2010-10-22 ダム建設の見直し

Post date: Oct 22, 2010 7:25:53 PM

ダム建設の見直し・検討について国交省から指示が下ったこの頃.

建設費,治水等の効率が主に代替案と比較されるようだが,環境への影響を十分同等に評価に組み入れるべきだ.ダムが「自然の価値・恵み」に対して未来永劫にまず取り返しが付かない負の遺産を残すのは必至だからだ.今生きる(翻弄され続けた)人々の生活が重要なのは言うまでもないが,それでも現時点でベストの選択をするのは,国等の行政,専門家,研究者の役割だ.

現案ありきでない,始点に立ち戻った議論,評価が(少しでも)行われることを願いたい.

「自然の価値・恵み」や稀少種,生物多様性を経済価値として横並びに他と比較するのはむずかしいが,すでに多くの取り組みが進んでいるし,今,設楽ダム予定地の近所(名古屋;CBD-COP10)でさらに進みつつもある.ダムは作れば終わりではない.これはダムだけではなく,治水,利水は本来「プロセス」である.50年,100年かけて進めてきたことをいつの時点で方向転換しても本来かまわない(初志貫徹が男の道,という周囲巻込み型破滅論理は勘弁願いたい).水害はなくならないことを前提として,起こったときに軽減する方向を同時にさらに積極的に進めてほしい.あと,ハザードマップの周知も重要.責任のたらいまわしで「川の中に」住宅地を作ってきたのが日本の住宅事情.

奄美大島や台湾の水害被害がこれ以上大きくならないように,また今後の復旧工事でリュウキュウアユにこれ以上ダメージが与えられないように願う.