2014-6-12 イチモンジタナゴの遺伝集団構造と人為攪乱に関する論文の出版

Post date: Jun 11, 2014 8:43:11 PM

東海タナゴ研究会の北島さんたちとのイチモンジタナゴの遺伝集団構造と人為攪乱に関する共著論文が出版された.

Kitajima, J., M. Matsuda, S. Mori, T. Kokita and K. Watanabe. In press. Population structure and cryptic replacement of local populations in the endangered bitterling Acheilognathus cyanostigma. Ichthyol. Res. DOI: 10.1007/s10228-014-0412-0 (2014)

滋賀県ではトップレベルの希少魚となってしまっているイチモンジタナゴの系統地理解析をベースに,その本来の集団構造の推定,大きな人為攪乱の影響(特に伊勢湾周辺域),そして伊勢湾周辺域や琵琶湖周辺域の集団の保全に関する提案などが含まれている.原産地で絶滅危惧,周辺では国内外来種として同種・他種に悪影響を与えている種の保全について,どう取り組むか,考えていくきっかけになれば幸いと考えている.

長年の調査と「低侵襲的試料採取」を蓄積してきた第一著者をはじめ,共著者に深く感謝.また貴重な情報をいただき,重要な地域集団の保全に長らく努力を傾けてきた(もう一人のJK) MieMuの北村さんにも感謝.

本論文の査読過程では,査読とは何か,査読を通じてサイエンスに貢献するということについて,他論文での素晴らしく建設的な経験と対照的な経験をすることで,再度考えを深める機会となった.これについても感謝.