いしかわ(3)

投稿日: 2009/11/26 7:54:59

(続き)

実はこの日、もう一つ大きなニュースがあった。

元大関出島が十両陥落が決定的となる9敗目を喫し(※10)、その後相撲協会に引退届を提出したのだ。

魁皇・千代大海は出島とともに大関を務めたこともあった。

出島は怪我などもあり、大関を陥落したが(※11)、その後も幕内で出島らしい相撲を取り続け、朝青龍を破ったこともある。

魁皇・千代大海は下に落ちても自分の相撲を取り続ける出島を見て勇気をもらったことだろう。

出島は出島で、怪我をしても何とか頑張って大関の地位を維持し、時々は横綱にも勝つ彼らを見て、自分も負けていられないと思っただろう。

本人たちは気が付いていないかもしれないが、そういう心のつながりを仮定すると、この日起きた奇跡的な出来事にも物語を持たせられる。

すなわち、大関は引退する元大関のために頑張り、引退する元大関はまだ元気に頑張っている大関の活躍を願ったということだ。

感動的な物語を紹介しようという意図はなく、ただ物語になる可能性を考えてみただけである。

(※10)相撲の位は大きく分けて下から序ノ口、序二段、三段目、幕下、十両、幕内となっていて、その中でも細かく順位が決められている。

順位は相撲協会内部で先場所の順位と成績などをもとに決めている。4時くらいからテレビでやっているのが幕内の取り組みである。

大関経験者が十両に落ちた後も現役を続けた例はなく、出島は十両に落ちてまで相撲を取るつもりはないことをほのめかしていたので、

十両陥落が決定的になった時点で出島の引退はほぼ確かだった。

(※11)大関は二場所連続で負け越さない限り、その地位を追われることはない。

あまり勝っていないように見える魁皇や千代大海が大関であり続けるのはこの制度のためである。

ちなみに横綱には降格はない。

※/

出島が石川県出身ということできょうは「いしかわ」である。石川県出身の力士は幕内にもう一人栃ノ洋(読み方は「とちのなだ」)がいる。同郷同学年の出島が引退して気落ちしているだろうが、栃ノ洋も引退となるとすごくさみしい。ぜひ九州場所ではがんばって幕内に復帰してほしい。

次回は石川県出身の大横綱です。

問題 /※から※/までの間で琴欧洲の洲が州になっているところがあります。それはどこでしょう。