量を塗布してください。
(唇やその周りにピリピリ、チクチクなどの違和感をおぼえたら、すぐに塗布してください)
※使用の目安は、毎食後と就寝前です。
再発のきざし
再発のきざし
ピリピリ・チクチクを感じます。再発を繰り返す人は自分でわかるようです。
ピリピリ、チクチクをおぼえたら早めの治療が効果的です!
発症
発症
半日以内に赤くはれてきます。この時期は患部でのウイルスの増殖が活発です。
1~3日後
1~3日後
赤くはれたうえに水ぶくれができます。この中にウイルスがたくさん存在します。
水ぶくれが破れると、他の部分に感染します。
回復期
回復期
かさぶたができて治っていきます。
●口唇ヘルペスとは、主に単純ヘルペスウイルス1型によって引き起こされるウイルス感染症で、多くは幼少期に初めて感染し(初感染)、ウイルスが潜伏します(潜伏感染)。ストレス等で免疫機能が低下するとウイルスが増殖し、唇やそのまわりに水疱(水ぶくれ)を形成します(再発)。
●ヘルペシアクリームは、抗ウイルス薬であるアシクロビルを配合し、口唇ヘルペス再発患者を対象とした治療薬です。アシクロビルは、ヘルペスウイルスの増殖を抑制し、再発した口唇ヘルペスを治療する、安全性の高い抗ウイルス薬です。
口唇ヘルペスとは?
ウイルスが原因の感染症です。
口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスが原因の感染症で、くちびるの周りに水ぶくれができる病気です。
風邪をひいたり、熱がでたり、紫外線を浴びたりしたことが誘因となってできるので、熱の華や風邪の華とも言われ、この名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
この病気は、子供の頃家族間で感染し、潜伏感染している場合が多く免疫機能が低下すると潜伏するウイルスが暴れ出し、再発を繰り返すのが特徴の疾患です。
それでは、以下にもう少し詳しく説明しましょう。
口唇ヘルペスの流れ
初感染
多くは子供のころにヘルペスウイルスに感染し、気づかない場合もあります。.大人になってから初感染すると、症状が重いことが多く、再発を繰り返しやすいと言われています。
潜伏感染
一度感染すると、ウイルスは三叉神経節と言われるところに一生住み着きます。これを潜伏感染と言います。.体調が悪くなると、ウイルスが暴れ出し、再発します。
再発
潜伏感染しているウイルスが、再び暴れ出すことを再発といいます。
口唇ヘルペスの再発のしくみはこちら
ポイント1:ヘルペスウイルス潜伏率
症状がでていなくてもヘルペスウイルスが潜伏している人は多く、大人で50%以上、年齢が高くなるにつれ、その感染率は高くなり、70歳以上はほとんどが感染しているというデーターもあります。
自分が感染していることに気づいていない人が多いようです。
口唇ヘルペスの認知率と発症率
口唇ヘルペスの認知率は約40%、発症率は約10%(10人に1人)です。
単純ヘルペス(口唇ヘルペス)
どんな病気か
口唇ヘルペスはくちびるやその周囲に小さな水ぶくれができます。単純ヘルペスウイルスというウイルスに感染することで起こる病気です。直接的な接触のほかにウイルスがついたタオルや食器などを介しても感染しますので、家族間での感染が多いです。このウイルスは一度感染して免疫をもっていても、再感染や再発を繰り返すことが特徴で、大人に見られる口唇ヘルペスのほとんどは再発で、年に1~2回程度再発する場合が多いようです。
単純ヘルペスウイルスには1型と2型の2つのタイプがあります。1型はくちびる、顔面などの上半身に、2型は性器を中心とする下半身に主に発症します。以前は子どものうちにほとんどの人が家族から口唇ヘルペスに感染しておりましたが、衛生状態の改善や核家族化などの影響で、現在は20代~30代では約半数の人しか抗体を持っていないとされています。年齢が高くなるにつれて抗体をもっている人が増えますが、以前に比べ、抗体を持っている人は減っております。子どものうちに単純ヘルペスウイルスにはじめて感染すると(これを初感染と言います)症状がほとんどないか、あっても軽いのに対し、大人になってから、初めて感染すると症状が重症化することがあります。なお、1型に対する抗体をもっていると2型にも感染しにくく、発症しても軽症で済む場合が多いです。
どうしてできるのか
初感染の後、ヘルペスの症状がおさまっても、ウイルスはいなくなったわけではありません。ウイルスは腰のあたりの神経に侵入し、潜んでいます。その後、何らかのきっかけがあると再活性化し、神経を伝って皮膚や粘膜に出てきて病変をつくります。これは再発で他人からうつったものではありません。現在使える薬では潜伏しているヘルペスウイルスを退治することはできません。再発でヘルペスの症状が現れやすいのは、疲労や風邪、紫外線、胃腸障害、ストレスなどの免疫力の低下などの場合です。女性では月経前に再発することも多いようです。
症状が出ている時期は水ぶくれの中にウイルスがたくさん存在しています。以前に単純ヘルペスにかかったことがなくてこのウイルスに免疫がない人や、免疫があっても抵抗力が落ちている人は、接触により単純ヘルペスに感染する可能性が高くなります。感染した場合、接触した日から3~7日程度で発症することが多いようです。また自分が患部に触れて、他の部位をさわることで、さわった部位に感染することもあります。
ウイルスを持っていても症状が出ていない場合、たいていウイルスは神経節にひそんでいるのですが、唾液や精液などにウイルスが含まれていることがあります。この場合、キスやセックスでパートナーに口唇ヘルペス、性器ヘルペスを発症させることがあります。
症状について
前駆症状
水ぶくれが現れるのに先立ち、皮膚にピリピリ、チクチク、ムズムズなどの違和感、かゆみ、ほてり、痛みなどを感じることがあります。再発を繰り返している人は自分でわかることが多いようです。
皮膚症状
前駆症状の後、口唇や口の周りなどの一部が赤くなり、その上に小さな水ぶくれができます。患部には軽いかゆみやほてり、痛みなどを感じます。水ぶくれがやがてかさぶたとなって、10日~3週間くらいでおさまってしまいます。また、同じヘルペスウイルスが原因で、口内炎の症状が出る場合もあります。初感染か再発か、体調のよしあしなどの要因で症状の程度は異なります。
初感染の場合
広範囲に5mm位までの水疱が多発します。発熱したり、あごや耳の周囲のリンパ腺が腫れたりすることも多いです。
再発の場合
一般には口唇や口のまわりの一部分に限局し、軽症のことが多いです。
アトピー性皮膚炎の方の場合
皮膚のバリア機能が低下しているので、皮膚から感染して、掻くことで広げてしまい症状がひどくなることが多いので特に注意が必要です。初感染と同様、発熱したり、リンパ腺が腫れたりすることもあります。
治療について
抗ヘルペスウイルス外用薬や内服抗ヘルペスウイルス薬で治療します。再発の頻度が多い方や重症化しやすい方は内服をお勧めします。抗ヘルペスウイルス薬はウイルスを増えないように抑える薬ですから、症状が出たら、できるだけ早い時期(できれば水ぶくれ出現より48時間以内)に治療を始めると治りが早くなります。通常は5日間内服すれば十分で完全に治るまで服用する必要はありません。
しかしながら重症の場合や内服薬が効かない場合には内服薬の変更や点滴注射、入院治療が必要になることがあります。
生活上の注意について
症状が出ていないとき
口唇ヘルペスは精神的・肉体的ストレスにより体力や抵抗力が落ちているときに再発することが多いです。そのため、バランスのよい食事をとり、十分に休息することが大切です。日頃から体だけでなく精神的にも健康な生活を心がけてください。
疲れている時や体調がすぐれない時は、強い紫外線を浴びる屋外での活動やレジャーは控えましょう。海水浴や野外活動での紫外線の曝露は、全身の免疫力を低下させて、再発の原因となります。
症状が出ているとき
人との接触について
症状が出ている時期はウイルスの量が多く、感染力も強いので特に人との接触には注意が必要です。ウイルスがついたタオルや食器からも感染しますので、これらの共用は避けてください。食器は洗剤で洗いましょう。タオルはほかの洗濯物と一緒に洗って構いません。相手が免疫力をもっていれば、発症しないか、発症しても軽症なことが多いですが、次のようなケースでは重症化しやすいので、注意してください。
・新生児
母親が免疫力を持っていれば問題ありませんが、そうでないと重症化する可能性がありますので、注意してください。
・抗体を持っていないパートナー
キスやセックスで相手に口唇ヘルペスや性器ヘルペスを発症させる危険性があります。初感染の性器ヘルペスは重症化することが大変多いので気をつけましょう。
・アトピー性皮膚炎の人
皮膚のバリア機能が低下しているので、皮膚から感染し、重症化しやすいです。
・病気などで免疫力が低下している人
白血病、ガン、移植手術後などの患者さんに対してのお見舞いは控えましょう。
自分自身の注意
自分自身も患部に触れて感染するので、むやみにあちらこちら触らないように気を付けてください。特に目に感染して発症する角膜ヘルペスは失明する可能性がありますので注意しましょう。しかし、ほとんどの口唇ヘルペスは再発ですので、その場合には自分自身は免疫力を持っておりますので、あまり神経質になる必要はありません。
次の点には気を付けてください。
・患部に触れた手で目を触らない。
・コンタクトレンズを唾液で濡らして装着しない。
・患部に触れた後や、外用薬を塗った後には手を洗う。
・患部は石鹸や洗顔料をよく泡立ててやさしく洗いましょう。
・水ぶくれは破らない。
水ぶくれがやぶれると細菌感染が加わり、きず痕が残ることもあります。もし自然に破れてしまっても、患部を洗うことで多くの場合は細菌感染が防げますので、洗うことは続けてください。
口唇ヘルペスの症状~発症から治癒までの流れ
1.ピリピリ、チクチク
再発部位の皮膚にピリピリ・チクチクといった違和感、かゆみ、痛がゆさなどの自覚症状を感じます。
再発を繰り返す人では、この段階で口唇ヘルペスの再発と気づくようです。
2.赤み・発疹
自覚症状が現れてから数時間で、違和感やかゆみなどを感じた部位が赤く腫れてきます。
3.水ぶくれ、痛み
自覚症状が現れてから2~3日までに赤く腫れた部位に水ぶくれができます。
小さな水ぶくれが群発して形成され、融合して大きな水ぶくれになることもあります。
4.かさぶた
水ぶくれは、1~2週間ほどで乾きはじめてかさぶたとなり、治癒します。
症状を悪化させない、ほかの人にうつさないために
患部を清潔にしましょう。また、ほかの人に感染させないために、次のことを守りましょう。
患部にさわらないようにしましょう。
単純ヘルペスウイルスは感染力が強いため、触った後はすぐに手を洗いましょう。
タオルや食器を共用しないようにしましょう。
水ぶくれに触れたタオル・衣類などは、ほかの洗濯物と一緒に洗わないようにしましょう。
食器についたウイルスで、ほかの人に感染することがあります。食器は洗剤で洗いましょう。
水ぶくれは破らないようにしましょう。
水ぶくれの中の液体にはウイルスが多く、破ると他の人に感染する原因となりますので注意しましょう。
再発を予防するために
過労を避けバランスの良い食事を心がけましょう。
栄養のバランスのとれた食事を心がける
ストレスや過労を避ける
かぜをひかないように注意する
強い紫外線を避ける