子どもの頃好きだった絵本はありますか?私は「きょうはなんのひ?」という絵本が大好きでした。主人公のまみこが手紙をあちこちに隠して、それをお母さんが探します。お母さんが全部の手紙を見つけ、それを順番通りに並べて頭文字を読むと、まみこからのメッセージが…!
何気ない日常の中に穏やかな時間が流れていて、家族のあたたかさや思いやりが感じられる素敵な絵本です。子どもの頃、何度も何度も繰り返して読みました。私もまみこになったつもりで、自分の家ならどこに手紙を隠そうかとよく想像を膨らませました。
親になった今、この本を娘たちに読んでいます。初めてこの本を読んだ日のこと。4歳の娘が、「ママちょっとピアノみてごらん♪」とニコニコしながら言いました。見てみると、娘と私の顔が描いてあるお手紙が隠れていました。うれしそうな娘の姿を見ながら、私も子どもの頃に戻ったように、絵本を読んでワクワクしていたあの時の気持ちを思い出しました。絵本は、気持ちや時間、空間を共有することができます。この穏やかで優しい時間がいつまでも続いてくれたら…そんなふうに願わずにはいられません。
産まれたばかりの赤ちゃんは半径1m以内が世界の全てです。でも大きくなるにつれて、親の手を少しずつ離れていきます。以前、母親が子どもと一緒にいられる時間は、7年6か月という記事を読んだことがあります。小学校卒業時にはすでに半分経過しているそうです。あまりの時間の短さにびっくりしました。長い人生の中で、子どもと共に心の底からたっぷりと絵本の世界を楽しめる時間もきっとそれ程長くはありません。改めて、この時間を大切にしたいと強く感じます。それと同時に、学校で子どもたちと関わらせてもらっている時間は、お家の方と過ごすことのできない大切な時間をいただいているということです。学校でも子どもたちと様々なことを共有しながら、子どもたちが穏やかであたたかさを感じられるような関わりができたらと思っています。
K.S
さあ、ベツレヘムへ見に行こう。
さあ、ベツレヘムに見に行こう。
すばらしいできごとを みんなで見に行こう。
(はじめてのクリスマス)
12月13日にクリスマス礼拝がありました。
このクリスマス礼拝の中に、平和学園小学校でずっとずっと大切にされているページェントがあります。
毎年3年生が、クリスマスの本当の意味を伝えてくれるのです。
自分たちより大きな中学生や高校生のお兄さん、お姉さんにも、イエス様がお生まれになった素晴らしい出来事を伝えています。
先日5年生の音楽の授業の中で、児童がこんなことを言いました。
「先生は、僕たちのページェントを見ていないよね。」
と少し不満げな表情です。わたしは、
「そうだね。先生はみんなの3年生の頃を知らないからなぁ・・・。」
すると、
「ぼくは、博士だったよ!」
「わたしは、天使だった!」
「もう一回やりたいなぁ!!」
と、みんなキラキラの笑顔です。
わたしはそんな5年生に、次のようなお話をしました。
「先生は、みんなのページェントを実際に見ることが出来なかったけど、5年生も6年生もどれだけ素晴らしいメッセンジャーだったのかを知っているよ。
だって、今の3年生が練習している姿は、みんなの背中を見て・感じて・学んだことだと思うから。
みんなの想いをしっかりと受け取って、”先輩たちのようなメッセンジャーになるんだ!!”
という気持ちになって、毎日の練習に取り組んでいると思うから。
みんなからのバトンをしっかりと受け取っている3年生をみると、みんながどれだけ素晴らしいメッセンジャーだったか、目に浮かぶよ。
だから、実際には見ていないけど、知ってるよ!!」
と伝えました。
毎日ページェントの練習をする3年生の姿勢を見ていると、これこそが、平和学園小学校の伝統なのだと感じます。
そして今年も3年生から、来年ページェントを担う2年生へとバトンをしっかり渡すことが出来ました。
こうやって、脈々と平和学園小学校の伝統が受け継がれていくのです。
こうした子どもたちと共に歩んでいくことができる平和学園小学校での時間が、これからも楽しみで仕方ありません。
M.K