「慰霊碑を建てる会」2022年度第5回56号ダム跡地「水神」碑前追悼式兼懇談会

報告

 7月28日、「慰霊碑を建てる会」5回目となる(通算8回目)56号ダム跡地「水神」碑前追悼式及び懇談会が行われました。

 昨年はコロナ禍により中止とせざるを得ませんでしたが、今年は何とか扱ぎつけることができました。13時、野村興産入口駐車場に集合。参加者は16名、打合せ度56号ダム跡地へと向かいました。また、今年はダークツーリズム(代表:金時江さん)の皆さん(9名)、北見市議会議員の菊池豪一さん、桜井由美子さん、久保田貴行さんの3名も参加され、民衆史の一端に触れていただきました。

 「水神」碑は国道39号線沿いから森林、草むらを約300メートルほど入った一角の岩場に建ちますが、福士広秋さんが歩きやすいようにと先回りし、碑周辺の草刈りをしていただきました。(助かります……)

 追悼式では大泉寺・黒沢住職、大雄寺・米田住職のお経に併せ、強制労働によって斃れた方々への弔いを参加者全員でおごそかに行いました。

 追悼式後は付近を探索、水銀をろ過するための貯水池があった場所や、微かに判る遺跡、赤茶けた溜め枡を見ながら、かつては国の繁栄とされたものが今は負の遺産と化し、取り返しのつかない光景を目のあたりにし、複雑な念を抱かざるを得ませんでした。

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 追悼式、探索を終え懇談会会場のつるつる温泉に移動。ここでは、この間の主題ともいえる追悼碑の建立場所についての経過、また意見交換を中心に進めていきました。

 急がれる建立地の確定について、建てる会として最善として進めてきた留辺蘂墓地(常紋・中央道路犠牲者墓碑の一角)を2019年夏に決定し、辻直孝北見市長の範疇による承諾許可を求めてきました。

 2年余りにわたる私たちの要請を受けている側の北見市長が直接かかわることはなく、条例を楯に度重なる公開質問や市議会での質問、マスコミ報道にも動じず、留辺蘂総合支所任せで終始する有様でした。北見市との攻防では承諾許可を得ることはできず、不本意ながらも一定の成果があったとして別の方策に変え、今後は留辺蘂内の寺院での建立に向け進めてゆくこととした報告を行いました。

 この点については、2月市議会で追及をした小川清人前北見市議から報告を受け、一点張りの条例解釈や、旧留辺蘂町での民衆史運動を顧みない市の対応に不甲斐なさを覚えるものでした。

 参加者からは何点かの質問や、各地での活動報告などをいただきながら、活動の中から展望を見出し、次なる活動に転じてゆくことが重要であるとの共通意見が出されていました。

 また、強制労働の背景には常に戦争の潜み、改めて「不戦」を再認識するものでした。

                             (慰霊碑を建てる会 江刺家好治)