青空折紙文庫
1折無綴じ
一枚の紙を折りたたんで、はさみを1回入れるだけで8ページの小冊子を作る方法が、田中栞さんのブログ田中栞日記で紹介されています。
- 1折無綴じの「本と蔵書票の楽しみ」展チラシ(田中栞日記 2007/9/3(月) 午前 0:54)
また、同じブログの、折紙豆本の動画(田中栞日記 2007/11/24(土) 午前 0:11)によると、YouTubeにも「1折無綴じ」の手順を紹介した動画(DIY - How to Make a Zine; Paper, Scissors, Pen - Rockin!)があります。
このような小冊子の折り方は、古くから(江戸時代から?)知られていたもののようですが、これにヒントを得て、青空文庫の短い作品を「1折無綴じ」の小冊子にできないか、試してみました。
手順
今回は、A4(210mm×297mm)の紙から冊子を作成することにしました。1枚に4ページ×2段=8ページなので、1ページは縦105mm、横74mmになります。まずはワープロソフトを立ち上げ、このページレイアウトになるよう設定をしました。
1ページはこの大きさとして、あまりぎりぎりに印刷すると折りにくいので、周りに適当な余白をあけます。今回は上・右・左を10mm、下を15mmあけることにしました。印刷面としては、縦80mm、横54mmになります。
さて、ここに文字がどれくらい入るかということですが、表紙と裏表紙を除く本文6ページ、そして文字の大きさを10.5ポイントと9ポイントの2通りで計算しました。
- 文字の大きさ10.5ポイント → 縦20字×8行×6ページ = 48行、960字
- 文字の大きさ9ポイント → 縦25字×10行×6ページ = 60行、1500字
だいたい原稿用紙3-4枚ということがわかりましたので、青空文庫から適当そうな作品を探します。
どの作品がどのくらいの長さかわからないので、青空文庫の検索サイト 青空なまず君 の検索結果を、ファイルサイズ順に並べ替えて表示し、いくつか試してみました。その結果、今回は次の2作品を選びました。
ここからZIPファイルをダウンロードして解凍し、テキストデータをワープロソフトに貼り付けます。表紙や裏表紙の部分は別に作成し、レイアウトが 整ったら、PDFに出力します。さらに、PDFを1ページずつにばらして再加工し、「1折無綴じ」で冊子になるよう並び替えます。このあたりの手順は、PDFを使った版下作成の応用です。
- 〔雨ニモマケズ〕 中間ファイル (本文10.5ポイントで作成) (PDF)
- 火の玉を見たこと 中間ファイル (本文9ポイントで作成) (PDF)
そして、このPDFをAdobe Readerで表示し、A4用紙1枚に収まるよう4ページ×2段で出力したのが、次のPDFです。
これをA4用紙に印刷して折り目をつけ、切り込みを入れました。
折りたたんで、完成です。いかがでしょう。
追記
8p Orihon Maker - PDFで誰でもかんたんに折本が作れるウェブサービス
このサイトを使うと、簡単に「1折無綴じ」を作ることができます。
参照:コピー&ペーストするだけで折り本用PDFファイルを作成・ダウンロードできる「8p Orihon Maker」(GIGAZINE)
2009年6月6日作成/2016年11月1日修正