生態学こまば教室では、
主に若手研究者を招待して研究紹介をしていただき、議論を通して相互の交流を深めたいと思っております。
誰でも参加 できるオープンな セミナーなので、関東近辺の皆さまは是非気軽に参加してください。
また、セミナーで発表していただける方も募集しています。
熱いパッションをお持ちの方のご連絡お待ちしています。
昆虫が飛翔能力を獲得したことは、昆虫が地球上で大きく繁栄した要因の一つとされている。その一方で、昆虫では同じ種内でも飛翔活性に個体差が見られる。これまでの研究では表現型の区別が容易な翅サイズや飛翔筋などの形態に注目してきた。しかしながら、実際の飛翔行動に焦点を当てた研究は数少ない。そこで本研究では、コクヌストモドキTribolium castaneumを用いて飛翔活性における個体差やその進化について実験室と野外の両方の視点から調査を行った。本種は、体長が約3~4㎜ほどの甲虫であり、世代時間が短く進化実験に向いているため、遺伝学や生態学のモデル生物にもなっている。また、本種は翅を持っており、少なくとも1㎞以上は飛翔する能力を持つことが明らかにされている。本研究では、飛翔行動における変異や遺伝性、適応的意義を調査するために人為選抜を行った。その結果、11世代にわたる選抜によって、飛翔活性が高くなるもしくは低くなるような直接反応が確認された。さらに、日本各地から採集した野外個体群を用いて本種の飛翔行動の地理的変異についても調査を行った。その結果、南方の集団ほど高い飛翔活性を示し、北方になるにつれて飛翔活性が低くなる傾向がみられた。本研究の、フィールドと実験室内での両方でのアプローチによって、昆虫の繁栄に大きく寄与した飛翔の進化的背景について大きく迫ることが期待される。本セミナーでは、これまでの研究成果について紹介していく。
参加申し込み締切:2026年5月20日(水)23:59 (対面参加者はお早めにご登録お願いします)