読書は時空を越えることができます。
合ったことがない歴史上の人物と出合い,見たことがない未来や宇宙,深海を見ることができます。
また,体験したことがない冒険や恋愛も経験できるのです。
1冊の本との出合いが人生を変えることもあります。人生観を広げ,深めることができます。
そんな本との出合いのきっかけをつくるために,このページ「こんな本と出合ってきた」をつくりました。
この中の1冊が,あなたにとって素晴らしい出合いになることを願っています。
図書室本33冊目です。
最近は、家人より1時間早く起きて、居間でコーヒーを飲みながら本を読むことをルーティンにしています。
冬休みに読もうと思って図書室から3冊の本を借りましたが、その2冊目です。
突然、人魚姫を探すために銀座に現れた王子様。
彼との出会いで人生を見つめなおす5人の心温まる物語です。
伏線が回収されていく構成が見事でした。
来週から学校が始まりますので、あと1冊を何とか読み終わろうと思います。
(2026年1月)
図書室本34冊目です。
冬休みに図書室から借りた本は3冊ですが、すべて読破しました。
2025年の本屋大賞にノミネートされました。
自分と同じ顔の死体と出合った医者が仲間と共にその謎を追っていく医療ミステリーです。
作者が医者ということもあり、医学的な描写が上手く専門的なこともわかりやすく説明されていました。
未来にはこんな事件が起こるかもしれないと思わせるような内容でした。
探偵役の医師、城崎響介はシリーズ化されていますので、機会があれば読んでみようと思います。
3学期も図書室から積極的に本を借りて読みたいと思います。
(2026年1月)
図書室本35冊目です。
衝撃的な内容でした。
私が教師だから衝撃度も大きかったのかもしれません。
人は誰もが心の中に闇(陰)を持って生きています。
普通の人は、その闇(陰)を外に出さずに生きているのです。
しかし、この本の登場人物たちは、ある事件がきっかけとなり、自分の闇(陰)の部分を告白という形で表出させていきます。
それが、衝撃的な結末へと向かいます。
読み終えた時、子育てにおける母性について考えてしまいました。
松たか子さん主演で映画化もされた話題作でしたが、今まで読まずに通り過ぎてきた本でした。
これをきっかけにして、話題になりすぎて通り過ぎてきた本を読んでみようと思います。
とりあえず、今日、図書室から新たに3冊借りてきましたので、ゆっくり読もうと思います。
(2026年1月)
図書室本36冊目です。
「キケン」とは、機械制御研究部の略称です。(機研=キケン)
一歩間違えば逮捕されるような、爆破行為などキケンな実験を研究している、理系男子の熱い青春物語です。
男臭い話かと言えば、そうではありません。
大学生につきものである、恋愛、大学祭、コンテストなどのエピソードが描かれています。
大人になったキケン部の彼らが、青春時代を振り返る物語でもあります。
アニメにすれば、迫力がありおもしろそうです。
(2026年1月)
図書室本37冊目です。
昭和~平成~令和という時代を背景にして、高校生から大人になっていく青春小説です。
様々な人物と様々な思いとエピソードを犬のコーシローがつないでいきます。
懐かしさと爽やかさがあふれ、そして心温まるラストへ。
素敵なプチ大河小説でした。
(2026年1月)
図書室本38冊目です。
エスキースとは、油絵を描くための構想絵(下絵)だそうです。
読み終えるとこのタイトルの意味が分かり、感動しました。
オーストラリアに住む若手画家が描いた1枚のエスキースが5つの愛をつないでいきます。
上手い構成で最後には大きな感動が待っています。
青山さんは「お探し物は図書室まで」を読んだ時に、構成がうまい作家だとはわかっていましたので、この本もとても楽しみにしていました。
その期待通りの作品でした。
2022年本屋大賞2位は伊達ではありませんでした。
(2026年1月)
図書室本39冊目です。
6つの短編が収録されています。
同じ作家さんが書いたとは思えないほど、各編、新鮮な気持ちで読むことができました。
人ぞれぞれがもつ自分の世界、その中で、悩み、苦しみ、悲しみ生きています。
そして、光が射します。
6編の中で、一番良かったのは「魔王の帰還」でした。
他の話とは全く違う風合いですが、なかなか面白く、最後は爽やかな感動を与えてくれます。
一穂さんの次回作を楽しみにしています。
(2026年1月記)
図書室本40冊目です。
テレビをほとんど見なくなりましたので、時間が増えました。
もちろん、定年退職して、社会科の授業以外の仕事はしなくなったこともあります。
逆に言えば、現役教師は、担当教科の授業以外の仕事が非常に多いということです。
生徒指導、学級の仕事、部活指導、校務分掌の仕事などです。
ということで、空いた時間を読書に使うことが多くなり、図書室で借りた本を次々と読んでいるのです。
今回は、以前「カラフル」を読んで興味を持った作家である森絵都さんの本を読みました。
最初は、何だか「ちびまる子ちゃん」のような懐かしさが漂う話かなと思っていましたが、読み進めるうちに、ちょっとおだやかでなくなる展開になります。
主人公である紀子の心情が細やかに表現されています。
少女が大人になっていく物語と同時に家族の物語でもあります。
「永遠の出口」というのは、大人になるということかもしれません。
(2026年1月記)
図書室本41冊目です。
科学の知識を取り入れながら、心温まるストーリーを展開させる伊与原ワールド全開の本でした。
5つの短編が収録されていますが、一番良かったのは「玻璃を拾う」です。
この中で、「珪藻アート」が紹介されています。
顕微鏡でしか見れない、珪藻という藻を並べて作る芸術作品です。
読み終わってすぐにネットの画像で見ましたが、すごいの一言です。
万華鏡のように見えるミクロの芸術をつくる人がいることに驚きました。
このような知らなかった科学の世界を紹介しながら、感動的なストーリーに仕上げる伊与原作品をこれからも読んでいこうと思いました。
(2026年1月記)
図書室本42冊目です。
月を題材にした2つの短編と1つの中編が収録されています。
何と言っても中編の「残月記」に圧倒されました。
こんなことがベースになっている、愛の物語だと思います。
①満月になると犯罪が増える(都市伝説)
②満月になると血液が沸騰する(非科学的)
③狼男伝説
④コロナ感染拡大
⑤ローマ時代の剣闘士
⑥江戸時代前期の僧であり仏師である円空
⑦ファシズム
⑧聖書
※後で調べてみるとコロナ感染拡大以前に書かれたので、④は間違いです。
著者の想像力と圧倒的筆力に驚かされます。
筒井康隆の世界に通じるものがあるように感じました。
また、短編「そして月がふりかえる」は恐怖を感じました。
読んだその夜、自分が同じような体験をする夢を見ました。
あまりにもリアルで恐ろしかったので、次の日に妻に夢の話をしたぐらいです。
小田雅久仁という作家の恐ろしさを知った1冊です。
そういえば、昨夜(2月2日)は「スノームーン」という満月でした。
(2026年2月)
図書室本43冊目です。
世界の様々な場所で起こる殺人事件の謎を解く、日本人青年。
砂漠やアマゾン奥地で殺人事件が起きるという発想がすごいです。
閉鎖された空間ですから、密室でもあります。
それらの舞台の描写力が高く、一気に引き込まれます。
短編にしておくには、もったいない設定だと思いました。
今後の作品に注目したい作家さんでした。
(2026年2月)
図書室本44冊目です。
部活動に青春をかける高校生の熱い物語です。
と言っても、スポーツ系や吹奏楽ではありません。
舞台は放送部です。
目のつけどころがいいですね。さすが湊かなえさんです。
全国高校生放送コンテストに向けて部員たちの青春がほとばしります。
こんな文科系青春小説がもっと世に出てくればいいと思います。
(2026年2月)
図書室本45冊目です。
時々、無性に東野圭吾さんの作品を読みたくなります。
随分読んできましたが、昔の作品は未読のものがありますで、ボチボチと読んでいこうと思います。
「卒業」は、加賀恭一郎のデビュー作品ということで借りました。
ガリレオもいいですが、加賀恭一郎が登場する作品が好きです。
大学生の加賀が謎を解いていくミステリーですが、なかなか面白かったです。
加賀が刑事になるだろうという匂いも漂わせていました。
トリック的にはガリレオかなとも思います。
(2026年2月)
図書室本46冊目です。
出版業界の裏舞台を描いたスリリングな企業小説です。
映画では大泉洋さんが主役をしていたそうですが、本の主人公と重なりませんでした。
本の主人公は、もっとシャープな感じでした。
しかし、内容はとても面白く、最後のどんでん返しに驚きました。
後半は、何となく映画「砂の器」を思い出しました。
現勤校での時間も残り少なくなってきました。
あと数冊は、図書室から本を借りて読んでいこうと思います。
(2026年2月)
図書室本47冊目です。
道徳授業を創れるかもしれないと思い、借りて読みました。
結論から言えば、道徳授業を創るのは難しかったです。
人生の途中で大きなマイナスに遭遇した普通の人々が、挫折、苦労、悩み、迷いながらも生きつづけている姿を追ったノンフィクションです。
彼らは、その大きなマイナスを乗り越えプラスにしていったのではなく、おそらくゼロに近づけようと努力した人々なのだと思います。
読み終わって、幸福な人生とは何だろうかと考えました。
しかし、この内容をジュニア新書で出す岩波書店さんは、すごいと思います。
(2026年2月)
本巻では、ジャズコンペで優勝したダイのさらなる挑戦と成長が描かれています。
そして、何よりも仲間の成長も。
「何をやるかではなく、誰とやるか」
今回も、なかなかいい言葉と出合いました。
(2026年3月)
以前読んだ「バタン島漂流記」がとても面白かったので、購入し読んでみました。
主人公は、江戸時代の探検家である最上徳内です。
昔から、探検、冒険、漂流、登山、遭難関係の本を読み漁ってきましたので、こちらも興味を持ちました。
予想したのは、蝦夷地の人間の進入を拒む厳しい自然の中で、徳内が探検をしていくという物語でした。
しかし、そんな場面はほとんど出てきませんでした。
それでも、とても面白く感動の1冊となりました。
描かれているのは、
徳内とアイヌの友情と忠義です。
マンガ「ゴールデンカムイ」の作者である野田サトルさんがアイヌに取材をした際にこんなことを言われたそうです。
「アイヌについて偏見をもたずに本当のことを書いてほしい。」
この小説もアイヌに対する偏見を払拭するような内容となっています。
現在、授業で使っている中学校の教科書には、文中に間宮林蔵の名前はでてきますが、最上徳内は地図中の探検ルートの説明で出てくるぐらいです。
ですから、最上徳内について詳しく教材研究し、授業で説明する教師はほとんどいないと思います。
これでは、歴史の面白さ、日本人のすごさと素晴らしさは伝えられません。
何よりも、歴史の授業をドラマチックに展開することはできないのです。
たかが小説ですが、社会科教師にとっては、大切な栄養分となるものなのです。
西條奈加さんの本をこれからも注目していきたいと思います。
書名「「六つの村を越えて髭をなびかせる者」とは、誰のことか知りたくなった方は、是非、読んでみてください。
(2026年3月)
今まで、数多くの冒険家、登山家の本を読んできました。
植村直己、栗城史多(のぶかず)、田部井淳子、竹内洋岳(ひろたか)、野口健、長谷川恒男、山野井泰史などです。
さて、この本の著者である石川直樹さんの肩書は登山家ではなく写真家となっています。
そのことで、他の登山家たちと違う描写をしていることを感じます。
命を落とすかもしれない極限状態の描写は、他の登山家と同じぐらいと緊迫感と臨場感があります。
しかし、石川さんの本は、自分以外の人物に対する思いが伝わってくるのです。
それは、一緒に頂上を目指すシェルパに対する思いです。
シェルパの家族に対する思いです。
23年間をかけて世界の14座(8000mを越える山)をすべて登頂した記録である本書は、そういったシェルパやその家族に対する感謝の気持ちを込めたものだと感じました。
昨年11月17日にNHKで放送された「NHKスペシャル 8000mで見た生と死 ~写真家 石川直樹の記録~」をもう一度見てみると違った見方ができると思います。
先ほど、石川さんの本を2冊注文しましたので、こちらも楽しみです。
(2026年4月)
前作の「旅のつばくろ」が面白かったので、続編である本書を買ってみました。
有名な「深夜特急」は海外の旅でしたが、「旅のつばくろ」は国内の旅エッセイです。
20代前半に、青春18きっぷを使って東北旅行をしたことがあります。
盛岡までは新幹線を使いましたが、花巻、石巻、角館、秋田、青森などへは在来線を使いました。
秋田行きの在来線に乗っていると、孫を連れたおばあさんからミカンをもらったこともあります。
青森の弁当屋では、佐世保から来たと言ったところ、ご飯を大盛にしてくれました。
この本にも、沢木さんが旅の途中で体験した心温まるエピソードが紹介されていて、ページをめくるたびに、懐かしい気持ちになりました。
そして、再び、のんびりとした国内旅行に行きたい気持ちが高まりました。
(2026年4月)
図書室本48・49・50冊目です。
道徳のセミナーで2人の先生が使用されていましたので、借りてきました。
読みながら、{あるある」「そうそう」「わかるぅ」と声を出しそうになりました。
本当に人生はピンチの連続だということがわかります。
大切なことは、ピンチから学び、同じようなピンチが訪れた時に、それを乗り越えることなのです。
作者の鈴木さんは、こんなことを書いています。
〈引用始まり〉
大ピンチを しれば いつ 大ピンチに なってもこわくない
大ピンチの りゆうを しれば いつ 大ピンチに なっても こわくない
〈引用終わり〉
この本を読み終わった時、教師人生40年間で遭遇した大ピンチとは何だろうかと考えました。
(2026年4月)
図書室本51冊目です。
いくつもの人生が交錯し、ラストには感動が待っているミステリーです。
ミステリーですが、殺人事件が起きるわけではありません。
主人公の悲しい過去が事件とつながっている重厚な内容となっています。
伏線回収も見事です。
松本清張の「砂の器」を彷彿させる心揺さぶるストーリーです。
(2026年4月)
図書室本52冊目です。
登山素人の女子高生3人が1712メートルの山に登り、下山途中で道に迷ってしまいます。
遭難者となった3人が救出されるまでの6日間を描いた小説です。
登山に関する専門用語も少なく、ルビも打ってあるので小学生でもスラスラ読めます。
3人の家族や心理描写が細かく描いてありますので、中学生でも感情移入しやすいと思います。
おまけのページに「山で遭難しないために」という専門家の解説もありますので、これも参考になります。
読後、サンダルや軽装で富士山登山にやってくる人たちのニュースを思い出しました。
併せて「山はおそろしい~必ず生きて帰る!事故から学ぶ山岳遭難~」(羽田治 幻冬舎新書)を読むことをおススメします。
(2026年5月)
カナダ、アラスカ、ノルウェー、グリーンランドなど極北地域への旅や二度にわたるデナリ(旧マッキンリー)登頂の様子を描いたエッセイです。
今まで読んできた、植村直己さん、星野道夫さん、野田知佑さん、椎名誠さんが石川さんを介して一本の糸で結ばれました。
極北の地で暮らす人々の様子を知れば知るほど、便利な生活に浸りきっている我々は、生物としての「生命力」が本当に衰えているんだろうなと感じました。
スマホやタブレットがなくても生きていける力を本当の意味で「生きる力」というんだろうと思います。
(2026年5月)
図書室本53冊目です。
表紙を開けた瞬間、初めて読まれたような感触が伝わってきました。
おそらく、借りた生徒は一人もいないのでしょう。
さて、この本の内容です。
6人の「喪失」と「希望」を描いた短編連作集ですが、ラストに光が見えました。
暗く重い話が多いですが、「予約3」のよっちゃんの話が好きでした。
表紙を開けるとこの本の受入日が書いてありました。
平成24年2月29日
14年間、この本は図書室の書架で静かに誰かを待っていたのでしょう。
中には、誰にも借りられずに廃棄されていく本もあると思います。
そう考えると、本との出会いは運命的なものだと思いました。
新しい出会いを求めて、明日も図書室へ行きます。
(2026年5月)
3年ぶりの新刊です。
元々は両親が北海道で酪農をされていて、酪農に関する面白エピソードをマンガにした「酪農マンガ」でした。
しかし、酪農をやめてジャガイモやトウモロコシをつくる農家になったということで、「農業マンガ」にシフトチェンジされました。
今回も、農業に関する知らない情報が満載です。
今までもそうでしたが、今回も社会科の授業のネタとして使いたくなる面白情報がありました。
例えば、
日本で飼育されているブタの種類
インドの牛と水牛の違い
酪農ヘルパー会社
岩手県にある牛の博物館
など。
思わず生徒に話したくなります。
(2026年5月)
博物学者であり奇人として有名な南方熊楠の人生を描いた感動作でした。
33歳の夏(1995年7月30日から8月2日)友人2人と南紀・熊野古道・那智の滝などを旅行したことがあります。(旅程メモやチケットやパンフレットが残っていましたので詳しいことが書けました)
その旅行の1日目に南紀白浜に行きました。JR白浜駅に着いたのは15時過ぎでした。宿に行くには早い時間でしたから、海岸にある崎の湯(その頃は、建物はなく周りから丸見えの温泉)に入り、その足で「南方熊楠記念館」に行きました。
熊楠に関しては、名前程度しか知りませんでしたから、ついでに立ち寄ったという感じでした。
その博物館で初めて粘菌という生き物を知りました。
さて、ネットで本を物色してた時に、好きな作家のひとりである岩井圭也さんが、熊楠についての本を書いたことを知りました。また、直木賞の候補作品にもなったということで買って読むことにしました。
稀代の奇人ですから、難しい内容だと覚悟して読み始めました。
結果、とても読みやすく、熊楠の人生が分かりやすくしかも感動的に描かれていました。
最後の1行を読みながら頭の中に「千の風になって」が流れてきました。
熊楠の学びの目的について、こんな描写があります。
〈引用始まり〉
己は何者か。その謎に応えるための術が、自然と浮かび上がってきた。すなわち、我を知るためには世界を知ればよい。世界を知り尽くせば、己の正体もおのずと浮かび上がる。熊楠は、なぜ自分が世界に関する知識を欲するのか、おぼろげながら理解しはじめた。詰まるとこ、我は我のことが知りたいのや。
〈引用終わり〉
さすが知の巨人です。映画化されてもいい物語でした。
(2026年5月)
463ページの大作でしたが、文章が読みやすいため、一気に読めました。
太平洋戦争中のサイパンが舞台のスパイ戦を描いています。
しかし、岩井氏が本当に描きたかったのは、生きることの大切さです。
読みながら、「永遠の0(ゼロ)」(百田尚樹 講談社文庫)を思い出しました。
「永遠の0」の宮部久蔵と「楽園の犬」の麻田健吾が重なりました。
麻田健吾の言葉
「死はすべて、死でしかない。美しい死など存在しない」
が心に刺さりました。
読み終わって、表紙を見るとさらに心が震えました。
やはり、岩井圭也はすごいです。
(2026年6月)
主人公は、元警視庁科学捜査研究所で働いていた土門誠です。
彼は、未解決事件を解決する「最後の鑑定人」とよばれています。
科学的なデータを元に冷静な判断で事件を解決していきます。
東野圭吾さんの「ガリレオ」の主人公である湯川学と似ている立ち位置ですが、土門のほうが嫌みがないように感じました。
シリーズ化されているようですから、続編も読んでみようと思います。
(2026年6月)
返還前の香港を舞台に、建築を学ぶ主人公が死亡した中国人の女の子の謎を追っていく物語です。
ミステリーと言えばミステリーですが、多くの青年たち(日本人、中国人、ベトナム人、イギリス人、カナダ人など)の青春が交錯する熱い物語でもあります。
「水よ踊れ」という書名は、ブルースリーの「Be water,my friend」(友よ、水になれ)という言葉がもとになっています。
〈引用始まり〉
心を空にせよ。型を捨て、形をなくせ。水のように
カップにそそげば、カップの形に
ボトルにそそげば、ボトルの形に
ポットにそそげば、ポットの形に
そして水は自在に動き、ときに破壊的な力をも持つ
友よ、水になれ
〈引用終わり〉
水のごとき自由を求める若者たちの青春群像物語でした。
(2026年6月)
図書室本54冊目です。
図書室にようやく入れてもらいました。
シリーズを通して、読後にさわやかな気持ちになれました。
重い悩みや暗い問題を扱っていないからでしょう。
成瀬あかりのまっすぐな生き方に触れた人々が影響を受けて、幸福になっていきます。
最終章を読み終わると、アニメ「母をたずねて三千里」の最終回を思い出しました。
シリーズは完結しましたが、この本と出合えてよかったです。
中学生に是非、読んで欲しい本です。
もし、「中学校図書室大賞」があれば、このシリーズは文句なく大賞受賞です。
(2026年6月)
図書室本55冊目です。
ある宗教団体によって人生を狂わされた男女のラブストーリーです。
ノンフィクションとフィクションが交錯して、伏線を回収しながらラストへ。
設定は重いですが、純愛小説と言ってもいいのかもしれません。
本屋大賞にノミネートされた理由もわかります。
そして、表紙の絵の理由もわかりました。
(2026年7月)
情熱をぶつけあう圧倒的な演奏をライブ録音したファーストアルバムが出来上がりました。
そのアルバムを持って、ライブツアーのためニューヨークを出るカルテット。
留まることを許さない主人公、ダイがどこまで成長するか毎巻楽しみです。
今回は、最後にある事件が起きます。
どうなるか、こちらも楽しみです。
歳と共に忘れかけていた情熱の大切さを教えてくれる熱いマンガです。
(2026年7月)
北海道の水銀鉱脈をめぐる男たちの人生を描いた大河小説です。
主人公は、水銀を体内に取り入れても中毒症状が出ない特異体質の一族「フレシア」の男です。
太平洋戦争、特需景気、水俣病などの歴史を追いながら、「フレシア」の数奇な運命を描いています。
朝の出勤前にぼとぼちと読んでいましたので、時間がかりましたが、読み応えのある一冊でした。
さすが岩井圭也です。
(2026年7月)
正直、アイドルグループ「NEWS」のメンバーである加藤シゲアキの作品を読むことはないだろうと思っていました。
アイドルだから避けていたのかもしれません。
しかし、新聞の書評欄にこの作品のあらすじが紹介されていたのを読んで、すぐに購入しました。
結果、450ページの長編作でしたが一気読みでした。
ISAMU INOMATAと書かれた絵画にまつわる謎を解いていくという筋が中心ですが、昭和から令和までを生きた、一族の数奇な運命と愛と憎悪を描いた大河小説でもあります。
39歳の若さですが、圧倒的な筆力でうならせました。
「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
今まで、加藤シゲアキという作家を避けてきたことを後悔するほど面白い内容でした。
他の作品も絶対に読もうと思います。
(2026年7月)
今まで、この本を読まなかったことを非常に後悔しました。
6つの短編が収録されていますが、どれもF県警強行班の刑事たちが主人公です。
闘争心や自尊心が高くぶつかりあう刑事たちですが、事件解決のための組織としては超一流なのかもしれません。
警察の内情を描いた警察小説ですが、1つ1つの短編が極上のミステリーとなっていますので、推理しながら読むのも面白いと思います。
あまりにも面白かったので、横山秀夫作品を3冊も注文してしまいました。
(2026年7月)
夏休み中は、朝5時すぎにベッドから起き、新聞を取りに行きます。
そして、お湯を沸かして、カフェオレを作ります。
それを飲みながら、新聞を一通り目を通します。
その後、読書をしています。
1時間半ぐらいたつ頃に、妻が起きてきますので、ここで読書を終えます。
このルーティーンを続けています。
さて、久しぶりに岩井さんの本を読みました。
ポエトリーとは、ポエムつまり詩のことです。
生きづらさ、悲しみ、寂しさを抱えた6人が、詩と出合い、生きることの意味を見し、一歩を踏みだす物語です。
まるで、詩が「のりしろ」となって6人の物語をつないでいるようでした。
読んでいるうちに、大学生の頃、立原道造の詩にはまったことを思い出しました。
(2026年8月)
夏ですから、怖い話を読みたくなったのです。
最初は最近出た「珈琲怪談」を読もうと思いましたが、調べてみると、塚崎多聞を主人公とするシリーズものだとわかりました。
時系列で言えば、
「月の裏側」
「不連続の世界」
「珈琲怪談」
となります。
迷った挙句、2番目の作品である「不連続の世界」を買いました。
ホラーとまではいきませんが、ちょっとゾクッとする怪談集です。
5つの短編が収録されていますが、どれも程よくゾクリとします。
特に、「窓をたたく音」や「赤い犬」のエピソードがいい感じで怖かったです。
たなみに、主人公の塚崎多聞ですが、人物像がつかめませんでした。一応、怪異現象を推理(推測)はしますが、すっきりと解決させるわけではありません。
最後の「夜明けのガスパール」で、どんな人物なのか、少し分かる程度です。
昨年読んだ「夜行」(森見登美彦 小学館)の読後感に近いです。
次は、「珈琲怪談」を読もうかなと思います。
(2026年8月)
やはり面白いです。
「動機」
「逆転の夏」
「元ネタ」
「密室の人」
の4篇が収録されていますが、どれも短編にしておくにはもったいない内容です。
ラストまで一気に読ませる構成の見事さとワクワク感がすごいです。
そして、驚きのラストが待っています。
明日には、新しい短編集が届くと思いますので、そちらも楽しみです。
(2026年8月)
横山秀夫にはずれなしです。
今回の主人公は、検視官の倉石義男です。
事件現場に残された微細な違和感に基づいて、真相をあばいていきます。
倉石は、アウトロー的ですが、実は人間味もある魅力的な人物です。
「赤い名刺」
「眼前の密室」
「鉢植えの女」
「餞(はなむけ)」
「声」
「真夜中の調書」
「黒星」
「十七年蝉」
の8つの短編が収録されていますが、最後の「十七年蝉」が一番良かったです。
残り4冊ありますので、とても楽しみです。
(2026年8月)
今回は、警察が主役ではありません。
重い十字架を背負った人々の人生を描いています。
次の5編が収録されています。
「真相」
「18番ホール」
「不眠」
「花輪の海」
「他人の家」
どれも暗く、重い話ですが、「真相」がわかって終わりではありません。
それからも人生は続いていくのです。
最後の「他人の家」が一番、面白かったです。
読後、心が重くなりましたが、次第に謎がわかっていくドキドキ感はどの短編にもあります。
やはり、横山秀夫には、はずれなしです。
(2026年8月)
短編は、濃縮還元ジュースのようにおいしいです。
「深追い」には、次の7つの短編が収録されていますが、どれもおいしい部分がギューッと凝縮されていました。
「深追い」
「又聞き」
「引継ぎ」
「訳あり」
「締め出し」
「仕返し」
「人ごと」
一番、気に入ったのは、最後の「人ごと」です。
犯罪が起きるわけではありませんが、真相を知って心が温かくなりました。
これだけ読んでいますが、飽きることがありません。
これが、横山短編の魅力だと思います。
今朝から、次の短編集を読み始めています。
この本には、次の6つの短編が収録されています。
「看守眼」
「自伝」
「口癖」
「午前五時の侵入者」
「静かな家」
「秘書課の男」
読んでいるうちに、「刑事コロンボ」を思い出しました。
ほんの小さな描写が伏線になっているからです。
一番面白かったのは、「看守眼」です。
主人公は、刑事ではなく、退職間際の留置管理係です。
並外れた人間観察力が謎を解いていきます。
この夏休み、私の頭の中は「横山秀夫」一色でした。
(2026年8月)