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アレクサンドル・デュマ・フィスの小説「La Made aux Camélias/椿を持つ女」
1848年、著者が体験したことを基に描いた長編小説
主人公のモデルは、著者自身が若い時に交際していたマリー・デュプレシという高級娼婦
19世紀中頃のパリ、高級娼婦マルグリット・ゴーティエは贅沢な生活に疲れ果てていたが、青年・アルマンデュヴァルと出会い、誠実な愛に目覚める。二人は一緒に幸福な時間を過ごすが、アルマンの父が息子の将来を守るために二人の別れを求め、マルグリットはアルマンのために身を引く。アルマンは裏切られたと思い込み離れ、マルグリットは病に倒れ、亡くなる直前にアルマンの愛を手記に記すが、彼が戻った時に彼女は既に他界していた。
原作は、マルグリット・ゴーティエ(オペラのヴィオレッタに相当)の死後、彼女の遺品が競売にかけられる場面から始まります。ナレーターである「私」がその競売に興味を持ち、会場に行ってみたらアルマン・デュヴァル(オペラのアルフレード)が登場。彼女との恋の回想へ物語が展開していきます。
しかし、オペラ版では競売シーンはカットされており、物語はヴィオレッタが開く華やかな宴会の場面(第1幕)から始まります。オペラでは、原作の枠構造(回想形式)を排し、より劇的で直接的な表現を採用しています。その結果、ヴィオレッタの感情の変化や運命の悲劇性が、舞台上でダイナミックに描かれることになりました。
また、オペラ版ではヴィオレッタの死の場面が詳細に描かれ、彼女が愛するアルフレードに看取られながら息を引き取るラストシーンが強調されています。
一方、原作では最期に間に合わず、二人は再会することができませんでした。
こうした違いを理解すると、オペラ『椿姫』と原作小説『椿姫』の両方をより深く楽しむことができるでしょう。
オペラ・リア(オペラ・リアリスティカ)/オペラ・コミック的要素もある悲劇オペラ
社会的階級や病気、恋愛の悲劇を描く
心理描写がリアルで、人間ドラマや現実社会の問題(恋愛・階級・病気)に焦点
軽快な笑いが中心のオペラ・ブッファとは対極の作品
1849年、勧めに従いデュマ自身によって1週間で戯曲版を書き上げ、1850年に上演して大成功を収めた。以降も現在まで上演され続けている。
『椿姫』は、アレクサンドル・デュマ・フィスの原作小説「La Dame aux camélias/椿を持つ女」に由来しています。
日本では明治35年(1902年)に長田秋濤の翻訳によって広まり、「椿姫」というタイトルが定着しました。
オペラ『トラヴィアータ』(原題「La Traviata」)のタイトルは、実際には「堕落した女」や「道を踏み外した女」を意味します。そのため、『トラヴィアータ』を直訳すると『椿姫』にはならず、作品のテーマが異なる印象を与えます。
「Traviata」は、主人公ヴィオレッタがその道を歩む様子を描いたものです。そのため、『トラヴィアータ』は「椿姫」と直訳されるわけではなく、むしろ「堕落した女」というテーマが込められています。
『椿姫』という邦題は、ヴィオレッタが身に着けている椿の花を象徴として使い、彼女の気品や儚さを暗示するものとして定着しました。
タイトルが持つ「姫」という表現は、彼女が持つ一種の上品さを暗示しているとも解釈できます。オペラの本質は、ヴィオレッタの堕落した生活とその悲劇を描くものであることを理解しておくと、作品の深い意味がより鮮明になるでしょう。
1852年、パリに滞在したヴェルディはデュマ・フィスの戯曲版『椿姫』の上演をみてオペラ化することを決意。比較的短時間で作曲。
初演当時は娼婦を主役にした作品ということで、イタリア統治国側の検閲により道徳的な観点から問題視されたが、主役が死ぬので上演が許された。
1853年3月6日、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で行われた初演は歴史的大失敗。準備期間が短かった為だ。
しかしながら、翌年の同地での再演は大成功、その後も上演を重ねるたびに人気を呼び、今日ではヴェルディの代表作とされるだけでなく、世界のオペラ劇場の中で最も上演回数が多い作品の1つ。
19世紀半ばのヨーロッパ、パリ
・階級社会
・ドゥミ・モンド(裏社交界)
・社交界の重要性
・恋愛における規範
主要人物(主要キャスト)
•ヴィオレッタ(Violetta Valéry) – ソプラノ(S)
•アルフレード(Alfredo Germont) – テノール(T)
•ジョルジョ・ジェルモン(Giorgio Germont) – バリトン(Br)
周辺人物(脇役)
•フローラ(Flora Bervoix) – メゾ・ソプラノ(Ms)
•アンニーナ(Annina) – メゾ・ソプラノまたはアルト(Ms)
•ドットーレ・グランヴィル(Dr. Grenvil) – バス(B)
•バローネ・ドゥフォール(Barone Douphol) – バリトン(Br)
•ガストーネ(Gastone, Vicomte de Letorières) – テノール(T)
•侯爵(Marchese d’Obigny) – バス(B)
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