独断と偏見で選ぶ、史上最も過小評価されている10人のベーシスト
独断と偏見で選んでみる。
10位 ミック・カーン
ジャパンのベーシスト。フレットレスを用いた独特の"揺れる"ベースラインを生みだした。フレットレスといえばジャコパストリアスの名が真っ先に上がるが、ミックも開拓者の一人といえるだろう。ベーシストにフォロワーがいないのは残念でならない。
9位 カート・スミス
ティアーズ・フォー・フィアーズのベーシストにしてヴォーカリスト。ギターヴォーカルのロランド・オザバルのプロジェクトという印象が強いTFFだが、初期の楽曲はカートをフィーチャーしたものが多い。ライブではベースをバックバンドに任せ、ヴォーカルに専念することもしばしばだが、ヘフナークラブベースを親指で弾く、ベーシストとしてのカートの姿も忘れてはならない。
8位 ポール・マッカートニー
ご存知ビートルズのベーシストなのだが、ビートルズに詳しくない人は、「レット・イット・ビー」や「ヘ イ・ジュード」のイメージからポールをピアニストだと思っていたり、「イエスタデイ」のイメージからギタリストだと思っていたりする。勿論ポール自身は評 価されているのだが、彼のベーシストとしての側面は、意外とあまり知られていない。
7位 ジャーメイン・ジャクソン
マイケル・ジャクソンのお兄さんにして「ジャクソン5」のベーシスト。ジャクソン5の録音は、ジャーメインではなくてスタジオミュージシャンが担当したこともあって、彼のベーシストとしての実力はあまり評価されていない。ところが彼の「Bass Odyssey」などを聴いてみると、スラップ奏法などを取り入れており、リズム感やスピードもすばらしく、かなり実力派のベーシストであったことが分かる。
6位 ジョー・オズボーン
セッションミュージシャンで、カーペンターズのベースを弾いている。ご機嫌なリズムを刻みながらも、決して曲を邪魔し ないベースライン。誰もが一度は耳にしているはずだが、ジョーの名前はあまり知られていない。とはいえ、レイクランドからシグネイチャーモデルが発売され ているように、ベーシストたちの間では一定の評価はされているといえるだろう。
5位 マーク・キング
LEVEL42の高速スラッパー。史上最速の地位を争うスラッパーであり、かつ、歌いながらベースを弾くというベースヴォーカリスト。その実力とは裏腹に、スラップの歴史について語られる時はラリー・グラハムやスタンリー・クラーク、ルイス・ジョンソンらの陰に隠れてしまう観がある。また、上記のスラッパーたちに比べてフォロワーの数も少ない。左手のタッピングを併用した独自のスラップ技術と、その歌心には、ぜひもう一度注目したい。
4位 アンディ・フレイザー
フリーのベーシスト。バンド加入時わずか16歳であったにもかかわらず、ギブソンのEB-3を抱え、シンプルながらも印象に残るベースラインを生みだした。「Alright Now」の、音数が少ないにもかかわらずある種の完成形ともいえるベースラインは、全ベーシストコピー必須である。
3位 ニック・ベグス
カジャグーグーのベーシスト。ヴォーカリストのリマールが脱退した後、ヴォーカリストに転向。さらに楽器 をベースからチャップマンズスティックに持ち替え、スティックを演奏しながらリードヴォーカルをとるという荒業を繰り出した。男性にしてはかなり高い声で あり、独特の声質は好き嫌いが分かれると言われるが、ヴォーカリストとしてもスティック演奏者としても実力は一流であることは疑えない。
2位 キャロル・ケイ
モータウン出身の女流セッションベーシスト。当時のモータウンは演奏者がクレジットされないこともあって、彼女の演奏がジェマーソンのものと考えられていたりした。このため、ベース黎明期の貢献とは裏腹に、彼女は影のヒーローの地位に甘んじるしかなかった。近年、モータウンの音源をはじめ、ビーチボーイズの「Good Vibration」のベースや、「ミッション・インポッシブルのテーマ」といった数々の楽曲が彼女の演奏であることが分かり、再評価がなされつつある。
1位 ロニー・レーン
フェイセズのベーシスト。ゼマティスのベースを用いて、歌心溢れるベースラインの数々を生みだしてきたが、現在では一部のファンを除けば、あまり注目を浴びることはない。多発性硬化症にかかり、晩年は演奏をすることができなかったことも影響しているのだろう。しかし間違いなく、ロックベースのひとつのお手本とも言えるベーシストであり、学ぶべきところは多い。