2023年1221

ID定例ゼミ

日時:2023年1221日(木)12:00-13:00
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:6名
発表者:石川奈保子

テーマ:オンライン授業研究レビューVol.4

第17回は、オンライン授業研究レビュー第4弾でした。1回目(2021年7月)、2回目(2022年4月)のレビュー時は紀要論文が圧倒的に多かったのに対し、学会論文誌への掲載論文も増えてきました。そこで今回は、2022年から2023年に学術論文誌に採録されたオンライン授業に関する論文の傾向を紹介しました。

レビュー対象となった論文は40編(2022年17編、2023年19編、早期公開中4編)でした。掲載雑誌は情報系、教育工学系、医療系に限られ、教育工学会論文誌がもっとも多く17編ありました。特に多かった内容は、「学生の学習行動」が8編、「ツール開発・評価」、「授業設計」が6編ずつでした。気になった論文として、オンライン授業について教育心理学の視点から解説している島田(2022)、音声によるインタラクション機能を利用することでの学生の参画度向上を検討した馬場(2022)、同時双方向オンラインでの看護技術実習においてどのような内容ならオンラインでも可能かを検討した二宮ほか(2022)を紹介しました。

ディスカッションでは、オンライン授業のどの形態に関する研究が多かったか、今後のオンライン授業研究をどのように予想するか、といった質問がありました。また、所属大学でのオンライン活用の現況、授業内でのコミュニケーション・ルールの必要性などが議論されました。

対面授業にほぼ戻った大学においてどのようにオンラインが活用されていくのか、引き続き注視していこうと思います。

紹介した文献:
・島田英昭(2022)ICT時代の大学授業―教育心理学に基づく理論と実践―.知能と情報(日本知能情報ファジイ学会誌),34(2):46-54
・馬場哲晃(2022)学習者の匿名音声干渉を利用したオンライン授業の実施と考察.情報処理学会論文誌,63(11):1585–1594
・二宮早苗, 川北敬美, 土肥美子, 赤崎芙美, 宮島多映子(2022)同時双方向型オンライン授業による採血の基礎看護技術演習の試みと今後の課題.日本シミュレーション医療教育学会雑誌,10:64-69

(文責:石川奈保子)


詳細は勉強会のレジメをご参照ください。

20231221_定例ゼミレジュメ(石川).pdf