2012-11-24 弁論術

Post date: Nov 24, 2012 1:50:31 PM

はるか昔大学院生の頃,何を思ったか短い通学時間を利用してアリストテレスの「弁論術」という本を読んだことがあるが,論理とは別に,主張を通す方法がいろいろと長々と書いてあった気がする(忘れた).内容や論理が一番と信じる青臭い頭では,違和感を感じながら(おそらく)読み通した思い出だけが残る.

国会や選挙時の政治家の答弁や演説は,剣ではなく言葉で戦う職業だけあって,しばしば勉強になり,いろんな意味で感心する.

最近学んだテクニックは,「①誰もが難しいとわかっていることを『自分は実現する』と効果的に宣言する」→「②注目を浴び,期待感を盛り上げる」→「③批判に対して,批判者の欠点を本質との関係にかかわらず,執拗に攻撃する(シンプルなレッテル張りや二分法など)」→「④ある時期が来ると,正論を述べつつ,普通のレベルまで主張を後退させる」→「⑤後退への批判に対して,現実がわかっていない,とか,そのほか批判者を本質との関係にかかわらず執拗に攻撃する」→「⑥ほとぼりが冷めると①から繰り返す」→「⑦ ②の印象が社会に蓄積する」→「⑧元々の論点以外も含めて,自分の主張が通る」

「あー,うー,えーと...」の自分には無縁な巧言令色.