長くなるので、結論を先にしましょう。
上手く使えば、効果はあります。
イソジンは、クラミジア、HIV(エイズの原因ウイルス)、HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、淋菌等に対する、殺菌効果があります。
でも、注意することがあるんです。
イソジン(ポビドンヨード)は、もろ刃の剣~つまり効果と危険が背中合わせなのです。
傷や炎症のある場所に使うと危険
イソジン(ポビドンヨード)に限らず、逆逆性石けん(塩化ベンザルコニウム )、ヒビテン、エタノール、オキシドール、ゲーベン(銀イオン)等
ほとんどの消毒薬は、微生物も生体細胞も残らず、殺します。
ヒトの体に必要な細胞だろうが、細菌だろうが、誰かれ構わず殺してしまいます。
これを、【非特異的作用】とよびます。
それに対して、抗生剤は殺したい相手だけをピンポイントで殺してくれます。
これを、【特異的作用】と呼びます。
ですので、傷や炎症のある場所から内部に入った消毒液は、人体に対して、毒として働く危険があるのです。
感染を防御していた細胞を殺してしまい、細菌の侵入を助けてしまうことがあります。
悪いものが入ってこないように建てておいた壁を、壊してしまうようなものですね。
濃度を正しく使わないと危険
イソジン(ポビドンヨード)の殺菌力が一番発揮されるのは、大体、0.1%の濃度の時です。
市販のものは、大体、10%溶液なので、それを、約100倍に薄めた時が、0,1%になりますね。
濃ければ良い訳ではないのです。
濃度を間違うと、細菌の細胞壁を壊す前に、人体の細胞を壊してしまいます。
イソジンは明治製菓が製造・販売する外用薬の登録商標です。
ポリビニルロドリドンとヨウ素の化合物の【ポビドンヨード=Povidone Iodine】を主成分とした、消毒薬です。
大体、10%程度の水溶液にして、外用殺菌消毒薬として販売されています。
液剤は黒褐色であり、ヨウ素の特異な匂いと味がします。
登録商標と言うのは、同じ内容の商品に対して、他のメーカーがその名前を使うことが許されません。
で、似たような名前のものが色々あります。
イオダイン・ポピラール・ヒシヨード・ポピロン・ポピヨドン・ネオヨジン・ポピロン・ホモドン・オラロン・ネグミン
なんか、北朝鮮のミサイルみたいなのもありますね。。。
イソジンうがい薬の効能書には、こんなことが書かれています。
ポビドンヨードは、ヨウ素を遊離することにより広範囲な微生物に対して殺菌作用を示します。
その殺菌作用は、ヨウ素の酸化作用によるため、使用後30~60秒の経過した時に最も殺菌力が強くなります。
他の消毒剤と比較しても、持続効果が高いので、手術前の皮膚消毒、手術部位(手術野)の皮膚・粘膜の消毒
創傷(傷ついた)部位、熱傷(やけど)皮膚面、感染皮膚面の消毒等、医療機関でも定番の消毒薬です。
グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌、クラミジア等の細菌、真菌(かび)、HBVやHIVを含む一部のウイルス等、広範囲の微生物に対する迅速な殺菌力をもちます。
耐性がつきにくいので、MRSA等の抗菌薬耐性菌や消毒薬抵抗菌に対しても有効で、粘膜への刺激性が少なく、口腔内や咽喉の消毒に適しています。