齡70歳を越えると、記憶力が目に見える形で落ちて行く。それを認識する度に、悲しいものがこみ上げる。一週間かけてやっと覚えたと思ったら、何と一晩熟睡した次の朝、何も残っていなかったと言うのが、ごく普通になってきた。これも人生かと、諦めるしかない。
所が、不思議な事に、小さい時の記憶が、何時までも残っている事もある。お祭りがどうだったとか、あの時誰ちゃんが何をしたとか言った、まるで文章になる話ではない。例えば、かけ算の九九だ。小学生の頃、母親に叱られながら、必死に覚えた。「ニニがシ。ニサンがロク。ニシがハチ・・・」81の項目を、順番通りにはっきりと覚えている。
日常生活で、九九を使う機会は、まず無いだろう。しかし、九九については、紛れもなく正確に覚えている。一体これはどういう現象なのだろうか。いくら考えても分からない。
メンデレーエフの長周期律表
均茶庵は、何とメンデレーエフの長周期律表を未だ覚えている。元素を原子番号順に配列することにより、元素の持っている化学的性質を、概略把握する事ができる。化学の基本のキとなっている。ロシアのドミトリ・メンデレーエフ(1834~1907)が、1869年に提案した。
Webで、「長周期律表の覚え方」を見て驚いた。もの凄い数の語呂合わせが載っている。駿台予備校のページを見ると、「水兵リーベ僕の船、七曲がりシップスクラークか。」とある。均茶庵の経とは似ているが、少し違う。均茶庵版の大部分は、内容から見て、絶対に大学卒業後に覚えた、あるいは、作曲したに違いない。大きな声では話せないが、内緒で紹介しよう。密かに重宝している。
水兵リーベ僕の船 H, He, Li, Be, B, C, N, O, F, Ne
(水素、ヘリウム。リチウム、ベリリウム、硼素、炭素、窒素、酸素、弗素、ネオン)
リーベは、ドイツ語でLiebe「愛する」。ここまでは、全国共通のようだ。
そう曲がるシップスクラーク Na, Mg, Al, Si, P, S, Cl, Ar
(ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、燐、硫黄、塩素、アルゴン)
ナトリウムは、昔は曹達と呼んだ。英語では、Sodium。この段の意味は良くわからない。多分、高校の時、先生が教えてくれたのだろう。高校生には、ここまでで十分。均茶庵の頭の中には、この経がしっかりとすり込まれているので、今更変えられない。
ちょっと失礼。この辺から、安手のAVになってくる。
嬶は好かん。千葉の黒マン鉄子に銅像 K, Ca, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn
(カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛)
高度成長時代、千葉県は製鉄所(川崎製鉄千葉、日本製鉄君津、住友金属鹿島)と性都船橋で有名だった。従って、多分、大学生時代以降に覚えたのだろう。
ゲイの爺さん明日もセックス、臭いクリトリス Ga, Ge, As, Se, Br, Kr
(ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、臭素、クリプトン)
均茶庵は、大学を1970年に卒業している。これは、間違いなく大学を卒業してから覚えたのだと思う。確か、小学館のビッグコミックに「栗とリス」と言う名前のバーが出てきた。1990年代の末だったような。。。。
それに、欧米でGayが男同士を指す意味を持って来たのは、1960年代末以降だ。日本で、Gayという言葉が一般化したのは、多分1970年代だろう。その後暫く経っても、未だ大阪ミナミでは、「Gay Bar」より「オカマBar」の方が一般的だった。あるいは、Gayを種類分けして、「きたないオカマ、きれいなオカマ」とか呼んでいた。勿論、この頃は未だAIDSなんて、影も形も無かった。
ルビーのスリッパやらしく狡い女房が持って来る Rb, Sr, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru
(ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコン、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム)
路地をパラって上がる角の部屋 Rh, Pd, Ag, Cd
(ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム)
陰部啜りしゃぶって愛のキス In, Sn, Sb, Te, I, Xe
(インジウム、錫、アンチモン、テルル、沃素、キセノン)
これは1970半~80年代以降の作品かと思う。競争が激烈なトルコ風呂業界で、フェラチオが定番化したのは、確かこの頃だった。今やトルコは死語となり、1984年以降は正式にソープランドに変わった。一体、この経はどこで覚えてきたのだろう。まるで記憶がない。
世襲の馬鹿は乱暴だ。母は垂れたおっぱいら Cs, Ba, La, Hf, Ta, W, (Re)
(セシウム、バリウム、ランタニド、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム)
雄が入れるプチ金玉 Os, Ir, Pt, Au
(オスミウム、イリジウム、白金、金)
禿げたるナマにビックラぽん。明日チンコ、入れたらどん Hg, Tl, Pb, Bi, Po, At, Rd
(水銀、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン)
いつ頃だろうか。それ程昔ではないような気がする。語呂合わせも、かなり無理筋がある。6周期目(P軌道)の為に、強引に捻りだした感じさえする。酔っ払った時にでも、均茶庵が作ったか、あるいは、聞いたかしたのだろう。
金属のイオン化傾向
それに、もう一つ、しつこく覚えている元素の列がある。イオン化傾向と呼ぶ。金属のイオン化の強さの順番を表す。溶液の中に金属を入れると、イオン化傾向が大きい金属が酸化されて、小さい方が、析出する。周期律表とは、微妙に順番が異なる。凄く便利にした時代があった。周期律表より、一段と品が落ちる。紹介するだけで、小恥ずかしくなる。よほど欲求不満の時の作品だろう。
リップでカリカリ舐めて、曲がるちんこ Li, K, Ca, Na, Mg, Al, Ti
(リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン)
まんこズンだし フェラに鈴なま Mn, Zn, Fe, Ni, Sn, Pb
(マンガン、亜鉛、鉄、ニッケル、錫、鉛)
水から土まで禿げ上がるプチ金玉 H2, Cu, Hg, Ag, Pt, Au
(水、銅、水銀、銀、白金、金)
この経は、明らかに長周期律表以降に出来上がったものだろう。人前では声を出して唱えずに、そっと紙の上に書く。
今や、周期律表も金属のイオン化傾向ともに使う機会が無くなった。しかし、何故か忘れない。大声で人前で唱えられないのが、残念だ。
序でだから、おまけ。自然対数の底。
e=2.7182818284590 二人斜めに、一発二発、一発二発。至極終わり。
追記) 国後島の飛行場が、メンデレーエフにちなんで命名されているそうだ。本当かどうか確認できていないが、もし、ドミトリ・メンデレーエフの偉大な名前を冠にしているのだとすると、おロシア人の脳みそは、余りにも寂しいのではないだろうか。メンデレーエフは、偉大な化学者だ。この島を日本に取り戻した後も、この飛行場の名前だけは残したい。 200715 均茶庵
写真)国後島メンデレーエフ空港。背景の山は、羅臼山。
追記) 孫に聞かれた時の用意に、手短に説明しておこう。(最新の定義は、下記とは少し違っている。)長周期律表とイオン化傾向を、暗記でさらさらと書き上げると、きっと尊敬の眼差しが帰って来るに違いない。
原子番号: 原子に含まれている陽子の数
原子量(分子量):アボガドロ数(6x1023個)の原子(あるいは、分子)の重量からgを取り除いた数字。概ね、【原子番号x2】になる。(概ね、陽子と中性子の数の合計)
モル(Mole): 原子量にgを付けた重量。1モルの気体は、種類に拘わらず、1気圧0℃の時22.4ℓとなる。
例: 塩NaClの場合、Naの原子量23(原子番号11)、Clの原子量35(原子番号17)。従って、NaClは、分子量58。1モルは、58g。1ℓ(1,000g)の水に塩が58g溶けていたら、1モル濃度。質量パーセント濃度では、5.8%になる。
例: Cu2+銅イオンが溶けている液体(硫酸銅水溶液など)の中に、Zn亜鉛の板を入れると、亜鉛がイオンZn2+となって溶けだして、金属の銅Cuが亜鉛の板の上に析出する。 201021 均茶庵
追記) 長くなるので、特に書かなくても良いかなと思って省略したけれど、念のため追加しておこう。尚、求核性と塩基性については取りあえず省略。 210215均茶庵
電気陰性度: 分子内の原子が、電子を引き寄せる強さ。
求核性(柔らかさ): 炭素への電子の与えやすさ。Cσ+への反応性。
塩基性(硬さ): プロトンの引き付けやすさ。H+に対する親和性。
Webに簡単な説明があったので、お借りしよう。
σ 電離の微小な偏り
陰性度: Mg<H<C<O
MgよりもCの方が陰性度が大きいので、少し電子が炭素の方に引っ張られて、δー となる。同様に、Oの方がCより陰性度が大きいので、Cはδ+となる。δ+とδーが引き合って、反応が起こる。
注)均茶庵が自分で撮ったデジカメ写真よりも、はるかに立派できれいな写真が、Webを飾っている。そこで、思い切って自分の写真を最小限とし、Webの芸術からお借りした。
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