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変声期を迎える前に去勢された男性歌手のことをカストラート(Castrato)といいます。
かつて教会では女性が歌うことが禁じられていたため、ボーイソプラノの澄んだ高音を成人後も維持できるようにする目的で行われていました。
特に17世紀のローマでは、宗教的な理由から女性が舞台に立つことが禁止されており、その代わりとしてカストラートが女性役を務めていました。
一方で、ヴェネツィアなど他の都市では早い時期から女性歌手の出演が認められており、地域によって状況は異なっていました。
カストラートは、成人男性の骨格と肺活量を持ちながら少年のような高音域を保っていたため、非常に力強く広い音域を持つ声が特徴でした。そのため、17〜18世紀のオペラには欠かせない存在となりました。
しかし、このような処置は人権侵害とみなされるため、現在では禁止されています。最後の有名なカストラート歌手はアレッサンドロ・モレスキ(1858–1922)で、彼の録音が唯一残っている貴重な音源です。
現在では、カストラートが担っていた役をカウンターテナーと呼ばれる男性歌手が歌うことが多くなっています。