第三章3.の国や都からの支出金との違いは、3.は国や都の収入の一部を市と一緒にやる事業や市にお願いする事業のために市に対してお金を渡すというもの。
この章は、本来市の収入であるべきものを、徴税の手間などの観点から一旦国や都で集め、それを配分するものと捉えておけばよいでしょう。(わかりやすさのため、多少の不正確さはご容赦ください。)
これらの金額の総額は約31億円です。
最も多いのが地方消費税交付金の18.3億円
2番目が地方特例交付金の3.4億円
3番目が自動車重量譲与税の2.5億円
以下利子割交付金の1.9億円、自動車取得税交付金の1.8億円と続きます。
これらの譲与税や交付金は国の制度に左右されるところがあり、どのような交付金が昔あったかをみるとそれはそれで興味深いものです。
例えば平成元年に消費税が導入されたときは3%全て国税だったのですが、消費譲与税というものが創設され、平成9年まで年間約5~7億円が市に交付されていました。その後消費税5%のうち1%が地方に配分されるようになった(正確にいえば消費税の税率は4%、地方消費税率が1%)ため、消費譲与税は廃止され地方消費税交付金が交付されるようになった。
といった具合です。
それでは各項目を見ていきましょう。
地方譲与税として①地方揮発油譲与税、②自動車重量譲与税、③地方道路譲与税があります。
平成21年度に地方道路税が廃止され、地方揮発油税に変わったので①と③が両方ありますが、平成22年度からは①と②のみになります。
①③ともに、ガソリン税を国が集め、その一部を道路の延長や面積に応じて配分しています。
両方あわせて概ね9千万円から1億円ぐらいが毎年交付されています。
②は車検のときに支払う自動車重量譲与税を国が集めているもので、市の道路の延長や面積に応じて配分されます。
平成21年は2.5億円。その前年・前前年は2.8億円ぐらいでした。
ちなみに・・・平成16年から18年度は所得譲与税というものがありました。これは三位一体改革の一環である税源移譲の移行措置で設けられたものです。
利子割交付金、昭和63年度からあります。
銀行などの利子に係る税金を一旦都が集め、市に配分するものです。(詳しくはこちら。)
平成21年は1.9億円、平成19年は3億円。そのときの金利の状況に左右されるようです。
配当割交付金 平成16年度からあります。
株の配当に課される税金を一旦都が集め、市に配分するものです。(詳しくはこちら。) 平成21年度は5800万円。前々年は1.5億円。企業の収益が悪化している影響がもろに。
株式等譲渡所得割交付金 平成16年度からあります。
株の譲渡益に課税される税金を一旦都が集め、市に配分するものです。(詳しくはこちら。) 平成21年度は2400万円。平成17年度は1.4億円ありました。株価の低迷がこんなところにも影響しています。
地方消費税交付金 消費税が5%になった平成9年度からあります。
地方消費税は一旦国が全部集め、まずは都道府県に配分。都道府県が半分取り、残りを人口と就業人口に比例して各市に配分します。(詳しくはこちら。)
自動車取得税交付金
自動車を買った人にかかる自動車取得税を都が集め、道路の面積と延長に応じてその1/3を市に配分するものです。
平成21年度は1.78億円でしたがそれ以前は3.5億円から4.5億円ありました。
つまりそれだけ自動車が買われなくなったということです。
地方特例交付金
平成11年に創設。恒久減税などによる減収を補うために国が交付するもの。使途は限定されていません。将来の抜本的な税制の見直しが行われるまでの間交付されるもの、っていったいいつまでなのでしょう?
平成18年度までは9~12億円程度が交付されていましたが、それ以後は2~4億円程度になっています。
平成21年度は3.4億円が交付されました。
交通安全対策特別交付金
交通違反の反則金を全国で集め、それを都道府県、市町村に「人口、交通事故の件数、道路延長」に応じて配分されるものです。
平成21年度は2600万円が交付されました。
地方交付税
普通交付金と特別交付金があり、平成21年度は普通交付金は0、特別交付金が1.32億円でした。
地方交付税は説明すると大変なので、右のリンクから過去の記事を参考にしていただければと思います。