生態学こまば教室では、
主に若手研究者を招待して研究紹介をしていただき、議論を通して相互の交流を深めたいと思っております。
誰でも参加 できるオープンな セミナーなので、関東近辺の皆さまは是非気軽に参加してください。
また、セミナーで発表していただける方も募集しています。
熱いパッションをお持ちの方のご連絡お待ちしています。
今回は千葉大学 浜道凱也さんにショウジョウバエの群れ行動についてお話いただきます。浜道さんは集団内の個々の個体の差異、特に遺伝子構成を人為的に調整する介入的な群れ操作実験を試みることで、群れの同調メカニズムを研究してきました。様々な系統を利用できるショウジョウバエ研究ならではの、洗練された集団行動システム研究をぜひお楽しみください。
生物は多様な行動を示す。種間の行動差だけでなく、種内に見られる個性や文化的影響は、個体間に行動変異を生み出す要因のひとつである。一方、多くの生物で観察される行動の「同調」は、個体間の変異を小さくし、集団(group)の構成員の表現型を特定の値に収束させる。そのため、野外で見られる行動変異の成立機構を理解するには、集団内の行動変異に対する同調の役割を深く理解することが重要である。本研究では、活動性の同調が知られているショウジョウバエ属昆虫に着目し、集団の種構成や遺伝子型構成が構成員の表現型の収束にどのように影響するかを明らかにした。その結果、社会性が高い個体や同調しない種を含む集団では、活動性の表現型の収束点が不規則に変化することが明らかとなった。これらの個体は、他の構成員の表現型に大きな影響を及ぼすインフルエンサーとして、集団の表現型構成の決定に重要な役割を果たしている可能性がある。重要なことは、集団の行動多様性は単に個体の表現型の相加的な結果ではなく、特定の個体の存在によって相乗的に決定される可能性があるということである。
参加申し込み締切:2025年9月16日(火)23:59 (対面参加者はお早めにご登録お願いします)
なお、世話人の納富と、講演者の浜道さんは、ともに「システム行動学研究会」を運営しています。
本セミナーに関心のある方は興味を持ってくださる研究会であると思いますので、ぜひ以下のHPをご覧ください。
https://systemsethology.github.io/website/