6月26日

投稿日: 2009/06/26 20:30:04

ピピピピ…

無機質な音が唐突に僕を煩悩渦巻くこの現世へと呼び戻す。

時刻は午前7時。申し分ない、チャージは完了である。

―――いや、待てよ、まだ行けるか、頭の中で緻密なロジックを組み立て、丁度あと30分、これがまだ眠れる限界の時間だということを証明し二度寝。

ピピピピ…

僕は再び非現実の世界から召還された。

時刻は午前7時半。時は満ちた、チャージ完了である。

―――いや、待てよ、まだ行けるか、頭の中で緻密なロジックを再構築し、先ほどの証明の致命的欠陥を鮮やかに指摘。

そして丁度あと30分、これがまだ眠れる限界の時間だということを証明し三度寝。

ピピピピ…

僕は再び・・・・

そんな訳でなぜか起きたのは午前9時過ぎ。でも実際誰だってこんなもんだと思う。

パソコンを立ち上げ課題に取り掛かり始める。

計画の要旨は以下の通りである。

・午前中に実験1~5まで完成

・今日の実験の合間に実験6を完成

・分量は20枚程度が重すぎず軽すぎずでベスト

・とにかく立派な表紙をつけて、プレミアム感を演出

「こんなの自分じゃない!」と思うほどの奇跡的集中力を発揮し、朝の時間で実験5の途中まで書くことができた。

計画通りとまではいかなかったが、どうせ実験の合間なんて2時間くらいあるはず。

意気揚々と大学へ向かう。

目論見通り今回の実験にも1時間待ちの操作が二度あったため、この間にレポートを書き進める。

何もかもが順調と思われた。しかし、実験5の考察を書き終わったその瞬間、事件は起こった。

こりゃ間に合うという確信が生まれ、それがみるみるうちに僕のやる気を蝕んでしまったのだ。

衆知の通り、実験6は他の実験に比べ明らかに重い。

もちろんそれは自分も重々分かっていたのだが、哀しいかな人間の脳はヒューリスティクスに塗り固められている。

(あとかかる時間)≒(今までかかった時間)/ 5

という認知バイアスが発生し、全くやる気がでなくなった。

話は若干逸れるがここで課題サーチャージ作戦で起こりうる2つの典型的事故を紹介しよう。

①チャージの限界を見誤り、結局間に合わない

②順調に行くことで危機感が薄れ、やる気が萎んで、結局間に合わない

どちらの事故も、頭が弱いことが原因である。

すなわち、今回はこれらの内、②のパターンが起きようとしていたのである。

実験が終わっても、結局それから全く進めることができないでいたため居残ってレポートを完成させることにした。

実験室を見渡せば、とうに生物化学科の人間は野山に帰り、残るは生物情報科学科の人間(長いので以下略してゴミと表記する)だけになっていた。

ゴミたちは暫くはレポートに取り組んでいたが、やがて諦めし者が、僕のように未だ瞳に闘志の炎を滾らせる者を妨害すべく雑談を始めた。

尤もその時は丁度自分のやる気のなさも最高潮で、昔の汚れがこびりついた大型メスシリンダーの洗浄に興じていたところであったので参加した。

福永の家族の名前で百人一首をするのは難しそうだねぇ等(うちの学科の話題は何かと雅であることよ)一通りの福永関連話題に花が咲いたところで時刻は22時。

諦めたゴミはそそくさと帰宅、この間に課題を完成させたゴミも帰宅。

気づけば一人ぼっちんび。←一人ぼっちにって打とうとして間違えたんだけど、ぼっちんびってちょっとおもしろいよね。

しかし、24時までならレポート受付してもらえるという情報を某外銀筋から入手し、やる気は再燃する。

手書きと組み合わせることで若干効率が上がり、結局23時頃に一応仕上げることはできた。

だが流石に帰って印刷している時間は無かった。もはやこれまでか、誰もがそう諦めかけた・・・とここで思わぬ僥倖、UTFFという僥倖。

UTFFっていうサークルの部室みたいなところ(本郷)にプリンタがあったことを思い出し、そこで印刷することにした。

生まれて初めてこのサークルに入っててよかったと思った。

そして舞台は再び浅野へ。

ここで甦るは或る日の悪夢。

―――締め出し・・・今度は確信するのにそう時間はかからなかった。

図書館に閉じ込められたと思ったら今度は締め出しである。どうなってんだ、この建物は。心なさすぎるだろ。

奇跡を信じ学生証でピーってやって表示されるErrorの文字。ありがとう、もう見飽きました。

しかしよく観察すれば今回は外にでる分には単なる自動ドア。そして自動ドアの間には小さな間隙。

前回とは違い、ここには明らかにセキュリティーホールが存在している。

そこで僕はおもむろに紙を取り出し、それをドアの隙mうわっなんだおmやめrくぁwせdrftgyふじこlp;@:

結局偶然丁度出ていくところの院生が出ていくタイミングでさり気無く侵入し、レポート提出に成功しましたとさ。

今回の教訓 : 次回はもっとギリギリでいいということだろう。