2022年7月27日

ID定例ゼミ

日時:2022年7月27日(水)13:00-13:50
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:9名

テーマ:「
動機付けとエンゲージメント
発表者:市川尚

第6回の題材は「動機付けとエンゲージメント」でした。AECTの教育工学ハンドブック第5版の冒頭から、動機付けとエンゲージメントの研究動向が整理されている章を取り上げました。

動機付け(Motivation)は,ある活動に取り組む意思の程度、エンゲージメント(Engagement)は、ある活動への積極的な参加と定義されます。評価の動向については、自己報告、行動測定、他者評価、生理学的データの4つの手法が提示されていました。また、IDにおいて動機付けとエンゲージメントの双方を高めていくことを考えるモデルとして、JonesによるMUSICモデルが紹介されていました。

MUSICモデルは、エンパワーメント(eMpowerment,学習者が自分で学習の方向性を決められる)、有用性(Usefulness,自分にとって役立つと思える)、成功(Success,成功できると信じられる)、関心(Interest,関心がもてる)、ケアリング(Caring,教員や他の学習者と良好な関係を築ける)の5つの方略から構成されています。

当日は、ARCSモデルとの違いなどが話題になり、MUSICモデルは特にケアリング方略が特徴的と言えるのではないか、などの議論がなされました。

<参考文献>
Jones, B. D. (2020). Motivating and engaging students using educational technologies. In M.J. Bishop, E. Boling, J. Elen, & V. Svihla (Eds.), Handbook of Research in Educational Communications and Technology (Fifth edition), pp. 9-35, Springer.

(文責:市川尚)


詳細は勉強会のレジメをご参照ください。

20220727_レジュメ(市川).pdf