ブックスネーク

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ブックスネーク、直訳すると本の蛇。なんのことか、ほとんどの人がわからないのでは。スネークウェイトなら、まだわかりやすいかも。ひも状文鎮なら、なんとなく想像できるかな。

もともとは欧米で使われていて、本とかを展示するとき、押さえるための道具。細長い筒状の布に、金属や石などを入れてつくった文鎮で、資料を傷めることなく押さえることができるのが特徴。

英語だと、"book snake ""snake weights""string weights" など。"flexible weights" というのもあるみたい。

このブックスネークは、1987年の図書館雑誌に掲載された、武者小路信和「資料の保存と図書館用品」(※1)と、須加井澄子「ブック・スネークおよび布製の書見台の作り方」(※2)で紹介されている。

ただ、その後は、あまり世間に広まらなかったようで、図書館学の事典をみても、「ブックスネーク」の語は掲載されていなかった。また、公共図書館や県立図書館の人にきいてみたが、「ブックスネーク? なにそれ?」という感じだった。本の展示には、透明なガラス板や木の板、あるいは透明な糸やフィルムを使っているそう。

市販品だと、こんな感じ。

このうち、1. と 2. は輸入品のようで、3. は日本で開発されたもの。3.には、10m とかすごく長いものもある。

一方、海外はどうかというと、先にあげた英語で検索すると、いくつか販売されているものが出てくる。蛇の体重について書かれたものもヒットするけど、それは余談。

また、YouTubeにはブックスネークを作る動画がいくつかある。ここに挙げた動画は、11年前に公開されて再生回数3,892回なので、視聴した人はそれなりにいるようだ。

How to make a Book Snake(KU Libraries)

https://www.youtube.com/watch?v=_N3bFzhEem8

そんなわけで(どんなわけだ?)、ブックスネークを作ってみた。

材料は、余っていたキルティングの生地と、百円ショップで買った大きめのビー玉14個(※3)。

ビー玉の大きさは直径2.5センチ、重さ20グラムなので、14個で35センチ、280グラム。これをキルティングで作った布袋に詰めて、長さ40センチ、幅3.5センチのブックスネークができ

市販品よりかなり重い感じだが、ページ押さえとしてはまずまずか。ただ、ビー玉のぶつかる音がカチャカチャするので、ビー玉同士の間に、なにか詰めたほうがよかったかも。

なお、ブックスネークがどんな感じか知りたいなら、古いタオルとビー玉で、試しに作ってみるのもいいかもしれない。縫い物が苦手なら、ホチキスとか接着剤で止めればいいし。袋状にして、ひっくり返せば無問題(?)

さて、ブックスネークを求めてネットをさまよった結果、こんな記事をみつけた。

硬貨とダクトテープで激安ブックウェイトをDIYLifehacker

元は英語の記事で、さらにその元は、35-cent Book Weight/BookmarkInstructablesとなっている。

1セント硬貨は2.5グラムで、それが35枚なので87.5グラム。それをテープでとめて文鎮に、というもの。この記事にあるように、料理中に本を開いておくのに使うといった用途なら、これで十分なのかも。


蛇足だが、ブックスネークを作るやりかたで、布やおもりを調整すれば、ブラックジャックのような武器も作れそう……くわばらくわばら。

2023年2月25日作成/2023年4月8日修正

※1 武者小路信和. "資料の保存と図書館用品". 図書館雑誌. 1987.4, 81(4)=761, p.190-192, https://dl.ndl.go.jp/pid/11230796/1/20 (参照 2023-02-25).

※2 須加井澄子. "ブック・スネークおよび布製の書見台の作り方". 図書館雑誌. 1987.4, 81(4)=761, p.192-193, https://dl.ndl.go.jp/pid/11230796/1/21 (参照 2023-02-25).

※3 その後、普通の大きさのビー玉で、ブックスネークを作った。百円ショップで買ったビー玉は50個入りだったので、長さ45センチほどの布袋にビー玉を25個詰めたのを2本作った。書見台に本を置いて、左右をブックスネークで押さえてみたが、いい感じかも。