均茶庵は、朝の寝覚めが悪い。睡眠不足が寝覚めに影響すると言うが、引退後の均茶庵は、どちらかというと睡眠過剰になっている。逆に、寝付きが早く、5分も経ったらもう寝息を立てているそうだ。運動不足が原因なのだろうか。兎に角朝は、起きたくない。しかし、年寄りには朝のおしっこという大行事がある。いくら我慢しても、これだけは限界がある。かくして、やむなく朝のベッドから起き上がる。
多分どなたもそうだろう。朝起きたあとに、体を軽く動かして、一日の調整に入るだろう。均茶庵も例外ではない。大昔は、先ず立ち上がったちんちんをほぐしてから、全てが始まった。今では、そんな必要は無くなった。その代わり、こんなメニューをこなしている。もう何年経つだろうか。いつ始めたのか、まるで覚えていないが、少なくとも10年以上は経っているだろう。
最初
まず、NHKの第一体操をはしょったような感じで、体を捩らせ、背筋を伸ばす。自己流だ。そして、スクワットに入る。合計30回行う。年寄りのスクワットを見ていると、前屈みの人が多いようだ。それに、まるでそんな格好悪さに気がついていないようだ。だから、均茶庵は思い切り背を伸ばして、垂直に屈伸をする。そうすると、30回終わった頃には、太ももの筋肉が、程よくこなれる。これ以上は、やり過ぎになる。何事も、過ぎたるは良くない。
次
続いて、つま先立ちし、胸を大きく張る。10数えて、元に戻る。これを10回繰り返す。そうすると、やっと目が覚めて来る。そこで、深呼吸を10回して、冷静になる。ここからが本番だ。
本番開始ーたったの4分間
背中を床に着け、足を持ち上げる。このままの姿勢を4分間続ける。腹筋がぱんぱんに緊張する。そして、大体3分半も過ぎると、太ももがぷるぷると震え始めて、かかとが段々下がってくる。歯を食いしばって、これを何とか堪える。この4分間は、非常に大切な時間だ。思いの外、色々な事が出来る。
お題目
先ず、蘚苔類の目名及び科名を、順番に唱える。こんな具合だ。Andreaeaceae, Takakiaceae, Tetraphidaceae, Buxbaumiaceae, Polytrichaceae, Fissidentaceae, Archidiaceae, Dicranales (Ditrichaceae, Bryoxiphiaceae, Seligeriaceae, Dicranaceae, Leucobryaceae), Pottiales (Calympeacea, Pottiaceae, Encalyptaceae),……Herbertaceae, Pseudolepticolacea, Mastigophoraceae……。結構長い。しかし、役に立っている。
何分くらいで終わるだろうか。その次には、元素名を順番に唱える。H, He, Li, Be, B, C, N,…At, Rn。その他にも唱え毎をいくつかこなすと、通常では大体3分半~3分40秒程度でお経が終わる。残った短い時間は、4分間目覚ましのアラームがなるまで、適当な白昼夢に耽る。
〆
最後に、〆の呼吸調整を行う。正座して、「のうまくさんまんだばさらだんせんだやまかろしゃだそわたうんたらたかんまん。」「おんそらそばてぃーえいそわか」「おんあろまやてんぐすまんきえいそわか」と、各々5回唱える。
引き続き、下腹丹田に10回x10回気を吹き込む。尚、事前にトイレに行き、腸を軽くしておかなければならない。そうしないと、とんでもないことが起こる。かくして、朝ご飯を食べる準備が完了した。一階から、妻の呼ぶ声と、干物の焼ける匂いがする。丁度良い時間だ。
残念ながら、健康への実益は、今のところ何も見えていない。但し、いつの間にか眠気と頭の重さが去っているのが、最大のご褒美だ。
さて、皆さんは、毎朝起きるとどんな事をしているのだろうか。
201017 均茶庵