石原都知事への情報提供

「新聞報道における遺伝子組み換え食品の安全性に関するご発言について」

当FSINでは、「新聞報道における遺伝子組み換え食品の安全性に関するご発言について」と題して東京都知事 石原慎太郎氏宛に情報提供を行いましたので、ここに公開します。

なお、都知事発言を掲載された朝日新聞及び東京新聞の編集局長にも同様の情報提供をいたしました。都知事発言を再現されたインタビュー記事と承知しておりますが、今後の報道の参考としていただきたく実施したものです。

2012年9月27日

東京都知事

石原 慎太郎殿

食品安全情報ネットワーク(FSIN)

http://sites.google.com/site/fsinetwork/

新聞報道における遺伝子組み換え食品の安全性に関するご発言について

はじめてご連絡を差し上げます。

食品安全情報ネットワーク(FSIN)は、食品の安全に関する必要な情報を収集し、科学的な立場からこれを検証し、自らも科学的根拠がある情報発信をすべく日々活動している、学識経験者、消費者、食品事業者、メディア関係者等の有志による横断的なネットワーク組織です。

朝日新聞9月8日朝刊「石原知事発言から」、東京新聞9月8日朝刊「石原知事 会見ファイル」と題した記事でそれぞれ、遺伝子組み換え食品について、「将来、人体にどういう影響を与えるかはわからない」という知事のご発言が紹介されておりました。これに関して、市場への流通を認められた遺伝子組み換え食品については、科学的な安全性評価において、長期的にも毒性やアレルギーなどの悪影響がないと確認されておりますので、お知らせいたします。

遺伝子組み換え作物は、法律に基づき①食品(食品衛生法)、②飼料(飼料安全法)、③生物多様性:環境(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律:通称カルタヘナ法)の3つの分野で安全性が確認されています。

このうち食品の安全性については、国連食糧農業機関(FAO)・世界保健機関(WHO)の合同食品規格委員会(CODEX委員会)によって示された国際評価基準に基づいて評価されています。この国際基準は、2000年から2007年にかけて日本が議長国となり作成したもので、日本ではこの基準に基づき、内閣府の食品安全委員会が食品としての安全性を評価し、厚生労働省が認可しております。

安全性評価においては、導入された遺伝子と、その遺伝子が作るタンパク質は、胃や腸内で速やかに消化、分解され、体内に蓄積して慢性的、長期的に毒性を及ぼしたり、アレルギーの原因にならないことが確認されています。この安全性評価で人体に影響がないと認められた遺伝子組み換え作物だけが、市場に流通することが認められています。

国内においては安全性未審査の遺伝子組み換え食品が流通しないように、検疫所及び地方自治体でもチェックされています。東京都が実施している以下の検査もその規制の枠組みを踏まえたものであると認識しております。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/idensi/torikumi.html

なお本状は、FSINのホームページ等でも公開いたしますので予めご了承ください。

以上