読書は時空を越えることができます。
合ったことがない歴史上の人物と出合い,見たことがない未来や宇宙,深海を見ることができます。
また,体験したことがない冒険や恋愛も経験できるのです。
1冊の本との出合いが人生を変えることもあります。人生観を広げ,深めることができます。
そんな本との出合いのきっかけをつくるために,このページ「こんな本と出合ってきた」をつくりました。
この中の1冊が,あなたにとって素晴らしい出合いになることを願っています。
昨日に引き続き,セミナーの資料づくりをしました。すると予約していた中村健一先生の新刊「策略 ブラック仕事術 誰にも言えない手抜きな働き方」(明治図書)が届きましたので,早速読みました。
感想です。
①読後,爽快感が味わえます。
➁約1時間で読破できます。
③明日からすぐに実践できる具体例があります。
一番笑った部分だけ紹介します。
〇キャリアパスポートなんて,意味不明のものを増やした
〇回覧文書は読まずに捨てろ!
ただし,単なるhow-to教育書ではありませんので,ブラックの裏側にある中村先生の教育哲学をしっかりと理解してく必要があります。
おまけの「子どもが生徒を演じなくなった」という部分は,プロ教師の会の諏訪哲二さんの匂いがいました。
是非,若手教師に読んで欲しいので,明日,新採に紹介します。もちろん貸さないで買うように言いますね。
(2023年3月)
この中で印象に残った部分をメモしました。
例えば,
「仕事が専門化していくということは,入力が限定化されていくということ。限定化するということはコンピュータならば1つのプログラムだけを繰り返しているようなものです。健康な状態というのは,プログラムの編成替えをして常に様々な入出力をしていることなのかもしれません。」です。
よく,学校の先生は世間知らずと言われます。長い間,1つの世界にどっぷりとつかってしまうと違う世界の受け入れづらくなってしまうのかもしれません。
養老先生に言わせれば,教師は「不健康」な状態なのです。
私は教師になる前に違う仕事を2年ほどしていました。36年間の教師人生において,この2年間の経験がとても役に立ったと思います。生徒や保護者を違う視点でとらえることができたからです。
教師も「異から学ぶ」という視点を忘れてはいけないのだと思います。
養老先生は,こんなことも書いています。
「私自身,東京大学に勤務している間とその後では,辞める前が前世だったじゃないか,というくらいに見える世界が変わった。(中略)辞めてみると,いかに自分が制限されていたかがよく分わかった。この制限は外れてみないとわからない。それこそが無意識というものです。」
(2023年3月)
現在の教育界は,「不易流行」で言えば,あまりにも「流行」に偏っています。現場教師は,トップダウンの「流行」に振り回されているように見えます。しかし,大切なことは「不易」の部分です。変わっていくべきものと変わってはいけないものをしっかりと見極めるためにも,現場教師は「教育哲学」を確立させることが大切だと再確認した本です。
新学期,新しい生徒との生活が始まる前に読んでおきたい1冊です。
新学期事務でバタバタしている時期だからこそ,従来通りではなく,教育実践を見つめ直すことも大切だと思います。
(2023年4月)
小学生までは,まったく読書をしない子どもでしたが中学生になって読書にはまり,小遣いやお年玉のほとんどを本に使っていました。
そのきっかけとなったのは,横溝正史の「八つ墓村」(角川文庫)でした。それから,一気に横溝ファンになり,「犬神家の一族」などの映画もすべて観ました。そんな流れで推理小説(今は,ミステリーというのかな)は,今でも読んでいます。
今回は,話題になった「方舟」(夕木春央 角川書店)を読みました。
➀密室
➁タイムリミット
③連続殺人
という推理小説3大ワクワクの設定の内容で,しかも会話が中心となって物語が進んでいくので,スラスラと読ました。
「屍人荘の殺人」(今村昌弘 創元推理文庫)と同じように,奇抜な設定でしたが,なかなかのラストで大いに楽しめました。
映画化されそうです。
しかし,横溝作品のような戦後すぐの混乱の時代背景,ドロドロした人間関係,忌まわしい風習などの設定のほうが好きですね。
そういえば,NHKで「犬神家の一族」がドラマ化されましたので,地上波で放映されたら見たいです。金田一耕助は,吉岡秀隆さんです。どうかなあ。
(2023年4月)
爆弾犯と名乗る男と刑事との心理戦が中心です。
その描写もうまくて,一気に引き込まれました。
爆弾犯の心理,刑事の心理,仲間の警察官の心理などさまざまな心理描写で自分の感情も揺さぶられました。
誰の心の中にも「爆弾」はあるのだと思います。
「このミス」で1位を獲った理由がわかりました。
おもしろかったです。
(2023年5月)
大学生になったばかりの頃,友人のKくんから,「面白いから読んでみて」と1冊の本を紹介してもらいました。Kくんとは,小中高と同じ学校で仲良く,特に大学生になった頃から一緒に遊ぶことが増えました。
Kくんは,時折,自分が読んだ本を紹介してくれました。
不思議と紹介してくれた本はとても面白く,Kくんのおススメ本を信頼していました。(本の趣味があっていたのかもしれません)
さて,その時紹介してくれた本が,椎名誠さんの「哀愁の街に霧が降るのだ」(情報センター出版局 1981年)でした。
それから,現在まで椎名誠さんの本は,ずっと読んできました。
椎名さんは友人の目黒孝二さんと一緒に1972年に「本の雑誌」をつくり,現在に至ります。
その目黒さんが1月に76歳で亡くなったというニュースを知り驚きました。
そして,悲しくなりました。
大げさですが,自分と一緒に同じ時代を生きてきた人だと思っていたからです。
そんな目黒さんへの哀悼の意を込めて「本の雑誌 5月号」を買いました。
特集は,「さらば,友よ!目黒孝二さん追悼号」です。
多くの作家や関係者が追悼文を寄せていましたが,中でもよかったのは,
沢野ひとしさんの「目黒孝二のアパートを発見した日々」でした。
沢野さんらしい,やわらかな空気が漂う文章を読んで,また,悲しくなりました。
私も友人のKくんも今年61歳になります。
じわじわと自分の人生のことを振り返り,これからのことをぼんやりと考えている(と思う),今日この頃です。
素晴らしい本の世界を紹介してくれた目黒孝二さん,ありがとうございました。
萩田泰永さんは,北極と南極を単独歩行をしている冒険家です。
今までに数多くの探検,冒険に関する本を読んできましたが,萩田さんのことは知りませんでした。
今朝の読売新聞に萩田さんの記事が掲載されていました。
その萩田さんが,主体性についてこう語っています。
「冒険にはマニュアルなど存在しない。それまで経験,知識,準備,道具,あるゆるものを駆使して危険を回避する。そこに求められるのは,誰かに従うのではなく,自分の頭で考える主体性だ。」
今,教育に求められているものの1つに生徒の主体性があります。
萩田さんの言葉を読むと,子どもの主体性を育てることが本当に必要なのか疑問に思えてきました。
主体性を持つためには,知識,経験,技術などを身につけておくことが大切です。
そうなると,小学生,中学生に主体性を求めることは,難しいのではないかと思います。
(2023年7月)
この本のもくじは,こんな感じです。
第1章 私が書体デザイナーになるまで
第2章 写植からデジタルの時代へ
第3章 「社会の穴」を埋めるフォント
第4章 誰一人取り残さないフォントを追求する
第5章 フォントで誰もが学習できる環境を作る
特別章 フォントができること
特に感動したのは,高田さんが,「ディスレクシア(発達性読み書き障害」の子供と出会い,「UDデジタル教科書体」の開発に挑んだ熱い心です。
この本を読むと,これからはいろいろな文章を読むときにフォントが気になるはずです。
特に教師は,自分が使っているフォントが本当に読みやすいのか,どんな印象を与えているのかということを意識して欲しいと思います。
フォントを選ぶということは,相手を思いやる気持ちの表れなのです。
(2023年7月)
昨日,理由はわかりませんが,急に坂口安吾の推理小説を読みたくなりました。
こんな時に便利なのは,Amazonのkindle本です。
探すと無料本がありました。
中学生の頃,推理小説に夢中になったことがあり,その時期に「不連続殺人事件」「能面の秘密」「復員殺人事件」は読んだ記憶がありました。
おそらく読んでいないと思った短編「アンゴウ」をダウンロードして読みました。
こんな話です。
古本屋で見つけた懐かしい本に便箋が挟まっていました。そこにいくつかの数字が書いてありました。これが暗号です。この暗号はすぐに解読されますが,ラストが感動的なものになっていました。
坂口安吾の推理小説の面白さを再確認しましたので,「明治開化 安吾捕物帖」と「心霊殺人事件」「選挙殺人事件」そして,もう一回読むために「不連続殺人事件」をkindleにダウンロードしました。
フェアな本格推理小説を目指した安吾ですから,とても楽しみです。
(2023年7月)
今まで,数多くの冒険,探検本を読んできましたが,洞窟探検本は初めてでした。
吉田さんは、日本をはじめ世界の洞窟を探検して,未踏の洞窟を発見したりすでに発見されている洞窟の更に奥を踏破したりしている洞窟探検家です。
これがとても面白かったです。
山や極地などは目標が明確ですが,洞窟はそれがよくわからないところが新鮮でした。
洞窟の奥と思っていたところが,更に奥があるからです。
私も暗所,閉所恐怖症ですから,鍾乳洞すら恐怖感があり,あまり入りたくありません。これが洞窟になると想像するだけで息が出来なくなってしまいそうでした。
しかし,吉田さんが撮影した洞窟の写真に魅了されました。
神秘的で美しすぎるのです。
さっそく,吉田さんの公式HP「地球探検者」を見てみました。
]https://yoshidakatsuji.info/gallery/
この本に出て来た
「力愛不二」(りきあいふに)
という言葉をノートに書きだしました。
ということで毎日,youtube「地球探検TV」を観ています。
(2023年8月)
タイトルにあるように,若手教師向けの本です。
しかし,ベテラン教師もやっていない,知らない(だろう),教師のとしての基礎基本が具体例をあげて紹介されています。
野中先生が「はじめに」でも書かれていますが,まずは,「土台づくり」が大切なのです。土台である学級が安定していないと,授業はうまくいかないのです。
全国学力調査の結果が発表されると,現場教師は大変忙しくなります。(特に,国語,数学,英語教師)
分析と対策をまとめ,研修が開催され,研究授業を行い,研究協議を行うからです。
これを毎年繰り返しています。
さて,学力は向上してるのでしょうか。
残念ながら,本市の結果は思わしくありません。
その理由は,授業改善のみに注目しているからだと思います。
大切なのは,「土台づくり」なのです。
集団づくりと関係づくりを学び,実践していくことが大切なのです。
野口芳宏先生もこう言われています。
「東日本大震災後に被災地を訪れて気づいたことがあった。津波で多くの家屋が流され倒壊していたが,残っているものがあった。それは,建物の「基礎」だ。家の柱を立てる石やセメントの「基礎」は,すべて流されずに残っていた。」
教育も同じなのです。
「基礎」がしっかりしている教師になることなのです。
つまり,「基礎」=「土台」です。
「基礎」(土台)がぐらつき安定していない教師の授業に生徒がのってくるはずがありません。一生懸命に取り組むはずがありません。
教師としての「基礎」を身につけることで,自信ができます。自信をもって生徒の前に立つことで,生徒は安心して信頼して授業を受けることができるのです。
そういった意味でも,この本は若手教師に限らず,ベテラン教師にも是非読んで欲しいと思います。
(2023年8月)
結論から言えば,道徳授業づくりをする上でとても参考になりました。
なぜならば,道徳授業を創ることは,映画やドラマづくりに似ていると思っているからです。
例えば,
授業の導入です。
ドラマで言えば,起承転結の「起」の部分です。
この「起」について,倉本さんはこう言っています。
〈引用始まり〉
「起」というのは,とにかく始まりですよね。お客をまず吸いつける。可能な限り早く,その世界に引きずり込むということが,僕はドラマの鉄則じゃないかと思う。
〈引用終わり〉
授業構成を考える時に,倉本さんの構成術も参考になりました。
倉本さんは,ドラマの構成には,おもてなし精神が必要だと言っています。
道徳授業の構成で言えば,生徒をいかに満足させるかということだと思います。
倉本さんの足元にも及びませんが,道徳授業をつくるためには,「脚本力」が必要だということを再確認しました。
この他にも,数多く参考になったことがありましたので,折に触れて紹介します。
(2023年8月)
私が所属している全国サークル「道徳のチカラ」の機関誌である「道徳のチカラ20号」が届きました。
この機関誌では,3号から20号まで「道徳授業を斬る!」というコーナーを担当してきました。
全国の先生たちが自ら作り実践した道徳授業の報告を読み,私の考えと代案を書くというとても難しいことをしてきました。
自分以外の道徳授業を批評するためには,自分の考えがしっかりとないとできません。
つまり,道徳授業観をが必要なのです。
そういった意味でも,このコーナーを担当させていただいたことで,私の道徳授業観が磨かれたと思います。
前身の「道徳授業改革」から数えると通算71号にもなるそうです。年数で言えば,17年間も続いたことになります。
この機関誌の編集長である,サークル仲間のT先生お疲れさまでした。そして,多くの学びをいただいたっことに感謝いたします。
紙媒体としては,この20号が最終号となるそうです。
これからは,デジタル機関誌として装いも新たにリスタートします。
どんな機関誌になるか,とても楽しみです。
バックナンバーが欲しい方は,「道徳のチカラ」のホームページから申し込んでください。
http://www12.wind.ne.jp/kaikaku/
普通の教育雑誌とは違い,全国の先生たちの熱量を感じました。
それぞれの先生の「観」が見える内容でした。
中でも一番刺激的だったのは,野口芳宏先生の「私を支え,導く言の葉・抄」です。
タイトルは「知識こそが学力の中核である」です。
私は大学入試は,共通一次でした。
5教科7科目(社会2科目,理科2科目)の世代ですから,知識を詰め込むことを努力しました。
中には,数学の問題を見ただけで解く級友もいましたが,私にはできませんでした。
ですから,数多くの問題を解くことで,パターンを覚えたのです。
英単語,漢字,社会科用語,数学の公式,理科用語など徹底的に書いて,声に出して覚える努力をしたのです。
その結果,知識として身についているものが多いのです。
こういった詰め込み教育が良くないと言う風潮が広がり,知識を軽んじるようになったと思います。
知識よりも思考力,表現力,判断力が大切だということです。
しかし,思考,表現,判断は知識がないと十分にできないのです。
様々な知識をリンクさせることで,深い思考や上手な表現や的確な判断ができるはずがありません。
私が受けて来た「詰め込み教育」で今の私があると思っています。つまり,多くの知識を身につけたからこそ,ましな人間になったと思っています。
さて,野口先生はこう書かれています。
〈引用始まり〉
「知識偏重」とか「知識の詰め込みは不可」などと言われるが,詰め込んでも,叩き込んでもいいのだ。そうして豊かな知識を持たせることが大切である。私の尊敬する,さる教育学者は「切り売りにもせよ,知識を与えることは重要だ」と言っている。大賛成である。
〈引用終わり〉
最後のページに野口先生の書が掲載されていました。
「知識こそが,学力の中核である。」
大賛成です。
(2023年9月)
倉本聰さんの自伝小説「破れ星,流れた」(幻冬舎)を読みました。
ドラマ「北の国から」につながるような,人物,言葉,背景などが書かれています。
倉本さんの父親に大きな魅力を感じました。
この人が,黒板五郎につながっているのですね。
もう一度,「北の国から」を観たくなりました。
いい言葉とたくさん出合えたので,ノートに書きだしました。
続編の「破れ星,燃えた」もすでに購入しましたので,もうすぐ届くと思います。
こちらも楽しみです。
(2023年9月)
倉本聰さんの自伝「破れ星,流れた」の続編である「破れ星,燃えた」(幻冬舎)を読みました。
続編では,富良野で生活するまでの過酷な様子から始まり「前略,おふくろ様」「北の国から」「昨日,悲別で」「やすらぎの郷」など名作ドラマができる様子と石原裕次郎さん,渡哲也さん,高倉健さん,勝新太郎さん,八千草薫さん,大原麗子さんなど名優たちとのエピソードが紹介されています。
そして,自給自足をしながらシナリオライターや俳優を目指す若者を育てる私塾である「富良野塾」のことも書かれています。
日本という国は,人間にとって人として大切なものを失いつつあると思いました。
これについて,倉本さんは,こう書いています。
「文明はスピードを重視するということである。スピードをもって仕事をせねばならぬ。スピードは文明の一要因である。時間をかければ事は成せるのに,時間をかけるのは良くないと考える。遅いのは悪で速いことが善。これが文明の基準となっている。そのため,余計な費用をかける。」
昭和の時代がすべて良かったとは言えません。
しかし,私は育った昭和の時代は,貧しかったですが,日本と言う国が大切にしてきたものが残っていました。
この本も前作と同じく,心に響く言葉がたくさんありましたので,ノートに視写しました。
(2023年9月)
今話題になっているChatGPTは使ったことはありませんが,使う前に基礎知識を身につけようと思い「教養としての生成AI」(清水亮 幻冬舎新書)を読んでみました。
この本を選んだ理由は,ラジオのトーク番組で清水さんが話していたことに興味をもったからです。
さて,読んでみるとなかなか難しかったです。専門的な言葉が多いからです。
しかし驚いたのは,この本が人間(清水さん)とGPT-4が共同で執筆したということです。
先程のラジオ番組で,清水さんは,AIを使うことで執筆時間が5分の1で済んだということを言っていました。
これからも分かるように,これからの社会は生成AIが得意とすることは,AIを有効活用していくことになるでしょう。
では,生成AI時代で大切なことは何だと思いますか。
清水さんは,こう書いています。
「真心と思いやり」こそが,これからの時代の人間に必要な価値観だという思いが強まっています。
時代の最先端を学ぶ人が,こんな言葉を言っていることも驚きました。
(2023年9月)
夏休み中に原稿を書いた「道徳教育10月号」が明治図書さんより贈られてきました。
今回は,教材の「分割提示」について2ぺージ書かせていただきました。
内容は以下の3つです。
①そもそもどうして分割提示をする必要があるのか
②教科書教材の分割提示例
③開発教材の分割提示例
興味を持たれた方は,是非,読んでみて下さい。
(2023年10月)
太平洋戦争末期に,人間爆弾と呼ばれた特攻兵器「桜花」を発案した「大田正一」の人生を調べあげたノンフィクションです。
死亡したと思われいていた大田が,実は名前を変えて生きていた。
どうして,なぜと思わせる内容で一気に読みました。
戦争について,別の視点で考えさせれました。
ドラマ化,映画化されてもいいぐらいの本です。
(2023年9月)
サークルの機関誌「道徳のチカラ」で鈴木健二先生が紹介していた「知ってるつもり」(西林克彦 光文社新書)を読みました。
現在の教育は,知識よりも思考,表現,判断などを優先しています。これに対して,以前から違和感を覚えていました。
知識が豊富だから,
深い思考ができます。
豊かな表現ができます。
適切と思える判断ができます。
そんな私にとって,とても刺激的な内容が多かったです。
例えば,「詰め込み教育」に対して西林さんは,こう書いています。
〈引用始まり〉
知識システムとか知識の質という根本問題と思われる点を曖昧にしたまま,または不問に付したまま,または気づかないまま,戦後の教育改革は行われてきました。
量の増減だけで教育改革を行ったと考えているならそれは間違いです。
〈引用終わり〉
また,課題解決学習に対しては,
〈引用始まり〉
その領域に関する知識がかなりなければ,解決したい問題点など見つかるわけがありません。
〈引用終わり〉
まさに,その通りです。
豊かな知識がなければ,学びを調整する力も身につくわけがありません。
手当たり次第に知識を身につけよと言っている訳ではありません。
西林さんの言うように知識をシステマティックに身につけることが大切だということです。
つまり,多様なものに「共通性」を見つけ出し,それを使って「個別特性」を見出す
のです。このように知識をシステマティックに身につけることで,割と簡単に覚えることができ,記憶がはっきりするのです。
また,この本は,教科書研究の具体例も示されていますので,一人でも多くの先生たちに読んでもらいたい1冊です。
私も含めて,知っているつもりで生徒に教えている教師が多いのが現実だと思います。
この本を読んで猛省しました。
(2023年9月)
汐見夏衛さんの「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」を読みました。
中2の女子が戦時中にタイムスリップして特攻隊員の青年と出会います。
戦争の哀しさや平和の大切さが伝わる内容です。
平和学習のきっかけにもなる1冊です。
読みやすくわかりやすい内容ですから,図書館に置いてみてはどうでしょうか。
「私は今,あなたたちが守ってくれた未来を生きています」
この文の意味を現代の中学生に噛みしめてほしいと思います。
(2023年10月)
久々に原稿を書きました。
テーマは,「生徒と向き合う時間を増やす 中学校教師の時短術」です。
多忙な教育現場では,生徒と向き合う時間がなかなかとれません。
時間がないと,教師の指導意図が生徒に伝わらずに,信頼関係がくずれてしまう場合もあります。
また,ついつい,結果を急いでしまい良くない指導をしてしまう可能性もあります。
そうならないための,時間調整のヒントについて書かせてもらいました。
11月上旬に発刊されますので,興味を持たれた方は読んでみてください。
(2023年10月)
再読しています。
この本の副題が「現代教育批判」です。
この本の「はじめに」にこんなことが書かれています。
世界中の国で,高校生を対象にアンケートをとったことがあります。
その一番に,「気にくわなかったら,親に反抗してよい」
これに対して高校生はどういう意識を持っているのか。たいていの国は,
「いけない」がほとんどで,「よい」と答えたのは20%弱でした。
ところが,1つの国だけ,「よい」と答えた者の数がずば抜けて高い国がありました。日本です。アンケートに答えた日本の高校生の80%が,「親に反抗してよい」と答えていたのです。
それでは,学校の先生対してはどうでしょうか。
「気にくわなかったら,学校の先生に反抗してよい」
この項目に「よい」と答えたのは,世界各国20%弱。一国だけ,ずば抜けて高い国があります。85%,日本です。
そして,「学校へ行きたくなければ行かなくてもよい」
これも,各国20%以下。
やはり,一国だけずば抜けています。
65%がよい。と言ってる国があります。これが,日本なのです。
愕然とする結果です。
現在の様々な教育施策は,あまりにも子供を大切にし過ぎているように感じます。
子供のためという美辞麗句のもと,優しすぎる教育を進めているのです。
学校だよりなどに書かれている「お子様」という言葉がその最たるものです。
優しすぎる教育を続けていくと,
がまんできない,
嫌いなことはしない,
楽しいことしかしない,
快・不快が判断基準,
自己中心的,
周りのことを考えられない
人間をつくることになるのではないかと思っています。
この本の初版は,2007年3月です。16年前に書かれた本です。
16年間で,子供は良い方向へと変わったのでしょうか。
校内暴力やいじめや不登校の増加をみると,良い方向どころかまずい方向へと進んでいるように感じます。
(2023年10月)
今日は休みです。
昨晩はひどい雨でしたから,今日の天気はどうなるか心配でしたが,今のところ曇りです。
気温もそれほど低くないようです。
ということで,朝から,先週買っておいた沢木耕太郎さんの「旅のつばくろ」(新潮社)を読みました。
沢木さんの本は,大学生の頃によく読みました。
「若き実力者たち」
「挑戦者たち」
「人の砂漠」
「テロルの決算」
「路上の視野」
教師になってからは,あまり読んでいませんでしたが,登山ものが大好きなので「凍」を読みました。
さて,久々の沢木作品「旅のつばくろ」は,著者初の国内旅ルポです。これがとても面白かったです。
私も,大学生の頃「青春18きっぷ」を使って全国を旅しました。
ですから,この本から感じる旅の空気がとてもよく伝わるのです。
また,旅の途中で沢木さんが感じたこと,思ったことに頷くことが多いのです。
この本で出合ったいい言葉をノートにたくさん書き出しましたので,折りに触れて紹介していこうと思います。
(2023年11月)
手塚治虫さんの名作「ブラックジャック」の新作が発表されました。
40年ぶりぐらいにマンガ週刊誌を買いました。
新作のタイトルは「機械の心臓」です。
さて,この新作は生成AIと人間の共同作業で誕生しました。
手塚作品をAIで分析して法則性を導きだし,手塚治虫らしさを見出そうとしたそうです。
最終的には,人間が納得のいくまで議論して修正を加えて完成までたどりつきました。
さて,その新作を読んだ感想です。
やはり手塚治虫は天才だったということです。
大学生の頃からずっと椎名誠さんの本を読んできました。
特に好きなのは,自伝的エッセイ(椎名さん曰く,スーパーエッセイ)と写真集です。
今回はずっと欲しかった写真集「こんな写真を撮ってきた」(新日本出版社)を買いました。
章のタイトルがとてもいいです。
〇「少年よ,娘たちよ」
〇「その人のためにうごいていく空や風がある」
〇「日差しのいい午後に」
〇「凍った水や枯れ木のささやききこえたよ」
コーヒーを飲みながら,じっくりゆっくりもったいぶってページをめくりたいと思います。
まさに黄金時間です。
(2023年11月)
学校から戻り昼食後,書斎でゆっくりとしている時に1冊の本に目が留まりました。
坂村真民さんの「花ひらく心ひらく道ひらく」(講談社+α新書)です。
坂村さんの「二度とない人生だから」を使って道徳授業をしたことがあり,その参考本として買ったものです。
手に取るとたくさんの付箋を貼っていました。
その付箋のページを開いてみると当時の私の心に刺さった言葉がありました。
今読み返してみると,いい言葉が並んでいました。
特に「川」がよかったです。
川はいい
川のどこがいいのか
それはいろんな処に降った雨が
ひとつに集まり
海へ向かって
流れてゆくのがいい
人間もそのように
みんなが幸せを求めて
生きてゆくんだと
教えてくれるところがいい
きれいな水も汚れた水も
あたたかい水も冷たい水も
みんな海へ向かって流れているんですね。
(2023年12月)
この本の中で,初代ウルトラマンのスーツアクターである古谷敏さんの言葉が心に残りました。
〈引用始まり〉
ー古谷さんの構えは腰が引けていて独特でしたね。
古谷
要するにちょっと怖がっている感じなんですね。『ウルトラマン』ではこちらから攻撃していくのを一切やめる,ということを示しているんです。それで「相手が攻撃してきたら,仕方ないからやるか」という考え方です。
〈引用終わり〉
確かに初代ウルトラマンでは,背中に寂しさを感じることがありました。
何よりも,悲しそうな表情をしています。
倒したくない怪獣を地球を守るために,仕方なく倒さなければならないという葛藤が表出していたのかもしれません。
そんなウルトラマンを見た子供たちは,人として大切なことを学んだと思います。
(2023年12月)
以前はよく読んでいた吉村昭さんの本を再び読んでみたくなりました。
これまでに読んだ吉村作品をあげると
戦争モノでは,
「零式戦闘機」
「戦艦武蔵」
「陸奥爆沈」
時代モノでは,
「大黒屋光太夫」
「冬の鷹」(前野良沢)
「長英逃亡」(高野長英)
「虹の翼」(飛行機を考案した二宮忠八)
「間宮林蔵」
災害モノでは,
「三陸海岸大津波」
「関東大震災」
その他では,
「漂流」
「破獄」
「高熱隧道」(黒部ダム建設)
「海も暮れきる」(俳人 尾崎放哉)
などです。
そこでまだ読んだことがない本を探して今回は,
「ポーツマスの旗」(新潮文庫)を買い読んでいます。
日露戦争の講和条約で全権委任された外務大臣である小村寿太郎を描いています。
これが,とても面白いです。
外交は駆け引きであることは知っていましたが,情報戦でもあります。
多くのスパイを送り探り合い,暗号の解読や情報操作などが行われます。
歴史の教科書では絶対に分からない,講和条約の舞台裏が描かれていますが,これがスリリングでとても面白いのです。
結果は,どうなるか知っていますが,そこに行きつくまで,どんなドラマがあったのか楽しみに読み進めています。
(2023年12月)