夏休みが近づいてまいりました。子どもたちも大人も、「夏休み」という言葉を聞くと、なんとなくわくわくと心が浮き立つのではないでしょうか。
いつも夏休みを前にすると、「今年の夏は、〇〇をしたい!」と、あれやこれや思いめぐらします。やりたいことは、カーテンの洗濯とか本棚の整理とか、慌しい日常生活の中で忘れてしまう小さなことです。野の花を愛でる、とか空の鳥の声に耳を傾ける、夏の夜空を見上げる、などもいいですね。いつもの生活を続けながら、夏休みだからこそできるささやかな楽しみを見つけたいと思っています。
K.I
主の御計らいを何一つ忘れてはならない。 詩編103編2節
「おとといの昼食のお弁当は何だった?」と子どもたちに聞いてもすぐにパッと答えられる子はそんなにいません。大人に聞いてもきっと同じなのでしょう。
日常のことってすぐに忘れます。無意識に忘れていくことがとても多いです。もちろん人間は全てのことを記憶しないように作られているのでしょうから、当然と言えば当然なのでしょうね。全部覚えていたら頭がパンクしてしまいますから・・・。
だからこそ、意識していない日常がいかに大切なのかとよく子どもたちに話します。意識していない、すぐに忘れていく日常こそが実は積み重なって、自分の思い出、自分の成長を支えています。忘れてしまったおとといのお弁当も自分の身体の血肉となっているのと同じです。
もしその意識しない日常の積み重ねが、暗い、辛いものだったら・・・それは辛いですね。もちろんそんなずっと真っ暗なこと続きません。でも、全部ではなくてもおおよそ全体的に暗い記憶に残らない日常が積み重なって行ったらと思うとやっぱり悲しいです。
逆に、忘れていく日常でも明るく、楽しい日常が積み重なっていくのだとしたら、それは嬉しいですね。誰もが望むことです。だから、2週間前の休み時間が楽しかったかどうか忘れている子どもたちに、日々できる限り楽しく、安心できる毎日を過ごさせてあげたいと思っています。
そして、万物の創造者は私たちに気づかないうちにたくさんの祝福を与えてくださっていることも忘れてはいけないなと感じます。それが、もしかしたら、お弁当に入っていた大好きな玉子焼きかもしれないし、友だちからごめんねと言われた一言かもしれないし、意外に小さいことなのかもしれないからです。
もうすぐ夏休み。あっという間に終わってしまうのでしょうけれど、大切に過ごしたいなと思っています。
S.S