ハロプロ楽曲分析

『スキちゃん』(スマイレージ)

曲:

・カノン進行。よく聴くとサビ(=イントロ・・間奏)のバックでシンセ・ストリングスが「カノン」そのままのメロディーを奏でている大胆なアレンジ。

・メロディーが上下する難しいコーラスだが、メンバー自身(佐吉?)が歌っているように聴こえる。

・ピンポイントでメロとのユニゾンで入るヴィブラフォンがいいアクセントになっている。歌う上でのガイドの役割もあるのか。コーラスが入る箇所にはヴィブラフォンも挿入され、コーラスにつられないようになっている。

・「スキちゃん」連呼の部分は、ツェッペリン「Whole Lotta Love」のリフ。

詞:

・メロで具体的な情景を描き、サビで感情描写という、ポップスの典型。

・「二階建てとか家族がどうとか」、未来の家庭像を語る中学生はいるのだろうか?

・曲全体を通じて、中学生が使いそうな、簡単な言葉だけが使われている。

(2014/10/17)

『初めてを経験中』(Juice=Juice)

曲:

・シンプルなギターとドラムのフレーズをコアとし、ベースが入る箇所が少ない70年代ロック風の楽曲。メロの後半部およびサビにのみベースが入るが、シンプルなルート弾きだ。

・たとえばフリーの"Alright now"を彷彿とさせる。ギターとドラムのリフにボーカルが絡むメロ、そしてサビになって(アンディ・フレイザーの)シンプルなベースが入ってくる。よく似た構造ではないだろうか。

・ハンドクラップもまた、「らしい」味を出している。

・サビではブラスが入り、左トラックではスタイロフォン風のシンセが鳴る。

詞:

・「伊達じゃないようちの人生は」や、「裸の裸の裸のKISS」など、アイドルらしからぬ赤裸々で性的な恋愛を描いた詞が多いことがJuice=Juiceの特徴だ(デビュー年齢の高い金澤朋子を推そうとしていたからだという説もある)。この楽曲はタイトルこそ蠱惑的なものの、歌詞内容は平凡な初恋ソングだ。

・「思い描いていたのとは違った恋の寂しさ」に触れているのが、たとえば以前に扱ったスマイレージ「スキちゃん」のような、甘い子供の恋愛ソングと一線を画す点だろうか。

(2014/11/1)