2012-1-10 なぜ脱ダムかー2

Post date: Jan 10, 2012 9:29:03 AM

民主政権のもとで行われている「ダム検証」は一見脱ダムに力を貸すかと思われるが,実際には「再計算」に過ぎない,旧態依然の考え方に基づくもので,最終的なゴーサインを出す装置のようだ.

大雑把に言って,

「治水」でダムとその他(堤防,遊水地)など,かなりの数の代替策についてコストやその他を計算・リストアップする.

「利水」で同じくダムとその他の方法のバリエーションについて,コスト等を計算する.

それらでベストなものに目印を付け,その他(正常な流水機能・環境等)についての簡単な問題点の評価が行われる.

根本的にコストの比較の枠組みが間違っているのではないか?

代替策自体のコストと比較するのではなく,それぞれのケースにおける,さまざまな現状の価値・生態系サービスを損なうコストを足し合わせたものを比較するのが当然ではないか.

例えていうなら,腕の手術をするときに,バッサリ切ったほうが,高度で高価な手術を行うより安価で,目的(死なさない)を達することができる,という計算のようなもの.

手術自体のコストだけではなく,腕を切る/残すことの利益とコストを切り離さずに考えないといけないと思うのだが.

一方で,事業を止めるコストの上乗せとか,...なんとも・・・

またダム建設による影響を,至近的な影響の及ぶ範囲に限定するのも,どうにも理解に苦しむ.中流までしか流況に変化を及ぼさないから,下流・沿岸は無視という論理だが,中流に影響を与えたら,中流が今度は下流に影響を与え始めるのが当然だろう.