■お金の使い方の決め方
前のページでは、お金の使い方を決めることは難しい。という話をしました。
実際に市町村ではどのようにして、お金の使い方を決めるのかを説明します。
「みんなから集めたお金をみんなのために使う」
ためには、みんなの意思を尊重して決める必要があります。
しかし、実際には市民全員が集まって話し合うことはできません。
そこで、市民の代表、つまり選挙で選ばれる市長(町や村の場合は適宜町長・村長などと読み替えてください。)と同じく選挙で選ばれる市議会議員がお金の使い道を決めるのです。
実際の決まり方を下の図を見ながら説明しましょう。
○動画による紹介
日野市 市民が市民のために作った財政白書平成21年度版から
予算の決め方については2:04から
みんなから集めたお金の使い道をあらかじめ決めたものを予算といいます。
毎年3月に行われる議会に市長から予算案を提出します。
議会は予算案について議論をし、議決を経たものが予算になります。
つまり、みんなの代表である市民が予算案を決め、
それを同じくみんなの代表である議員がチェックして、認めないと
みんなから集めたお金は使えないということなのです。
そして、お金を使った結果は決算としてまとめられ、これも議会の承認が必要です。
決算は使った結果なので、承認しなくても何かが変わるわけではないですが、事後的なチェックを入れることに意味があります。また稀に承認されないこともあります。
これらのプロセスでは選挙で選ばれた市長、議員が重要な役割を果たしており、これを見ても我々が選挙で意思を表明することの重要性がわかるかと思います。
さて、それでは市長が作成する予算案はどのようにして作られるのでしょうか。
お金の使い道はいろいろなことを考えて決めます。
具体的には、市長の方針や国や都の動向、税収の見込み、市役所の各担当からの要望などなど。
こういったものをお金のことをまとめる係の財政課(市によっては財政部や財政局)が取りまとめます。
実際には、いろいろな方面と調整しながら前年度の10月ごろから約半年の時間をかけて作られます。
ここまで読んであれ? と思った方もいるかも。
みんなの代表がお金の使い方を決めるのではないかと。
議会は出された予算案に対して、細かい修正を盛り込む場合もありますが、それはむしろ少数派で、可決か否決という判断を示すのみです。
もちろん、本会議や予算委員会で議論はいろいろ行うのですが。
要は市長や議会の姿勢によっては、職員が作った案がそのまま予算になってしまうということもあるということです。
もちろん、職員は日々仕事をする中で市民と接しているので、市民のニーズをくみ上げているという面もありますが、一方国や都から補助金を取ることを何よりも優先して考えてしまっているかもしれない。
そこらへんは正直一般市民からは見えない。
やはり、市長や議員は民意を背負う者として、しっかり予算案、決算を見る必要があると思うのです。
実際には難しい面があることは重々知っています。
だからこそ、より多くの目。より多くの市民の目で見れるように、財政をわかりやすく説明する資料、方法について、日々取り組んでいるわけですが。
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