Komaba seminar
行動進化生態こまば教室では、
主に若手研究者を招待して研究紹介をしていただき、議論を通して相互の交流を深めたいと思っております。
誰でも参加 できるオープンな セミナーなので、関東近辺の皆さまは是非気軽に参加してください。
また、セミナーで発表していただける方も募集しています。
熱いパッションをお持ちの方のご連絡お待ちしています。
第50回 行動進化生態こまば教室
第50回 行動進化生態こまば教室
2025年1月17日(金曜日) 東京大学駒場Ⅰキャンパス 15号館507室
2025年1月17日(金曜日) 東京大学駒場Ⅰキャンパス 15号館507室
15:00 - 16:00 ハイブリッド開催
(一部告知で14:30開始としていましたが、15:00開始にいたしました。ご不便をおかけします。)
15:00 - 16:00 ハイブリッド開催
(一部告知で14:30開始としていましたが、15:00開始にいたしました。ご不便をおかけします。)
野崎友成 助教(基礎生物学研究所・進化ゲノミクス研究室)
野崎友成 助教(基礎生物学研究所・進化ゲノミクス研究室)
「痕跡化したナナフシのオス・縮小する共生細菌のゲノムから見る機能喪失と進化」
「痕跡化したナナフシのオス・縮小する共生細菌のゲノムから見る機能喪失と進化」
生物の進化は、新たな機能を獲得するだけでなく、不要になった機能の喪失も伴う複雑なプロセスである。しかし、機能喪失がどのような過程を経て進行するのかは、まだ十分に解明されていない。本発表では、私が「単為生殖系統における有性生殖形質の喪失」と「昆虫共生細菌のゲノム縮小」という2つの視点から行った研究を紹介する。
1:単為生殖が一般的なナナフシモドキにおいて、オスは稀に出現するものの繁殖に関する機能が失われていることを明らかにした。この結果は、本種が有性生殖能力を完全に失い、単為生殖のみに依存した状態にあることを示唆している。
2:昆虫の内部共生細菌の多くは、ホストとの共生関係に不要な遺伝子を喪失しており、ゲノムサイズが大幅に縮小している。多様な昆虫共生細菌の倍数性(ゲノムコピー数)を解析したところ、ゲノムサイズとの間に奇妙な相関関係が検出された。倍数化とゲノム縮小が、それぞれに重要な影響を及ぼしている可能性がある。
これらの研究結果をもとに、特に繁殖様式や共生関係といった特殊な生物システムにおける機能喪失現象に焦点を当て、その意義やプロセスについて議論したい。
参加申し込み締切:2025年1月16日 24:00