※青字=リンク(押すと移動)
帝都の城壁
夕暮れの空に、帝都の巨大な半円状の城壁が影を落とす。柱廊の下には二本の支柱に支えられた青銅のゴング。テラスには処刑された生首が突き刺された棒が幾本も立ち、広場は色とりどりのチャイナ服に身を包んだ群衆であふれている。民衆の目は高官に注がれていた。
高官
「ペキンの民衆よ!
これぞ法である。清らなるトゥーランドット姫は、王家の血を引く者の花嫁となるべきもの。姫が出される三つの謎を解けぬ者は、斧にその誇り高き首を差し出すのだ!」
群衆
「ああ!ああ!」
高官
「ペルシャの王子は運つたなく、月が昇る時、死刑が執行される!」
群衆
「死ね!早く!死だ!死だ!」
だが、怒号に混じるその凶暴な声の中に、少年たちや老人たちの悲鳴が交じる。近衛兵の棒が群衆を打つ。
リュー
「ご老人が倒れています!誰か助けてください!」
そのとき、カラフが父ティムールを見つける。
カラフ
「父上!やっと見つけた!」
父と息子の再会に群衆はざわめき、怒声は悲嘆へと変わる。
ティムール
「お前を探したぞ、息子よ。死んだものと思っておった!」
カラフは涙ながらに父の手に口づけをする。傍らにはリューの姿。彼女の献身は、疲れ果てた王とその息子を支える光となる。
リュー
「御主人さま、私は奴隷女です。しかしあなた様のために耐え、導きます…」
広場では死刑執行人の手下たちが砥石を回し、剣や斧を研ぎ、処刑の準備を続ける。群衆はその音に身を震わせ、恐怖と興奮が入り混じる。
群衆
「銅鑼が鳴らされれば、姫さまのお出ましだ…」
トゥーランドット姫は王宮のバルコニーに姿を現す。群衆は平伏する。彼女の冷たく麗しい姿は、処刑の象徴であり、王子カラフの挑戦の対象でもある。
カラフ
「おお神々しいばかりの美しさ!おお夢よ!」
彼は勇気を奮い立たせ、銅鑼へと駆け寄る。大臣たちピン・ポン・パンが阻むが、カラフの決意は揺るがない。
カラフ
「通してくれ!どんな力も、どんな死も、私を止めることはできぬ!私は彼女を愛する!」
王宮の上空、亡霊たちが舞い降り、姫の姿を求めてさまよう。群衆の声は恐怖と畏敬、期待と絶望が混じる渦となる。
群衆
「おお、若者よ!お赦しを!彼の足取りの何としっかりしていること!」
カラフの情熱、リューの献身、ティムールの嘆き、群衆の動揺、そしてトゥーランドットの冷徹な美しさ。すべてが交錯し、帝都の広場は緊張と恐怖の極みに達する。
銅鑼が三度鳴らされると、群衆の叫びは頂点に達する。カラフは運命に挑む勇者として、王女トゥーランドットと運命の対峙に臨むのだった。
↓Next