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バスの中でも特に、柔らかく旋律的に歌うことができる声質が「バッソ・カンタービレ(またはリリコ)」。
低く深い音域を持ちながらも、いわゆる“重たいバス”とは異なり、柔らかさや歌心、そして品のある響きを併せ持っている。
豊かなレガート(流れるような歌唱)を得意とし、強く押し出すというよりは、内面の感情を丁寧に語るように歌う声である。
この声種に求められるのは、力強さではなく旋律の美しさであり、穏やかで思慮深いキャラクターを演じることが多い。
「歌うように語る」という表現がぴったりのその声は、聴く人に安心感や温かみを与える。
旋律美をたたえた役において、この声はただ低く響くだけでなく、深い人間性までもを描き出す力を持っている。
代表的な役例
パパゲーノ(魔笛)
コッリーネ(ラ・ボエーム)
ドン・バジーリオ(セビリアの理髪師)
フィリッポ2世(ドン・カルロ)
カリスト・フォ(ルイーザ・ミラー)