『将棋奇巧録』第50番

第50番 「觀想」

4九金打、同金、同金、同玉、4八金、3九玉、3八金、2九玉、3九金、1九玉、4六馬、1八玉、4五角、1七玉、3五馬、2六と、同銀、同香、2九桂、1六玉、1七歩、1五玉、2七桂、同香成、1六歩、1四玉、3六角、1三玉、1二桂成、同玉、1三銀、1一玉、4四馬、同歩、2一と、同玉、5四角、同歩、3一と、同玉、4一歩成、同玉、4三香、5一玉、4二香成、6一玉、5二成香、7一玉、6二成香、8一玉、7二飛成、9一玉、9二歩、同龍、同龍、同玉、7二飛、9三玉、8二飛成、9四玉、8三龍、9五玉、※9六歩、同玉、9七銀、同玉、8八銀、9八玉、9九歩、8九玉、7七銀、7九玉、8八龍、6九玉、6八金、5九玉、7九龍まで77手詰


周辺巡りの軌跡曲詰。作者不明『神局図式  久畄島百番外図式』第39番(参考図)に類似。

初形は詰手順からの推定復元図。参考図と比べると、右上辺でのあともどりがなくなり、収束もすっきりしている。特に、※63手目84龍とすれば歩を1枚節約できるが、96玉、97銀、同玉、88銀、96玉で打歩詰になるため、あえて96歩とするあたりは面白い。そのかわり9九の地点は通過しなくなった。

こうしたことから、先に作られたのは参考図で、それを渡瀬荘次郎が改作したと思われる。

初形/詰め上がり

参考図

作者不明『神局図式 久畄島百番外図式』第39番(「大魚形」)

※4九金打、同金、同金、同玉、4八金、3九玉、3八金、2九玉、3九金、1九玉、4六馬、1八玉、4五角、1七玉、3五馬、2六と、同銀、同香、2九桂、1六玉、1七歩、1五玉、2七桂、同香成、1六歩、1四玉、3六角、1三玉、1二桂成、同玉、1三銀、1一玉、2一歩成、同玉、3一歩成、1一玉、4四馬、同歩、2一と、同玉、5四角、同歩、3一と、同玉、4一歩成、同玉、4三香、5一玉、4二香成、6一玉、5二成香、7一玉、6二成香、8一玉、7二飛成、9一玉、9二歩、同龍、同龍、同玉、7二飛、9三玉、8二飛成、9四玉、8三龍、9五玉、8四龍、9六玉、9七歩、同玉、9八銀、同玉、9九歩、同玉、8八銀、8九玉、7七銀、7九玉、8八龍、6九玉、6八金、5九玉、8九龍、7九銀合、同龍、同歩成、4八銀まで87手詰

※初手49金打のところ、58金、69玉、68馬、同金、同金、同玉、62飛成、77玉、67龍、86玉、96金、同玉、88桂、85玉、76龍、94玉、96香、95合、86桂までの余詰あり

※5九玉が、1九、1一、9一、9九の四隅を通り、最後は5九の玉座に戻って詰となる、周辺巡りの軌跡曲詰。

この作品は、門脇芳雄編『続詰むや詰まざるや : 古典詰将棋の系譜』(平凡社, 1978.7)(東洋文庫, 335)のp245-246に掲載されていて、編者の門脇芳雄は久留島喜内の作品と推測している。

初形/詰め上がり

2019年8月3日作成/2023年5月9日修正

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