現在、県内の各市町村文化財保護審議委員会に建築担当として4人のHM修了生が5カ所(宮崎県・宮崎市・都城市・延岡市・高鍋町)関わっています。文化財保護審議委員会での役割は該当地域の各種文化財指定について審議し答申を検討することです。合わせてそれぞれの該当地域の歴史的建造物(指定・未指定)に関して建築担当者として意見(修理や活用・価値)を求められることがあります。
HM養成講座にて「発見・保存・活用」というテーマをもとに学びましたが、実際HMが地元の歴史的建造物に関わる機会は少ないのではと思っています。その理由として該当する建物が少なく、また修理に関して行政担当者が認識しているのは文化財建造物保存協会(略・文建協)です。
建物の文化財としての指定内容(国・県・市町村)及びその破損状況によっては文建協等が関わることが必要となりますが、本来建物は長期的な維持管理が必要であり地元HMが日常的に関わることで建物寿命は確実に伸びます。
その対応として各市町村の文化財保護審議委員会にHMが存在することは意義あることです。ただし単にHM養成講座修了生というだけでなく、より専門的なアドバイスができる人材であればと考えます。
宮崎県建築士会ヘリテージ委員会は各市町村の文化財保護審議委員会により高い専門性を持ったHMを推薦することを考えています。その方法として希望者に登録有形文化財建造物申請時に提出を求められる「所見」等を作成していただきその内容を審査し推薦該当者とします。
各種要件について
・1 提出物は、県内の未指定・未登録の歴史的建造物3物件選定し所見・図面・写真を作成。
・2 所見提出期間は、毎年の年度末。
・3 所見提出先は、ヘリテージ委員会。
・4 審査は養成講習会で講師を務めていただいた方。
・5 提出希望者を対象とした「所見作成セミナー」を提出までに3回程度を実施。
・6 資料として文化庁HPの「登録有形文化財(建造物)のてびき」を参照。
該当者を推薦する市町村の審議委員会については、今後県の担当課の助言をいただきながら検討します。
問い合わせ先(柴睦巳)メールは下記とします。