有名な詰将棋作品 3

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前回は1976年以降、3手から17手の短編詰将棋を調査したが、今回は19手から49手の中編詰将棋を調べてみる。

中編名作選

2017年10月6日、『中編名作選』の候補作募集が始まった。これは、1977年1月号から2016年12月号に発表された、19-29手の中編詰将棋を対象にした名作選を作ろうというものである。

最初は、この条件に合致した19-29手の作品を調べようと思ったのだが、現在の看寿賞の定義では、中編は19-49手の作品となっている。作業量はたいして変らないので、今回は19-49手の作品を対象として、1977年以降の中編作品を広く見ていくことにする。

調査手順

調査手順は前回と同じで、詰将棋データベース「T-BASE」で調べてから、空気ラボ「詰将棋同一検索ページ」で調べることにする。

最初に、「T-BASE」の全作品(123,000作)から、1977年以降、19-49手の作品の図面を抽出する(a)。次に、1976年以前、19-49手の作品の図面を抽出する(b)。(a)と(b)を比較して、(b)と同じ図面を(a)から取り除き、純粋に1977年以降の作品のみにする(c)。

この(c)について、同一作品で複数登録されているものを調べた結果、2件以上登録されている作品が、713作見つかった。これを一つの候補とする。

次に、「詰将棋同一検索ページ」で、先に見つけた713作を検索する(※1)。その結果、1976年以前の発表と判明した作品が出てきたのでこれを除き、さらに4件以上登録されている作品に絞ると、77作になった(※2)。

調査結果

この77作を手数別にまとめると、次の通りである。個々の作品は、手数をクリックすると見ることができる。

作品数

20作

24作

26作

7作

この表をみると、手数が長くなるにつれて作品の数が減っているのがわかる。これは、同じ中編でも、手数の長い作品のほうが発表作品数が少ないことが関係していると思われる。

ちなみに、2件以上登録されていた候補作(713作)と、調査結果の77作を手数別にグラフにすると、図1のようになる。

図 1

次に、作品の内容をみると、短編では例題や広告に使われた作品があったが、中編にはそうした作品はなく、看寿賞や塚田賞などの受賞作などが大半を占めている。また、命名されている作品が多いのも、一つの特徴だろう。

なお、今回の調査で一番登録件数が多かった作品は、谷川浩司作の25手詰(10件登録)だった。これは、プロ棋士の作品ということだけでなく、盤面歩のみに持駒金銀8枚という見た目の美しさや趣向的な手順もあり、結果として活字になる機会が多かったのだろう。

また、調査結果77作のうち、収録作品数が多かった作家ベスト3は、若島正(8作)、岡田敏(7作)、山田修司(6作)だった。

問題点

今回の調査で最初に使った「T-BASE」は、2010年までの作品しか収録していない。そのため、1977年から2016年までが対象の『中編名作選』の候補としては、不完全ということになるだろう。これは前回と同じである。

また、40年前の作品と10年前の作品と比べると、活字になるチャンスは、当然40年前の作品のほうが多かっただろう。そうしたことを考慮して、10年前の作品は4件以上ではなく3件以上登録されている作品を抽出するとか、なんらかの工夫をしたほうがよかったかもしれないが、今回もそうした措置はとらなかった。

まとめ

1977年以降に発表された19-49手の中編詰将棋作品から、有名と思われる作品を77作見つけることができた。

今回は短編詰将棋の時と違い、例題や広告に使われた作品がなかったので、有名な作品だけが抽出できたと思う。

2017年10月22日作成/2017年11月28日修正

※1 「詰将棋同一検索ページ」の登録作品数は、2017年10月21日現在206,000作で、前回の調査の時と変わっていない。

※2 「詰将棋同一検索ページ」には、雑誌「将棋ジャーナル」が登録されていないため、「将棋ジャーナル」掲載の作品については後から手で調整を行った。

また、短編詰将棋の時と同様に登録件数が5件以上の作品に絞ることも考えたが、そうすると26作品(19-23手:6作、25-29手:7作、31-39手:9作、41-49手:4作)になり、41-49手の作品があまりに少なくなってしまうので、今回は4件以上の作品とした。