※青字=リンク(押すと移動)
古代エジプト、首都メンフィス。
国は今、エチオピアの侵攻の脅威にさらされていた。
若き武将ラダメスは、神殿の前で祈りを捧げながら密かに願っていた。
――もし自分がこの戦の総大将に選ばれたなら、敵を打ち破り、愛する人に勝利を捧げたい。
その愛する人とは、エジプト王女アムネリスに仕える美しい侍女・アイーダ。
しかし彼女は、実は敵国エチオピアの王女だった。
祖国を裏切る形でエジプトに捕らえられ、身分を隠して奴隷として過ごす日々。
そんなアイーダを、ラダメスは密かに愛していた。
アイーダもまた、ラダメスを想っていた。
だが、彼がエジプトの武将である以上、自分の祖国と父を滅ぼす敵。
その現実が、彼女の心を締めつけていた。
王女アムネリスは、ラダメスに想いを寄せていた。
そして彼の様子から、彼がアイーダに心を奪われていることを感じ取る。
嫉妬心を抱きながらも、あえてアイーダに言葉を投げかけ、動揺を引き出すことで、自分の疑念が確信へと変わっていく。
そこへ、使者が王に報せをもたらす。
エチオピア軍が国境を越えたというのだ。
エジプト王は、すぐに対応を決定する。
神に祈りを捧げたうえで、戦いに向けて総大将を任命する。
その名が告げられた瞬間、人々の前にラダメスが立ち上がる。
アイーダは、心の中で悲鳴を上げた。
愛する人が、父の軍に向かっていく。
どちらが勝っても、彼女の心には喪失が待っている。
この愛は罪なのか?
この戦いは、愛を引き裂くためのものなのか?
民が勝利を祈る中、ラダメスは神殿へと導かれる。
アイーダはその場に取り残され、誰にも言えぬ思いに押しつぶされながら、静かに涙を流す――。
↓Next