想像力による出会いの場を・・・!
浜田剛爾
今年も又パフォーマンス・フェスティバルが檜枝岐で開かれる。一回だけではリアリテがないから二度目を!というわけでもないだろうが、全体のトーンは大体昨年と同じである。勿論昨年と同じメンバーがほとんど参加するという点で、相互の理解は又違った感覚で考えられるかもしれない。昨年の少々意気ごんだプログラムや主催者の熱意もその意味では今回は普通である。ただ問題は様々あるわけで、例えば単に都市から田舎へ“場”を移しただけに終わってしまうのではないかということや、あるいは継続性の必要性がパフォーマーの側にそれ程熟していないことなど、昨年のフェスティバル以後開かれた数回のミーティングでのテーマが依然としてどこか未消化のまま残っていると云えよう。しかし使い古された言葉であるが、それ以上にどこかで私達は様々の出会いによって生じる異化効果を期待していることも事実である。檜枝岐は、パフォーマンス現象による水平化ではなく、むしろ表現による個々の垂直な想像力による出会いの場でありたいと考えている。