読書は時空を越えることができます。
合ったことがない歴史上の人物と出合い,見たことがない未来や宇宙,深海を見ることができます。
また,体験したことがない冒険や恋愛も経験できるのです。
1冊の本との出合いが人生を変えることもあります。人生観を広げ,深めることができます。
そんな本との出合いのきっかけをつくるために,このページ「こんな本と出合ってきた」をつくりました。
この中の1冊が,あなたにとって素晴らしい出合いになることを願っています。
図書室本33冊目です。
最近は、家人より1時間早く起きて、居間でコーヒーを飲みながら本を読むことをルーティンにしています。
冬休みに読もうと思って図書室から3冊の本を借りましたが、その2冊目です。
突然、人魚姫を探すために銀座に現れた王子様。
彼との出会いで人生を見つめなおす5人の心温まる物語です。
伏線が回収されていく構成が見事でした。
来週から学校が始まりますので、あと1冊を何とか読み終わろうと思います。
(2026年1月)
図書室本34冊目です。
冬休みに図書室から借りた本は3冊ですが、すべて読破しました。
2025年の本屋大賞にノミネートされました。
自分と同じ顔の死体と出合った医者が仲間と共にその謎を追っていく医療ミステリーです。
作者が医者ということもあり、医学的な描写が上手く専門的なこともわかりやすく説明されていました。
未来にはこんな事件が起こるかもしれないと思わせるような内容でした。
探偵役の医師、城崎響介はシリーズ化されていますので、機会があれば読んでみようと思います。
3学期も図書室から積極的に本を借りて読みたいと思います。
(2026年1月)
図書室本35冊目です。
衝撃的な内容でした。
私が教師だから衝撃度も大きかったのかもしれません。
人は誰もが心の中に闇(陰)を持って生きています。
普通の人は、その闇(陰)を外に出さずに生きているのです。
しかし、この本の登場人物たちは、ある事件がきっかけとなり、自分の闇(陰)の部分を告白という形で表出させていきます。
それが、衝撃的な結末へと向かいます。
読み終えた時、子育てにおける母性について考えてしまいました。
松たか子さん主演で映画化もされた話題作でしたが、今まで読まずに通り過ぎてきた本でした。
これをきっかけにして、話題になりすぎて通り過ぎてきた本を読んでみようと思います。
とりあえず、今日、図書室から新たに3冊借りてきましたので、ゆっくり読もうと思います。
(2026年1月)
図書室本36冊目です。
「キケン」とは、機械制御研究部の略称です。(機研=キケン)
一歩間違えば逮捕されるような、爆破行為などキケンな実験を研究している、理系男子の熱い青春物語です。
男臭い話かと言えば、そうではありません。
大学生につきものである、恋愛、大学祭、コンテストなどのエピソードが描かれています。
大人になったキケン部の彼らが、青春時代を振り返る物語でもあります。
アニメにすれば、迫力がありおもしろそうです。
(2026年1月)
図書室本37冊目です。
昭和~平成~令和という時代を背景にして、高校生から大人になっていく青春小説です。
様々な人物と様々な思いとエピソードを犬のコーシローがつないでいきます。
懐かしさと爽やかさがあふれ、そして心温まるラストへ。
素敵なプチ大河小説でした。
(2026年1月)
図書室本38冊目です。
エスキースとは、油絵を描くための構想絵(下絵)だそうです。
読み終えるとこのタイトルの意味が分かり、感動しました。
オーストラリアに住む若手画家が描いた1枚のエスキースが5つの愛をつないでいきます。
上手い構成で最後には大きな感動が待っています。
青山さんは「お探し物は図書室まで」を読んだ時に、構成がうまい作家だとはわかっていましたので、この本もとても楽しみにしていました。
その期待通りの作品でした。
2022年本屋大賞2位は伊達ではありませんでした。
(2026年1月)
図書室本39冊目です。
6つの短編が収録されています。
同じ作家さんが書いたとは思えないほど、各編、新鮮な気持ちで読むことができました。
人ぞれぞれがもつ自分の世界、その中で、悩み、苦しみ、悲しみ生きています。
そして、光が射します。
6編の中で、一番良かったのは「魔王の帰還」でした。
他の話とは全く違う風合いですが、なかなか面白く、最後は爽やかな感動を与えてくれます。
一穂さんの次回作を楽しみにしています。
(2026年1月記)
図書室本40冊目です。
テレビをほとんど見なくなりましたので、時間が増えました。
もちろん、定年退職して、社会科の授業以外の仕事はしなくなったこともあります。
逆に言えば、現役教師は、担当教科の授業以外の仕事が非常に多いということです。
生徒指導、学級の仕事、部活指導、校務分掌の仕事などです。
ということで、空いた時間を読書に使うことが多くなり、図書室で借りた本を次々と読んでいるのです。
今回は、以前「カラフル」を読んで興味を持った作家である森絵都さんの本を読みました。
最初は、何だか「ちびまる子ちゃん」のような懐かしさが漂う話かなと思っていましたが、読み進めるうちに、ちょっとおだやかでなくなる展開になります。
主人公である紀子の心情が細やかに表現されています。
少女が大人になっていく物語と同時に家族の物語でもあります。
「永遠の出口」というのは、大人になるということかもしれません。
(2026年1月記)
図書室本41冊目です。
科学の知識を取り入れながら、心温まるストーリーを展開させる伊与原ワールド全開の本でした。
5つの短編が収録されていますが、一番良かったのは「玻璃を拾う」です。
この中で、「珪藻アート」が紹介されています。
顕微鏡でしか見れない、珪藻という藻を並べて作る芸術作品です。
読み終わってすぐにネットの画像で見ましたが、すごいの一言です。
万華鏡のように見えるミクロの芸術をつくる人がいることに驚きました。
このような知らなかった科学の世界を紹介しながら、感動的なストーリーに仕上げる伊与原作品をこれからも読んでいこうと思いました。
(2026年1月記)
図書室本42冊目です。
月を題材にした2つの短編と1つの中編が収録されています。
何と言っても中編の「残月記」に圧倒されました。
こんなことがベースになっている、愛の物語だと思います。
①満月になると犯罪が増える(都市伝説)
②満月になると血液が沸騰する(非科学的)
③狼男伝説
④コロナ感染拡大
⑤ローマ時代の剣闘士
⑥江戸時代前期の僧であり仏師である円空
⑦ファシズム
⑧聖書
※後で調べてみるとコロナ感染拡大以前に書かれたので、④は間違いです。
著者の想像力と圧倒的筆力に驚かされます。
筒井康隆の世界に通じるものがあるように感じました。
また、短編「そして月がふりかえる」は恐怖を感じました。
読んだその夜、自分が同じような体験をする夢を見ました。
あまりにもリアルで恐ろしかったので、次の日に妻に夢の話をしたぐらいです。
小田雅久仁という作家の恐ろしさを知った1冊です。
そういえば、昨夜(2月2日)は「スノームーン」という満月でした。
(2026年2月)
図書室本43冊目です。
世界の様々な場所で起こる殺人事件の謎を解く、日本人青年。
砂漠やアマゾン奥地で殺人事件が起きるという発想がすごいです。
閉鎖された空間ですから、密室でもあります。
それらの舞台の描写力が高く、一気に引き込まれます。
短編にしておくには、もったいない設定だと思いました。
今後の作品に注目したい作家さんでした。
(2026年2月)
図書室本44冊目です。
部活動に青春をかける高校生の熱い物語です。
と言っても、スポーツ系や吹奏楽ではありません。
舞台は放送部です。
目のつけどころがいいですね。さすが湊かなえさんです。
全国高校生放送コンテストに向けて部員たちの青春がほとばしります。
こんな文科系青春小説がもっと世に出てくればいいと思います。
(2026年2月)
図書室本45冊目です。
時々、無性に東野圭吾さんの作品を読みたくなります。
随分読んできましたが、昔の作品は未読のものがありますで、ボチボチと読んでいこうと思います。
「卒業」は、加賀恭一郎のデビュー作品ということで借りました。
ガリレオもいいですが、加賀恭一郎が登場する作品が好きです。
大学生の加賀が謎を解いていくミステリーですが、なかなか面白かったです。
加賀が刑事になるだろうという匂いも漂わせていました。
トリック的にはガリレオかなとも思います。
(2026年2月)
図書室本46冊目です。
出版業界の裏舞台を描いたスリリングな企業小説です。
映画では大泉洋さんが主役をしていたそうですが、本の主人公と重なりませんでした。
本の主人公は、もっとシャープな感じでした。
しかし、内容はとても面白く、最後のどんでん返しに驚きました。
後半は、何となく映画「砂の器」を思い出しました。
現勤校での時間も残り少なくなってきました。
あと数冊は、図書室から本を借りて読んでいこうと思います。
(2026年2月)
図書室本47冊目です。
道徳授業を創れるかもしれないと思い、借りて読みました。
結論から言えば、道徳授業を創るのは難しかったです。
人生の途中で大きなマイナスに遭遇した普通の人々が、挫折、苦労、悩み、迷いながらも生きつづけている姿を追ったノンフィクションです。
彼らは、その大きなマイナスを乗り越えプラスにしていったのではなく、おそらくゼロに近づけようと努力した人々なのだと思います。
読み終わって、幸福な人生とは何だろうかと考えました。
しかし、この内容をジュニア新書で出す岩波書店さんは、すごいと思います。
(2026年2月)
本巻では、ジャズコンペで優勝したダイのさらなる挑戦と成長が描かれています。
そして、何よりも仲間の成長も。
「何をやるかではなく、誰とやるか」
今回も、なかなかいい言葉と出合いました。
(2026年3月)
以前読んだ「バタン島漂流記」がとても面白かったので、購入し読んでみました。
主人公は、江戸時代の探検家である最上徳内です。
昔から、探検、冒険、漂流、登山、遭難関係の本を読み漁ってきましたので、こちらも興味を持ちました。
予想したのは、蝦夷地の人間の進入を拒む厳しい自然の中で、徳内が探検をしていくという物語でした。
しかし、そんな場面はほとんど出てきませんでした。
それでも、とても面白く感動の1冊となりました。
描かれているのは、
徳内とアイヌの友情と忠義です。
マンガ「ゴールデンカムイ」の作者である野田サトルさんがアイヌに取材をした際にこんなことを言われたそうです。
「アイヌについて偏見をもたずに本当のことを書いてほしい。」
この小説もアイヌに対する偏見を払拭するような内容となっています。
現在、授業で使っている中学校の教科書には、文中に間宮林蔵の名前はでてきますが、最上徳内は地図中の探検ルートの説明で出てくるぐらいです。
ですから、最上徳内について詳しく教材研究し、授業で説明する教師はほとんどいないと思います。
これでは、歴史の面白さ、日本人のすごさと素晴らしさは伝えられません。
何よりも、歴史の授業をドラマチックに展開することはできないのです。
たかが小説ですが、社会科教師にとっては、大切な栄養分となるものなのです。
西條奈加さんの本をこれからも注目していきたいと思います。
書名「「六つの村を越えて髭をなびかせる者」とは、誰のことか知りたくなった方は、是非、読んでみてください。
(2026年3月)
今まで、数多くの冒険家、登山家の本を読んできました。
植村直己、栗城史多(のぶかず)、田部井淳子、竹内洋岳(ひろたか)、野口健、長谷川恒男、山野井泰史などです。
さて、この本の著者である石川直樹さんの肩書は登山家ではなく写真家となっています。
そのことで、他の登山家たちと違う描写をしていることを感じます。
命を落とすかもしれない極限状態の描写は、他の登山家と同じぐらいと緊迫感と臨場感があります。
しかし、石川さんの本は、自分以外の人物に対する思いが伝わってくるのです。
それは、一緒に頂上を目指すシェルパに対する思いです。
シェルパの家族に対する思いです。
23年間をかけて世界の14座(8000mを越える山)をすべて登頂した記録である本書は、そういったシェルパやその家族に対する感謝の気持ちを込めたものだと感じました。
昨年11月17日にNHKで放送された「NHKスペシャル 8000mで見た生と死 ~写真家 石川直樹の記録~」をもう一度見てみると違った見方ができると思います。
先ほど、石川さんの本を2冊注文しましたので、こちらも楽しみです。
(2026年4月)
前作の「旅のつばくろ」が面白かったので、続編である本書を買ってみました。
有名な「深夜特急」は海外の旅でしたが、「旅のつばくろ」は国内の旅エッセイです。
20代前半に、青春18きっぷを使って東北旅行をしたことがあります。
盛岡までは新幹線を使いましたが、花巻、石巻、角館、秋田、青森などへは在来線を使いました。
秋田行きの在来線に乗っていると、孫を連れたおばあさんからミカンをもらったこともあります。
青森の弁当屋では、佐世保から来たと言ったところ、ご飯を大盛にしてくれました。
この本にも、沢木さんが旅の途中で体験した心温まるエピソードが紹介されていて、ページをめくるたびに、懐かしい気持ちになりました。
そして、再び、のんびりとした国内旅行に行きたい気持ちが高まりました。
(2026年4月)
図書室本48・49・50冊目です。
道徳のセミナーで2人の先生が使用されていましたので、借りてきました。
読みながら、{あるある」「そうそう」「わかるぅ」と声を出しそうになりました。
本当に人生はピンチの連続だということがわかります。
大切なことは、ピンチから学び、同じようなピンチが訪れた時に、それを乗り越えることなのです。
作者の鈴木さんは、こんなことを書いています。
〈引用始まり〉
大ピンチを しれば いつ 大ピンチに なってもこわくない
大ピンチの りゆうを しれば いつ 大ピンチに なっても こわくない
〈引用終わり〉
この本を読み終わった時、教師人生40年間で遭遇した大ピンチとは何だろうかと考えました。
(2026年4月)
図書室本51冊目です。
いくつもの人生が交錯し、ラストには感動が待っているミステリーです。
ミステリーですが、殺人事件が起きるわけではありません。
主人公の悲しい過去が事件とつながっている重厚な内容となっています。
伏線回収も見事です。
松本清張の「砂の器」を彷彿させる心揺さぶるストーリーです。
(2026年4月)
図書室本52冊目です。
登山素人の女子高生3人が1712メートルの山に登り、下山途中で道に迷ってしまいます。
遭難者となった3人が救出されるまでの6日間を描いた小説です。
登山に関する専門用語も少なく、ルビも打ってあるので小学生でもスラスラ読めます。
3人の家族や心理描写が細かく描いてありますので、中学生でも感情移入しやすいと思います。
おまけのページに「山で遭難しないために」という専門家の解説もありますので、これも参考になります。
読後、サンダルや軽装で富士山登山にやってくる人たちのニュースを思い出しました。
併せて「山はおそろしい~必ず生きて帰る!事故から学ぶ山岳遭難~」(羽田治 幻冬舎新書)を読むことをおススメします。
(2026年5月)
カナダ、アラスカ、ノルウェー、グリーンランドなど極北地域への旅や二度にわたるデナリ(旧マッキンリー)登頂の様子を描いたエッセイです。
今まで読んできた、植村直己さん、星野道夫さん、野田知佑さん、椎名誠さんが石川さんを介して一本の糸で結ばれました。
極北の地で暮らす人々の様子を知れば知るほど、便利な生活に浸りきっている我々は、生物としての「生命力」が本当に衰えているんだろうなと感じました。
スマホやタブレットがなくても生きていける力を本当の意味で「生きる力」というんだろうと思います。
(2026年5月)
図書室本53冊目です。
表紙を開けた瞬間、初めて読まれたような感触が伝わってきました。
おそらく、借りた生徒は一人もいないのでしょう。
さて、この本の内容です。
6人の「喪失」と「希望」を描いた短編連作集ですが、ラストに光が見えました。
暗く重い話が多いですが、「予約3」のよっちゃんの話が好きでした。
表紙を開けるとこの本の受入日が書いてありました。
平成24年2月29日
14年間、この本は図書室の書架で静かに誰かを待っていたのでしょう。
中には、誰にも借りられずに廃棄されていく本もあると思います。
そう考えると、本との出会いは運命的なものだと思いました。
新しい出会いを求めて、明日も図書室へ行きます。
(2026年5月)
3年ぶりの新刊です。
元々は両親が北海道で酪農をされていて、酪農に関する面白エピソードをマンガにした「酪農マンガ」でした。
しかし、酪農をやめてジャガイモやトウモロコシをつくる農家になったということで、「農業マンガ」にシフトチェンジされました。
今回も、農業に関する知らない情報が満載です。
今までもそうでしたが、今回も社会科の授業のネタとして使いたくなる面白情報がありました。
例えば、
日本で飼育されているブタの種類
インドの牛と水牛の違い
酪農ヘルパー会社
岩手県にある牛の博物館
など。
思わず生徒に話したくなります。
(2026年5月)
博物学者であり奇人として有名な南方熊楠の人生を描いた感動作でした。
33歳の夏(1995年7月30日から8月2日)友人2人と南紀・熊野古道・那智の滝などを旅行したことがあります。(旅程メモやチケットやパンフレットが残っていましたので詳しいことが書けました)
その旅行の1日目に南紀白浜に行きました。JR白浜駅に着いたのは15時過ぎでした。宿に行くには早い時間でしたから、海岸にある崎の湯(その頃は、建物はなく周りから丸見えの温泉)に入り、その足で「南方熊楠記念館」に行きました。
熊楠に関しては、名前程度しか知りませんでしたから、ついでに立ち寄ったという感じでした。
その博物館で初めて粘菌という生き物を知りました。
さて、ネットで本を物色してた時に、好きな作家のひとりである岩井圭也さんが、熊楠についての本を書いたことを知りました。また、直木賞の候補作品にもなったということで買って読むことにしました。
稀代の奇人ですから、難しい内容だと覚悟して読み始めました。
結果、とても読みやすく、熊楠の人生が分かりやすくしかも感動的に描かれていました。
最後の1行を読みながら頭の中に「千の風になって」が流れてきました。
熊楠の学びの目的について、こんな描写があります。
〈引用始まり〉
己は何者か。その謎に応えるための術が、自然と浮かび上がってきた。すなわち、我を知るためには世界を知ればよい。世界を知り尽くせば、己の正体もおのずと浮かび上がる。熊楠は、なぜ自分が世界に関する知識を欲するのか、おぼろげながら理解しはじめた。詰まるとこ、我は我のことが知りたいのや。
〈引用終わり〉
さすが知の巨人です。映画化されてもいい物語でした。
(2026年5月)