2017民衆史を語る講演会報告

去る10月28日(土)13:00~15:00、留辺蘂町公民館において、下記内容の講演会を開催いたしました。

参加者は33名で、内容の濃い講演と、その後の質疑応答だったと思います。

地元の留辺蘂、北見ばかりでなく、旭川、矢臼別からも参加(彫刻家二部黎さん、倉谷あみさんご夫妻)していただき、良い発言をいただきました。

第1部 「日本の戦争とアジア」 後藤守彦氏

第2部 「慰霊碑を建てる会」発足まで 木村玲子氏

第1部は、「憲法改正」が叫ばれ、不戦の誓い、戦争放棄を定めた「憲法9条」が危ない今、過去の日本の戦争の持つ意味を考える内容の濃いものでした。1時間という短い時間でしたが、「70年戦争」ともいわれる、過去のアジアにおける日本の侵略戦争を再認識させられるものでした。脱亜入欧という思想のもとに、日本が行ってきた蛮行の数々。その結果としての敗戦。積み残している未清算の課題など、考えさせられるものでした。

第2部は、昨年2016年10月、「慰霊碑を建てる会」=イトムカにおける朝鮮人、中国人強制連行・強制労働犠牲者の慰霊碑を建てる会を立ち上げるまでの経緯を体験談風に述べたものでした。 2008年刊行の『思い出のイトムカ』を編集しているときに出会った「徴用」で働いていた人々の話から、イトムカにある埋もれた歴史に目を開かされたこと。2010年に名古屋で、中国人の受害者の2名の方に出会い、イトムカの「56号ダム」跡地にある「水神」碑前で、追悼式を始めたことなどから、碑を建てる会を立ち上げるまでの話でした。 会場から、野村興産という会社が稼働している中での難しさをどう考えるのかという質問も出されました。

そこをどう乗り越えてゆくかは、地元に課せられた課題と思います。皆さんで考えてゆきたいものです。

2017年11月4日