神津島の天上山
■日時
2025/2/14~16(金土日)
神津島の天上山
■日時
2025/2/14~16(金土日)
■参加者コメント
2024年の秋ごろ、2025年の登山はどこに行こうかなと考えていたときに、そういえば最近島に行っていないとふと思い、それなら島登山の企画を立ち上げようと考えました。いくつか島候補を探していく中で、関東からのアクセスが良く、山自体の魅力が溢れていて良さそうだと感じた「神津島の天上山」に決めました。ほぼ直感です。この企画は絶対に楽しいはず!!
ただ天上山の標高は572mということで、そこまで人は集まらないかもなと思っていたのですが、嬉しいことに5名が参加希望を出してくれたのでいざ決行です!
神津島は伊豆諸島にある島で、本島からだと大島➡利島➡新島➡式根島➡神津島という位置関係になっています。神津島までは船と飛行機のアクセスがあるのですが、やはり島に行くのは船が良いと思うので船アクセスを選択。神津島までは横浜の大桟橋から大型客船の夜行便が出ているのでこれに乗っていくことにします。
船の客室、神津島の宿、神津島で移動のためのレンタカー、現地で夜ごはんを食べる居酒屋の事前注文などの準備を進めていきます。
天気予報は土曜日は晴れ、日曜日は雨っぽいということもあり、船が到着後にすぐに登山を開始することにしました。晴れを祈ります。
2/14(金)
22:30 横浜の大桟橋に集合
23:30 大型客船が出航
2/15(土)
10:00 神津島の前浜港に到着、港でレンタカーを受け取り
11:00 天上山の登山口に到着、登山開始
15:00 下山完了、宿にチェックインし、島内の観光
18:30 居酒屋「龍宮」で夕食
21:00 よたね星空展望台で天体観測
2/16(日)
10:30 神津島の多幸湾を出航
18:00 横浜の大桟橋に帰着、関内で夕食
21:00 解散
【2/14(金)】
ということであっという間に出航当日を迎えます。横浜の大桟橋から23:30に船が出るので1時間前くらいに集合します。迷子になるアクシデントもありましたが無事に全員集合し、神津島まで我らを乗せていってくれる大型客船「さるびあ丸」に乗り込みます。
さるびあ丸は客室が5層構造になっており、船内にはレストランや自動販売機が設置されてます。2等和室と特2等室を予約した人で分かれ、私は2等和室に向かいます。2等和室はカーペット素材の床の大部屋となっており、顔の部分だけが隣の人と遮られるパーテーションがついている雑魚寝部屋となっています。1部屋20人くらいが入れそうではありましたが、シーズン的にそこまで埋まっておらず、ゆったりとしたスペースを確保することができました。出航が23:30だったのですぐに消灯となりました。明日の天気が晴れることを祈り就寝します。
【2/15(土)】
朝6時頃に館内アナウンスで目を覚まします。どうやら大島に到着したようで、目覚まし代わりに最上階の甲板に行くと、綺麗な朝日が大島を照らしていました。吹きすさぶ極寒の風に身悶えしましたが、天気は雲も少ない快晴で、神津島も晴れていてくれることを期待します。
7:30から船内のレストランが営業しているので朝食をとります。朝からしっかりとカレーを頂きました。旅の途中で食べるカレーはやっぱりうまい。10:00の到着まで時間があるので、経由する島に到着するたびに甲板に出て景色を眺めたりしてのんびりと過ごします。
利島、新島、式根島と通過していき、10時頃についに神津島の前浜港に到着しました。港からも島の中央にそびえる天上山が見えて気持ちが高まります!港でレンタカーを受け取り早速行動開始です。
まずは島唯一のスーパーである「スーパーまるはん」で買い出しをしていきます。コンパクトなサイズのスーパーでお昼ご飯を買っていきます。島寿司や刺身が置いてあったので、天上山で食べるように購入していきます。
買い出しも済んだのでいざ天上山に向かいます。二つある登山口のうち黒島登山口に向かいます。登山口近くのちょっとした隙間に車を停めていざ登山開始です。
登り始めると最初は草木の中を進んでいきましたが、すぐに眺望が開けて、後ろを振り向くと港町が一望できました。港では気づきませんでしたがなんとエメラルドグリーンの海がなんと綺麗なことか!日光に照らされて光り輝く海と綺麗な青空、森の深い緑が美しくマッチしていて心が洗われる景色を拝むことができました。これだけでやや満足してしまいましたが、本番はまだまだこれからということでサクサクと登っていきます。
1合目から少しずつ標高を上げていき10合目に到着しますが、これは黒島山という山のピークみたいですね。天上山はさらにこの先にあります。10合目の近くにある千代池に寄っていきますが、この季節は池も干上がってしまうみたいで満々と水をたたえる姿を見ることはできませんでした。春秋は綺麗な池が見れるみたいです。
千代池を通過し、砂漠分岐で裏砂漠方面に向かいます。天上山には表砂漠と裏砂漠という岩稜砂丘地帯があり、それぞれを砂漠と呼んでいます。いったいどんな景色なのだろうとワクワクしながら進んでいきます。
天上山に背丈の高い木は生えていないものの、山肌全体を草木が覆っており、その隙間からゴツゴツとした大岩がチラ見えしている不思議な景色が広がっていました。そして少し登ったら海が見えますし、目まぐるしく変わる山容にどんどんと引き込まれていきます。
そして少し進むとついに裏砂漠と呼ばれる地帯が見えてきました。そこは砂漠と呼ばれるにふさわしい光景で、一気に草木が無くなり岩と砂の世界が広がっていました。月や火星の表面のような景色で、ガラッと変わる山容には驚かされてばかりでした。
裏砂漠を未開の大地を開拓するような気持で進んでいくと裏砂漠展望地があり、断崖の展望台から新島と式根島が綺麗に見ることができました。お昼過ぎの良い時間だったのでここで昼食をとることにします。皆々スーパーで購入してきたお寿司などを出して海の幸を堪能します。途中強風が吹き、私の醤油皿が飛んで服とザックに醤油がかかってしまいました。。新品のバッグということで申し訳ありませんでした!!
昼食を終え天上山の山頂へと向かいます。途中で新東京百景展望地なる場所がありました。新東京百景なるものを初めて聞いたのですが、選定されたのは1982年みたいで結構歴史のあるものなんですね。
展望地を通過し不動池に到着します。ここも千代池と同じくこの時期は水が干上がっておりました。池の真ん中には祠があり、水がある時期には祠が水に浮かんでいる神秘的な光景が見れるみたいですね。
不動池を抜けいよいよ天上山の山頂が近づいてきました。不動池から30分ほど歩くと足元の岩石の色が少し赤っぽく変わっていき、ゴールが近いことを告げてくれます。最後の登りを越えると神津島の最高地点、天上山の山頂(572m)に到着しました!島の独立峰ということで360度視界が開けており、綺麗な海も今まで歩いてきた登山道も全てを観ることができました。ここまで来てよかった!!
強風が吹き付けてきていたので、みんなで写真を撮ってすぐに下山を開始します。今度は表砂漠を通過するルートで下山していきます。表砂漠のほうはより鋭利な岩石がゴロゴロ転がっていて、裏砂漠とはまた少し違った雰囲気がありましたね。最初の砂漠の分岐を抜けて少しずつ夕日に照らされる港を眼下に見ながら登山道を下っていきます。15時ごろに黒島登山口に無事に下山しました。お疲れ様でした!
レンタカーに乗り込み本日の宿である「山下旅館 別館」でチェックインを済ませます。広々とした落ち着いた空気感の和室ですね。夜の居酒屋の予約までまだ少し時間があるので、宿に着いて早々に飛び出し車で赤崎遊歩道に向かいます。赤崎遊歩道は島の北側にある木製の遊歩道と展望台がある場所で、天上山と並んで神津島の有名な観光地となっています。改めて神津島の海の透明感を間近で見ることができました。本当に綺麗!!遊歩道には飛び込み台があり、今は冬なので人はほとんどいませんでしたが、夏になるときっと人で賑わうんだろうなと思いました。展望台から夕陽を拝むこともできたので、宿に戻ります。
宿には温泉があり、時間制で貸し切りとなっていました。夕食前に温泉に入ろうと楽しみにしていたのですが、シャワーを浴びて湯舟に浸かるとすさまじい違和感が。湯がぬるい!!いやむしろ冷たい!!!感覚的には30度前後で、全く身体が温まる感じではありませんでした。。お湯も追加されているのですが、チョロチョロとしか出ておらず、これではすぐに冷めるよなという感じでした。閑散期なので温泉まで気を使ってなかったのかな。まあ温泉はそこまで期待していた部分ではなかったので、そこまで気落ちすることはせず、夕食に向かいます。
宿を出ようとしたときにそこそこ雨が降り始めてしまったのですが、さすがにお酒は飲みたいので車では行かずに気合いで歩いていきます。10分ほど歩いて居酒屋「龍宮」に到着しました。一軒家を料理店に改装したお店みたいで、奥の座敷に案内してもらえました。
このお店では予約時に料理は事前に注文するように頼まれていました。島という立地のため、食材の調達のためにも事前注文をしてほしいとのことだったので、事前にコース料理とお寿司を注文しておきます。私は金目鯛づくしコースを注文していたのでドキドキしながら座して待ちます。
しばし待つと各々のコース料理が運ばれてきました。これのどれもが美味しい!!事前のレビューを見ても味については褒めているコメントしかなかったので期待していましたが、これは期待以上のお味でしたね。特にイカがコリコリしていて美味でした。あと鶏の唐揚げがめちゃくちゃ美味かった。あの衣はどうやったらあんなにフワフワに仕上がるんだ。。その後もお寿司に刺身にと美味しい料理を次々と頂くことができて幸せでした。島の焼酎である盛若も頼んだのですが非常に飲みやすくスイスイと飲むことができました。これは買って帰ろう。
美味しい料理とお酒に大満足し龍宮を後にします。島ビールのお店にも寄ろうとしましたが、お店に行き店員さんに声をかけるともう閉店とのこと。今後ろにいる店員さんとアイコンタクトして閉店決めたよね。まあそんなところも島のご愛敬。
雨も上がり、雲も晴れてきていたので、星空鑑賞スポット「よたね広場」に向かいます。神津島は星空保護区に認定されており、綺麗な星空が見れるように島全体で照明の明るさを抑えるなどの取り組みをしています。
丘を登っていきよたね広場に到着します。公園は照明もなく真っ暗で、島の夜景も見ることができました。空を見上げると少し雲が出てきてしまいましたが、目が慣れてくると少しずつ星が綺麗に見えてくるようになりました。あまり星に詳しくなかったのですが、冬の大三角形やオリオン座を観ることができました。ちょっと月が明るすぎたので、ホームページで見たような満点の星空とはいきませんでしたが、都会では見ることができない星々を仰ぎ見ることができたので満足です。
夜も更けてきましたので宿に戻り就寝します。布団がふかふかで気持ち良かったので、お風呂がぬるかったことは大目にみてあげましょう。
【2/15(日)】
最終日の朝となりましたが、天気は悪く雨が降っていました。もし晴れていたら東の港に日の出を観に行こうと考えていたのですが、ちょっと難しそうだったので宿の周りを軽く散歩するだけにしておきます。
出航の10:30前にお土産を買おうかと考えていたのですが、8時になると島内アナウンスが流れ、海が荒れているため大型客船の出航が島に来た時の前浜港ではなく、島の東側の多幸湾になるとの放送が聞こえてきました。急な変更に少し慌てましたが、レンタカーは前浜港に置いて返却し、多幸湾までは宿の車で送ってくれることになったので一安心です。
9:30頃に車を出すとのことだったので、それまでにお土産を買っていきます。船の出発時刻に合わせて早い時間からお土産屋さんが開いていたので助かりました。焼酎やお菓子を購入し宿に戻ります。
宿から出してくれる車に乗り多幸湾へと向かいます。車で向かっているうちに天気は晴れていきました。島の東側の多幸湾に到着する頃にはすっかり晴天になっており、西側とは全く違う天上山の荒々しい山肌が海まで続く威風堂々とした光景を見ることができました。もし出航が前浜港のままだったらこの景色も見ることができなかったのかと思うと、このちょっとしたトラブルが起きて良かったなと思いますね。
港の近くには多幸湧水という湧き水スポットがあり、飲泉してきたりして出航までのわずかな時間を過ごしました。出航のアナウンスが流れ、名残惜しいですが再びさるびあ丸に乗り込み神津島を後にします。なかなか来れる場所ではないと思うので、神津島の姿を目に焼き付けておきます。
横浜の大桟橋に到着するのは18時なので、8時間くらいを思い思いに過ごします。お昼にはレストランでまたカレーを頂きます。やっぱり旅はカレーなのよ。その後は船内の自販機でお酒とお菓子を買い込み、甲板で景色を観ながら酒盛りに興じます。少し風が冷たいですが、船の上で海を見ながら酒を飲む時間は本当に贅沢ですね。
酒盛りの後はそのまま景色を観たり、客室でのんびりしたりとそれぞれの時間を過ごします。16時ごろになると本土も近くに見えてきて、夕日に照らされてきていたこともあり、旅の終わりが近づいていることを寂しく感じてしまいました。
船は予定通り18時に大桟橋に到着し、飲んで帰ろうということで関内の「ビールと鉄鍋餃子 3・6・5酒場」に寄っていきました。リーズナブルな大衆酒場でしたが料理も美味しく、昨日の龍宮の上品なお料理もよかったですが、こういうジャンキーな居酒屋料理もやはり良いなと胃袋に染み入りました。
2時間ほど飲み食いし、宴もたけなわということで店を出ます。地下鉄とJRに乗る人で分かれたので、ここでこの旅も散会としました。
金曜日の夜から丸二日の旅となりましたが、天候にも恵まれ、天上山登山も美味しい料理もこれでもかと満喫することができた最高の神津島旅行となりました!!ありがとうございました!!