2024年6月18日
ID定例ゼミ
ID定例ゼミ
日時:2024年6月18日(火)13:00-14:00
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:8名
発表者:高橋暁子
テーマ:対話型鑑賞:美的発達段階とVisual Thinking Strategies
紹介した論文:Abigail Housen (2007) Æsthetic Thought, Critical Thinking and Transfer. Arts and Learning Research Journal, Vol. 18, No. 1, 2001-2002, pp.99-132
今回のテーマは「対話型鑑賞」です。対話型鑑賞はアートの鑑賞法の1つだと思っていたのですが、知り合いからおすすめされたNPO法人芸術資源開発機構(ARDA)対話型鑑賞ファシリテータ養成講座 2024年ベーシックコースを受講し、そうではなかったことに気づかされ、今回のテーマに取り上げました。
対話型鑑賞のもっとも基本的な手法がVTS(Visual Thinking Strategies)で、今回紹介した論文の執筆者のHousenはVTSの開発者の一人です。VTSはもともと、美的理解、つまり芸術を鑑賞する際に生じるさまざまな思考や感情を発達させるために考案された美術鑑賞プログラムです。しかし、本研究ではVTSによってクリティカルシンキングのスキルも向上することが示されていました。
参加者同士のディスカッションでは、アートを理解する力とクリティカルシンキングとの関係性やVTSではなぜ美術史的なことを教えないのかなどについて議論をしました。美的理解とは何かを定義し、その目標に向かって力を伸ばすために綿密に設計されたVTSは、インストラクショナルデザインと言えるのではないかと思いました。
詳細は勉強会のレジュメをご参照ください。
注記:VTSは、Housenらが設立したアメリカの非営利団体VUE(Visual Understanding in Education)が商標登録をしています。VTSに関する情報は以下のサイトが詳しいです。
文責:第22回担当 高橋暁子
詳細は勉強会のレジュメをご参照ください。