7月9日

投稿日: 2010/07/09 17:40:44

出会い系サイトの歩き方

~第五回 出会い、そして~

長いようで短かった出会い系サイト探訪の旅もいよいよ最終回だ。

私の駒場時代の研究成果が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いである。

今回は結びの一番として、私の出会い系体験記を綴ってみようと思う。(フィクションです勿論)

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1年の頃、私は暇すぎて何か格別に下らない遊びがしたいと、出会い系サイトに目をつけた。

高校の頃、ワイドショーで”出会い系に潜む罠”のような特集を見る度、東京は怖い所だなぁと思っていた事を思い出したのだ。

今や俺は東京にいる、それなのにどうして挑戦しないんだ!!いつまで逃げているんだ!!と自らのスピリットをアクティベートしチャレンジをディサイドした。

やるからには真剣かつ万全にと、徹底的にリサーチを行った上で、目標を明確に掲げ事にあたった。

――Mission:見知らぬ人妻と新宿でお茶せよ

出会い系だというのに不思議と全く浮ついた気持ちにはならず、心境は任務を粛々と遂行するエージェントのそれであった。

さて、まずはサイト選択である。

リサーチ時に考案した”森メソッド”により私はとあるサイトを採択した。

同時にポイント制の有料サイトに登録される所だったが、個人情報としてはPCのアドレスしか要求されなかったのでヤホーで捨てアド(使い捨て前提のアドレス)を獲得し登録を行った。

もちろん競合を分析するために女性会員としても入会した。(因みにこちらのアカウントでは逆ハーレムを築く事に成功した。キャバ嬢になろうかな)

入会後は自分のニックネームを決めなくてはならなかったが、ターゲットは”人妻”と決めていたので”人妻”にささりそうなキーワードを検討した。

当時の主婦達の間で人気だったのは「ヨン様」や「斉藤佑樹投手」だったので、結局より旬と思われたハンカチ王子をもじったニックネームにした。

今なら石川遼くん関連のニックネームがいいだろう。

次にプロフィールだが、こういうサイトでわざわざ大学生を選択する人妻がいるとすれば、恐らくフレッシュネスが好みなのだろうと仮説を立て、極力爽やかな人間を偽装した。

ところで参考にと他の男性のプロフィールも見てみたが、やたら会いたいだの楽しい事しようだの書いてあるものが多く、正直不気味で、楽勝の兆しが見えた。

プロフィールを書いたら次はメールである。

相手のプロフィールを見れば年齢層や既婚・未婚の別が判断できたため、対象の選択は容易であった。

初めのうちは要領を得ず中々返事を得る事が出来なかったが、次第にコツを掴み何人かと連絡を取り合う関係になった。

因みに、メールの本文自体は①気持ち悪くない②相手のプロフィールの内容に触れる③疑問文を入れる、の3点さえ満たしていればそこまで重要ではなく、真に重要なのはメールのタイトルという印象だった。

メールのタイトルにいかに変化球を取り入れる事ができるかが、佑ちゃんの腕の見せ所だろう。

何度かサイト上で連絡を取り合うようになってくると、PCのメールアドレスを交換する事になる。(詳細は割愛するが、サイト上のメーラーには字数制限や帯域幅調整(ただのバグかも)といった制限がかかっている)

今回のねらいとしては、沢山の人に会っても仕方がないので、この段階で(相対的に)最もまともに思えた人物に照準を絞りこんだ。

やりとりを重ねるうち、いつまでたってもこちらが何も言い出さない事に痺れを切らしたのか、とうとう向こうから良ければ一度会えないかというような主旨のメールが届いた。

後は場所を新宿に指定すればミッションコンプリート、決まり手は焦らしプレイである。

・・・のつもりであったが、”遠足は帰るまでが遠足”と言われるように”出会い系は出会うまでが出会い系”である。

Missionもお茶の約束を取り付ける事では無く、お茶をする事とある。ここで引いては恐らく私はボスによって粛清されるだろう。

事前のリサーチで美人局等の危険性について知ってはいたものの、進むも地獄引くも地獄とあっては、最早ええいままよと流れにその身を投じるより他なかった。

かくして我々はいいともよろしくアルタ前で待ち合わせ、奇跡の邂逅を果たすのであった。

会うまではこんなサイトで若い男を探すなんてどんなババアか見てやるぜ程度の気持ちでいたが、普通にきれいな人だった。

心が若ければ身も若くなるという事かもしれない。きっと彼女の心の中は永遠の18歳、ピュアな思いで満ち満ちているのだろう。

そうして二人は導かれるままにホテルへ、なんて事には通常ならない。なったとすれば美人局。

特に予定も決めてなかったので近くにあった喫茶店に入った。

中では色々な話に花を咲かせた。東農大の講義は超がつくほど下らない事、陸上部でのトラブルの話、バイト先の店長に対する愚痴etc…無論全て嘘である、いわゆるガード堅めの子っていうワケ☆

そうこうするうち、どうやら相手は自分の事を気にいったようだ、次第に話題の雲行きが怪しくなっていく。

――○○くん(偽名)はぁ、ロウソクって垂らす方?垂らされる方?私はぁ、人によるかなー垂らし垂らされって感じw

――何言ってんのー旦那となんてそんな事する訳ないじゃなーいw

――ねぇ(※自主規制)しよ

どこがピュアだ。

めくるめく未知の世界が私に向かって門を開け放っているのを直観したが、ボスからの指示にはそこに入れとまでは記載が無かったため結局すたこら逃げ帰った。

その後も何度かメールは続いたが、自分にはこれ以上会う気が無いという事を悟ったのか、いつしかメールはパッタリと止んでしまった。

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以上が私の体験である。(フィクションです勿論)

因みにその人妻は、旦那が転職とネットゲームに夢中すぎて嫌気がさしこのような暴挙に出始めたとか。

この話に何か教訓があるとすればそれはこの一点に尽きるだろう。

出会い系とか怖いからやめといた方がいいよ!!