性で満たされた世界

2016年7月14日 17:30-19:00

小林和也

(京都大学農学研究科昆虫生態学研究室 学振PD)

(HP:http://kobakaz.web.fc2.com/

有性生殖は無性生殖に比べて明らかに非効率的な繁殖様式であるにもかかわらず、自然界に普遍的に存在する。進化論が予測したように効率の良い性質だけが生き残れるのだとしたら、何故この ような形質が蔓延しているのだろうか?

今回のセミナーでは、まず、私がこの謎に興味を持つきっかけとなった特殊な繁殖様式を持つアリを紹介し、次に有性生殖系統と無性生殖系統が共存している系でその共存メカニズムを調べた研 究を紹介し、最後に最近のマイブームである有性生殖が群集動態に与える影響についてお話したい。

これらの研究からは、未だ最初の疑問には答えられないが、世界が想像以上に性に振り回されている可能性を議論したい。