「リー・スクラーの5つのアドバイス」を人文系研究者向けに翻案してみた

音楽専門サイトMusic Raderに、Lee Sklar's top 5 tips for bassistsという記事が載っていた。

リー・スクラーはウェストコースト系のセッションマン。キャロル・キングやTOTOなど、幅広いミュージシャンのレコーディング、サポートで活躍している。この記事は、そんなスクラーがベーシストたちに向けてアドバイスをするというものだ。

読んでいるうちに、これはミュージシャンに限らず、他の多くの職業についている人にも当てはまるアドバイスではないかと感じた。

そこでここでは、スクラーのアドバイスを、人文系の研究者向けに翻案してみる。

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1.貪欲に学ぶこと

研究者になりたいのなら、持ちネタはなるだけ多い方がいい。色々な知識を持っているということは、研究者にとっては義務のようなものだ。

基本的には、学べるだけの学問を学んでおいた方がいい。自分の専門ではなくとも、近い関係がある分野があるだろう。いつ、そういった分野の仕事が自分に割り振られるかわからない。そういった分野での語彙もわかっており、すぐにスイッチを切り替えられるようにしておくに越したことはない。

2.外国語を読めるようになること

これは研究にとって本質的に重要だ。ただ、自分の趣味の範囲でやっていくのであれば、外国語が読めなくても研究はできるだろう。しかし、プロの研究者としてやっていくためには、外国語が読めなければならない。

もちろん、外国語が得意ではないのによい研究をした学者はいた。外国語の才能がなくても、研究の才能があるということはありえる。しかし、学会でやっていこうと思ったら、外国語ができることは必須である。

3.人間性も大事だ

すべての仕事に言えることだが、とりわけクリエイティブな仕事をする場合、人間性は大事だ。嫌な奴だったら、誰も一緒に仕事をしようとは思わなくなる。

仕事に積極的に参加しなさい。他の人が議論をしている時に、ぼさっとメールをしていたりするのはダメだ。積極的に議論に参加していかねばならない。情熱的に、存在感を示すことだ。

4.健康でいること

私は酔っぱらったり、ドラッグをやったりすることはなかった。100パーセントの明晰さでいつも仕事をしたいと思っていたからだ。

健康でいなさい。正しく食べ、寝るように努め、運動をし、身体に悪い事はしないこと。

5.学会先では観光をしよう

学会先で、ずっとホテルにこもりっぱなしという研究者もいる。冗談だろう!?と私はいつも思う。

すべての経験は研究に生かされるものだと私は思う。だから、学会でよその土地に行く幸運に恵まれたなら、外に出かけて色々なものを見よう。お店に行く、博物館や美術館に行く、現地の人々と話す。そうやって新たな経験を積むことで、人間的にも豊かになることができる。

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いかがだっただろうか。人文系研究者に当てはまると思えるものもあれば、当てはまらないと思えるものもあったかもしれない。あなたの仕事には、あてはまるだろうか。

元記事が気になった方は、是非上記リンクからたどって読んでみていただきたい。

(2014/8/27)

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