『将棋奇巧録』第48番

第48番 「梅鉢」

※2四桂、1一玉、※1二桂成、同玉、2三桂成、同玉、※3三歩成、同玉、4三角成、同玉、4二角成、5四玉、4四金、同桂、5五歩、同玉、6四馬まで17手詰

※初手24桂のところ、23桂成、同玉、24金、32玉、33歩成、31玉、42桂成、21玉、32成桂、12玉、22とまでの余詰あり

※3手目12桂成のところ、23桂不成、21玉、12桂成、同玉、16飛、21玉、11飛成、32玉、42角成、23玉、33歩成までの余詰あり。また、3手目12桂成のところ、22角成、同玉、33歩成、同玉、34金、22玉、23桂成、21玉、32桂成、11玉、22成桂までの余詰あり

※7手目33歩成のところ、13角成、同玉、16飛、23玉、33歩成、同玉、13飛成、23歩合、34金、32玉、23金、41玉、42歩、51玉、62香成までの余詰あり


九代大橋宗桂『無外題図式』第14番の改作。

初形は詰手順からの推定復元図だが、この図では初手23桂成以下、3手目23桂生や22角成以下、あるいは7手目13角成以下の余詰がある。


出だしの手順は異なるが、同じ詰め上がりになる古図式は、今のところ2作判明している。

1つは『無外題図式』第14番。『無外題図式』 は『古今詰将棋書総目録』のNo.132、寛政5(1793)年頃の写本で、九代大橋宗桂の作品と思われる(参考図1)。原図の欄外には「四之目誥ム」と書かれている。

この図は「将棋月報」1938年1月号p94-95、「九代宗桂図式」の番外第6番として掲載されていて、こちらには「原書註に曰四之耳詰」とある。

もう1つは、小林東四郎と渡瀬荘次郎の棋譜が10局掲載された、『将棋十局留』文久2(1862)年)のp22右下にある作品(参考図2)。原図は天地逆で、攻方31角が欠落している。また、原図の左欄外に「右梅鉢ツメ」と書かれている。

(『将棋十局留』については、小林東四郎, 渡瀬荘次郎著. 将棋十局留. 写本, 文久2(1862), 野田市立図書館 将棋関係貴重書目録 https://www.library-noda.jp/homepage/digilib/shogi/02.html (参照 2023-05-04). を参照のこと)

詰手順を見ると、参考図1→ 参考図2 → 『将棋奇巧録』第48番の順で複雑化している。また、「梅鉢」という題名から、この作品はもともと参考図1で、参考図2と『将棋奇巧録』第48番は、渡瀬荘次郎による改作と思われる。

初形/詰め上がり

参考図1

九代大橋宗桂『無外題図式』第14番

2四桂、1一玉、2一桂成、同玉、3二桂成、同玉、※3三歩成、同玉、4三角成、同玉、4二角成、5四玉、4四金、同桂、5五歩、同玉、6四馬まで17手詰


原図の欄外に「四之目誥ム」とある。

「将棋月報」1938年1月号 p94-95「九代宗桂図式」番外第6番と同じ。

※7手目33歩成のところ、42桂成、21玉、22角成、同玉、33歩成、11玉、16飛、12桂合、同飛成、同玉、34角、11玉、23桂、12玉、31桂成、11玉、21成桂、同玉、32成桂、11玉、22とまでの余詰あり

初形/詰め上がり

参考図2

作者不明『将棋十局留』p22右下

2四桂、2一玉、3二桂成、同玉、※3三歩成、同玉、4三角成、同玉、4二角成、5四玉、4四金、同桂、5五歩、同玉、6四馬まで15手詰


原図は天地逆、攻方31角欠落。左欄外に「右梅鉢ツメ」とある。

※5手目33歩成のところ、42桂成、21玉、22角成、同玉、33歩成、11玉、16飛、12桂合、同飛成、同玉、34角、11玉、23桂、12玉、31桂成、11玉、21成桂、同玉、32成桂、11玉、22とまでの余詰あり

初形/詰め上がり

2019年8月3日作成/2023年5月8日修正

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