ロボット技術による

生物の社会構造解明のためのアプローチ

2017年6月30日(金) 17:00-18:00

(八戸工業大学工学部機械情報技術学科 講師)

アリ,シロアリなどの生物は,高度な社会構造を有していることが知られているが,社会構造のメカニズムへの理解は十分に進んでいない.発表者は,ロボティクスの観点から生物の社会構造のメカニズムの解明を試 みている.対象を生物とした研究であるが,ロボットを用いているのは「創ることができる」という理由がある.生体を操作する(触覚の感度を変える,移動速度を変えるなど)ことは大変な困難を伴うが,ロボット では特に問題にはならない.マルチ・エージェントシステムに代表されるように計算機Sim.で大規模な計算を行うことで集団のマクロな振舞いを観測することも可能であるが,ロボット製作を通じて社会構造を構築す るための個体に必要な能力を熟慮することができると考えている. いままで,ロボティクスはBio-inspired Roboticsと呼ばれるように生物学から一方的に知見を得ていた.本発表では,Robotics-inspired Biologyの初め の一歩として発表者の取り組みを紹介する。