2024年4月22

ID定例ゼミ

日時:2024年4月22日()10:30-11:30
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:7
発表者:甲斐晶子

テーマ:一回、整理しとこ!自己主導型学習

紹介した論文:Brandt, W. C. (2020). Measuring student success skills: A review of the literature on self-direction. Dover, NH: National Center for the Improvement of Educational Assessment.


記念すべき第20回(と気づかず参加していたのですが)は、「オートノミー」を発揮し「自己主導」して「自己調整」を行う究極の学習者中心の学びである「自己主導型学習(Self-directed Learning: SDL)」をテーマとしました。


レビューした論文は、複数分野にわたる文献を総合し、「Self-Regulation(自己調整)」「Self-Determined Learning(自己決定型学習)」といった関連語との区別をしながらSDLの概念を体系的に説明したうえで、教授設計や評価に関する先行研究成果を整理し、評価の設計および使用時の方針が提案されていました。


今回の参加者は、SDLやSRLを題材に博士論文を執筆した研究者が過半数を占めており、議論は専門的かつ深いものとなりました。本論文には、SDLが持つ4つの側面とその下位区分を整理した表、およびSDLの連続的な段階の指標等が示されており、その内容は非常に理解しやすいものでありましたが、一方で、分類方法に対する疑問も提起され、これが筆者の主張に対する理解を深める契機となりました。また、SDLが汎用性のある(他分野に転移可能な)スキルなのか、SDLが測定すべきものであるかについても、議論が交わされ、SDLの実践的な指導と評価に関する理解を深める上で非常に有益な場となりました。


文責:第20回担当 甲斐晶子


詳細は勉強会のレジュメをご参照ください。

20240423_定例ゼミレジュメ(甲斐).pdf